好奇心旺盛なおばさんのワクワク日記

勉学優先のセン業主婦!
遠くに見える富士山を眺めつつ、ワクワクしながら学習などにいそしむ日々を書き綴っています

中国独特の習慣・避諱字

2010-03-07 16:00:08 | 漢文・漢字
漢籍を読む上で注意しなければならないことに避諱字があります。
特に宋・清代は厳しかったようです。


古来中国では、名前はその人の本質を表すということから、実名を呼ぶことはタブーとされていたといいます。目上の人が目下のものを呼ぶことは差し支えなかったようですが。

皇帝の本名は絶対に読んではいけないとされていたので、文献などもその諱は避けて他の文字に代えたり、欠筆(最後の1画を書かない)などの方法が採られています。

画像は、『孟子』(四部叢刊・初編経部)ですが、「恒」(右頁)「殷」(左頁)の最後の画が欠筆になっています。

昨日書きましたが、「啓蟄」が「驚蟄」に改められたのもこの避諱字に拠ります。


「避諱字」とされるものは王朝ごとに違います。
このことから出版年代が分からないときなど、避諱字から年代の特定が出来ることもあります。

ただ版本によっては後代に修正などの手を加えられたものもあり、『四部叢刊』の『毛詩』を見ると、欠筆にされるべき字がされていない箇所があり、調査をする際はそれのみに頼ることは出来ませんが。

避諱字については以下の書籍などに説明があります。
『漢籍版本のてびき』東方書店
(「宋~清代の歴代帝王とその諱字」の一覧表有り)

『中国古典を読むはじめの一歩』中国書店
(避諱に用いられる方法についての用例が多く記載されている)

『漢籍はおもしろい』研文出版
(なじみ深い『三国志演義』『世説新語』『紅楼夢』などからエピソードをあげたり、家諱についても書かれている)
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