玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

カラスウリ

2018-08-20 14:17:18 | 秋の花 冊子
ウリ科カラスウリ属の多年草。カラスウリという名前は人が食べるウリではなく、カラスくらいしか食べないウリという意味であろう。スイカやメロン、カボチャなどもウリ科で、どう見ても花が筒状の合弁花だが、最新の分類学ではDNA研究によって分類体系が見直され、離弁花、合弁花という分け方はしないことになった。カラスウリの花は非常に印象的で5枚に別れた花弁の先がレースのように細かく分かれて長く伸びる。ただしこれは蛾を引き付けるために夜に咲くので、昼間見るときは丸まってようすが違う。秋の終わりに大きな赤い果実をつけ、花よりも果実で気づくことが多い。多肉果の多くは直径1センチ未満の、鳥が一飲みにできるものが多いが、これは鳥がついばんで果肉を食べる。種子が特異な形をしており、巻いたパンのようにも、紙をねじたたんだようにも見える。カラスウリの別名は「玉章」と言い、結び文のことだというが、それはこの種子に由来する。

















エッセー
 あるマンションの生垣にカラスウリが覆ってしまいました。取り除こうとしたら、居住者のおばあさんが「カラスウリは橙色のきれいな実がなるからそのままにしておいて」と言いました。もっとも雄花ばかりでしたが。大石征夫


 井の頭恩賜公園で夜に奇妙な花をみました。それがカラスウリとの印象的な出会いです。秋口には小瓜のような可愛い赤い実がぶら下がっていました。「打ち出の小槌」に似た種は縁起物としてお財布に入れておくとお金が貯まるとか?小島 基男

 白いレース編みのような麗しい花を初めて見た時の驚き。夕方から夜明けまでしか見られないのも秘密めく。住田景子

 スケッチは花を描くのですが、カラスウリの花を白い紙に描くのはあきらめて、果実にしました。果実はうまくいきましたが、葉には手こずりました。高槻成紀

 鮮やかな朱色の実をつけるカラスウリですが、真っ白な花はクモの巣に囚われているようです。夜の玉川上水で柵に絡みついた姿を見つけると、不気味なほどに幻想的。安河内葉子

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