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玉川上水 花マップ

玉川上水沿いの主な野草の生育地図を作ります

9月の観察会の記録

2023-09-03 14:59:12 | シンポジウム
暑い日が続いています。今日の天気予報では曇りということでしたが、実際には晴れで暑い朝でした。鷹の台の近くのうさぎ橋に集まりました。イネ科好きの関口さんがいくつか持ってきて質問しました。チカラシバ、カゼクサ、トダシバ、ネズミノオなどがありました。328号線予定地に行って予定地として枠囲いした場所の幅を測ったら31.5メートルありました。その後、「どんぐり林」に行ってみました。道路がついたらここがどうなるのか、想像ができませんでした。

どんぐり林

 ヌスビトハギ、ミズヒキ、イノコズチ、キツネノマゴ、ヤブミョウガなどが咲いていました。

  
ヌスビトハギ

 久右衛門橋から下流に向かって歩きました。ムラサキシキブ、エゴノキ、カマツカなどが緑色の果実をつけていました。
 「この辺り、私が観察を始めた十年ほど前には明るい草原のような感じでしたが、あっという間に今のように暗い林の感じになりました。一方で、今ナラ枯れで木が切られて明るくなったから、こういう場所にアカメガシワなどが入ってきてウワーっと育って、数年でまた暗くなるのだと思います。」
「これ何かしら」と澤口さん
「チゴユリです」
「え、ずいぶん大きい」
「ナラ枯れで上の木がなくなったから、直射日光が当たって大きくなったんですが、チゴユリは林の下に生えるので、明るすぎて黄色くなっているでしょう。そのうち消えていくと思います。ここは毎年春になるとチゴユリの花を見るのが楽しみなところだったんですがね」


チゴユリを見る。

 シキミやヤブツバキの果実などをみて鎌倉橋に行きました。テイカカズラが緑いろの果実をつけていました。それから南側を上流に向かって歩くことにしました。


 久右衛門橋に戻るとツルウメモドキの果実が少し黄色くなっていました。シラヤマギクやセンニンソウが咲いていました。あまり見かけて記憶がありませんが、ヤマコウバシが果実をつけていました。

ツルウメモドキ

シラヤマギク

センニンソウ

ヤマコウバシを見る

ヤマコウバシ

ツリガネニンジン

ヒヨドリジョウゴ

ヘクソカズラ

ヤブラン

「このあおい実はなんだろう」
という声がしたのでみるとスイカズラでした。
 イヌビエやエノコログサがあったので
「イネ科の花は緑色でパッとしないけど、よく見るとおもしろくて、茎、枝、小花の関係がいろいろで、その作りがわかると区別がしやすいです。エノコログサはアワと同じで、これで粟おこしを作るわけです。地味でパッとしない花ですが、米と小麦は人類の主食ですから、狩猟採集民と生活に革命を起こしたわけです。こんな地味な花を見て食べてみようとした人がいたということですから、すごいものです」
 鷹野橋にはゴンズイが赤い身をつけていました。そこから上流に向かって歩きました。

ゴンズイ

「あ、キツネノカミソリがあった」

 
キツネノカミソリ

最初は上流公園までと思っていましたが、暑いのと時間になったので、水車橋で解散することにしました。

鷹の台駅に向かう道路を歩いていると北側にある空き地に目隠しの金属の白い壁がありました。そこで以前、関野吉晴さんが写真展示をしていたところです。そこにイネ科が生えていました。私は絵を描くのが好きで植物もよく描きますが、絵が写真と違うのは対象の植物の背後が白いということです。逆にいうと自然界では植物は重なり合ってはえていて、私たちの目には重なりと奥行きが見えています。この白壁には舗装の関係で細い一列の隙間があってイネ科はそこに生えていて重なりがなく、しかも背後が白なので白いスケッチブックに描いたのと同じ効果があると思いました。