玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

ヒガンバナ

2018-08-20 14:31:45 | 秋の花 冊子
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。ヒガンバナとは彼岸花で、秋の彼岸の頃に咲くから。それだけで仏教と
のつながりがありそうだが、強い紅色で花の形も「ふつうの花」とは違う印象がある。別名の曼珠沙華は仏教で吉事が起きる前に咲く花とされ、想像上の植物だが、ヒガンバナがそれだとされたようだ。
 特異な花の印象は、葉がなく、枝もないまっすぐな茎の上に一つだけ花を咲かすこと、その花が鮮やかな赤で、大きく、細長い花びらやおしべなどが独特の雰囲気をかもし出すからである。鮮やかな赤は最もめだつ色で、血や火を連想させ、それも「ふつうでない」印象を増幅するようだ。さらに、植物体には実際、アルカロイドという毒物質を含み、こてを食べると
場合によっては痙攣を起こし、死に至るほど危険である。そのこともこの花を「怖い花」と思わせたのであろう。
 日本に広く分布するが、山にはなく里山の植物で、古い時代に大陸から渡来したとされる。田んぼの畔などに植えられ、地下の鱗茎は水晒しするとデンプンがとれるので、飢饉のときに食べる「救荒作物」とされた。玉川上水には非常に多く、全体の3分の2ほどの範囲に生育する。

 

 

 

 

 




スケッチ

エッセー
 子どもの頃、疎開先の山梨の韮崎で、田んぼの畦道にヒガンバナが咲き始めると,母が「そろそろお墓参りに行きましょう」と言っていたのを思い出します。また一面真紅に染まった群落に真っ白なヒガンバナを見るとまことに清楚なイメージです。小島 基男

 ギアナ高地の未踏の山に登った時、日本人のメンバーがひざを痛め腫れが引かなかった。帰国後、彼は整形外科に受診しようとしたが、私はヒガンバナの球根をすり潰して、ガーゼに引き伸ばして、足の裏に貼るよう指示した。5日間で完璧に膝の腫れは引いた。その後、彼は登山を再開したが、膝を腫らすことはないという。関野吉晴

秋の虫が鳴きだすと、祖母は庭の草花を摘み、私の手を引いてお墓まいりに行きました。道すがら真っ赤な花が咲いていました。ヒガンバナを見ると、野良仕事でゴツゴツと荒れた祖母の手のぬくもりを思い出します。水上和子

 名前の通り、毎年決まってお彼岸の頃に鮮やかな紅色の花で玉川上水を彩るヒガンバナを見ると、「ああ、お彼岸なんだ」と自然の確実さを感じます。水口 和恵

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