うさこさんと映画

映画のノートです。
目標の五百本に到達、少し休憩。
ありがとうございました。
筋や結末を記していることがあります。

0203. Stagecoach (1939)

2007年06月12日 | 1930s

駅馬車 / ジョン・フォード
96 min USA

Stagecoach (1939)
Directed by John Ford, Written by Dudley Nichols based on the novel by Ernest Haycox. Original Music by Gerard Carbonara. Cinematography by Bert Glennon. Performed by Claire Trevor (Dallas), John Wayne (The Ringo Kid), Thomas Mitchell (Doc Boone). Louise Platt(Lucy Mallory), John Carradine(Harfield).


一枚ずつの絵に力があった。おなかがたいらで(笑)スリムなジョン・ウェインが、ぴかぴかに輝いている。誰かがブレークしてスターになる作品は、ずっとあとになって時代の文脈を知らずに観ても「そうだろうな」と不思議になっとくがいく。もちろんそのひとがなにかをもっているのだろうけれど、監督や撮影スタッフなど、現場もこぞって「この若いのをスターにしよう」という意気ごみでつくっているのではないかしら。映った瞬間、なにかが伝わる。その一瞬のために、たくさんのひとが全力をつくしたにちがいない作品。

駅馬車が襲われる銃撃シーンなど、たしかに斬新なカメラワークだったのだろう。いまみてもこわい。ただ、その映画としての価値とはべつに、女性や民族的少数者のえがきかたは、正直もっとこわかった。馬など動物への接しかたもそう。これほどの偏見に貫かれた時代に生きることは厳しいと、やはり思う。娼婦にたいする視点など、モーパッサンと変わらない。人物の類型性も徹底的だった。もちろんこれには、アメリカの「時代劇」としての要素も大きそう。

とはいえ映像という複製芸術では、多くのひとびとが特定の作品の特定の箇所について批評し、議論をおこなうことができる。「西部劇」は定型を醸成することにも、それを改善することにも力をもってきた。なにを、どう変えたいか。そこからさきは、観たがわの仕事になる。時代の価値観はフォードの罪ではない。



メモリータグ■夫が負傷したという知らせに、ばったり気絶する中尉夫人。唖然として見ていると、なんと次の場面では赤ちゃんが産まれます。二度びっくり~。赤ちゃんをとりあげるので、大量のコーヒーを飲んで酔いをさますアルコール中毒の医師がリアル。






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