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好奇心旺盛なおばさんのワクワク日記

勉学優先のセン業主婦!
遠くに見える富士山を眺めつつ、ワクワクしながら学習などにいそしむ日々を書き綴っています

『記紀』と『祝詞』

2014-06-07 00:47:43 | 古事記
『古事記』歌謡番号63にある「夜賀波延那須(やがはえなす)」について調べた時、「やがはえ」は「八桑枝(やくはえ)」の転で、『祝詞』の「中臣寿詞」の最後の部分に、「八桑枝の如く立ち栄え仕え奉るべき寿詞を」とあることを教えて戴いたことがありました。

この『祝詞』の製作時代や作者については特定が困難なようなのですが、『祝詞』(青木紀元編)のはしがきに以下のようにあります。
(以下青字の部分は抜粋)

一体に宗教行事においては、古代が尊重される。従って祝詞の中には、日本の古語が保存されている(新しい語法の交じっていることも見逃せないが)。このようにして祝詞は、日本古代の言語・文章・文学を研究する上にも、貴重な資料を提供しているのである。


また、『祝詞』(日本古典文学大系 武田祐吉)の解説に、祈念の祭の祝詞に大和の国の地名があげられていることから飛鳥京、または藤原京の時代に制定されたのであろうという推測がなされる、と書かれています。

祝詞によっては『古事記』以前に成立していた可能性があり、『古事記』に同じ語句が登場しても何の不思議もないわけですね。

「夜賀波延」は歌謡なので音仮名で表記されていますが、『古事記』には歌謡・固有名詞以外にも音仮名で書かれているところがあって、『祝詞』『日本書紀』に同じ語句が見られます。

『古事記』(小学館:新編古典文学全集 上巻 p117)
伊都能知和岐知和岐弖(いつのちわきわきて)

用字は違いますが、同様の語句が『祝詞』「六月晦大祓」にもあります。
伊豆乃千別尓千別弖(いつのちわきにわきて)

そして、音仮名表記ではありませんが『日本書紀』(岩波書店:日本古典文学大系 巻第二 p141)にも同じ語句があります。
稜威之道別道別而

前出の『書紀』に「ちわき」の意味として「道をかきわけてすすむこと」と書かれているのですが、漢文ならば動詞・目的語の順で「別道」となるのでは?と思って辞書を引いてビックリ!
「ちわく」という動詞があったのですね。『時代別国語大辞典 上代編』にも上記の『記紀』の語句が用例としてあがっていました。

以下の画像は、『古語大辞典』(小学館)のものです。
           

                          


『古事記』の音仮名表記の部分だけを調べてみるのも面白そうです。テキストデータを「以音」で検索してみると290もヒットしました。
ちょっと多すぎ・・・ 

ある方の論文によると、口誦の部分が仮名表記されている箇所が多いようです。
ボチボチ調べて行きましょう~~ 

『古事記』の成立年代をもっと早いという説を唱えている方がいらっしゃいますが、そうなると『祝詞』との関係はどうなのでしょうね?それも気になりますが・・・



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