うさこさんと映画

映画のノートです。
目標の五百本に到達、少し休憩。
ありがとうございました。
筋や結末を記していることがあります。

0320. スカイ・クロラ (2008)

2009年12月25日 | 2000s
The Sky Crawlers / Mamoru Osii
121 min

スカイ・クロラ (2008)
監督:押井守、美術監督:永井一男、製作総指揮:奥田誠治・石川光久、演出:西久保利彦、キャラクターデザイン:西尾鉄也、プロデューサー:石井朋彦、脚本:伊藤ちひろ、原作:森博嗣


背景美術がとてもいい。これは美術監督の永井一男さんの力が大きいのだろう。とにかく法外に時間と人手と費用をかけた絵づくりをしている。どこがスポンサーだったのだろう。ざんねんながら脚本、動画、人物画などは弱く、日本映画製作者連盟が発表した2008年の興行収入リストでは上位50位以内に入っていない。52位の作品の収入が10億円なので、それ以下ということになる*(ウィキペディアによると7億円)。

*『日本映画製作者連盟(映連)』「2008年映画興行収入」
http://memorva.jp/ranking/sales/movie_sales_2008.php

大友克洋さんが2004年に発表した『スチームボーイ』の興行記録が11億6000万円だったこととくらべると――あれはより広い範囲に訴求しておかしくない作品だったにもかかわらず、プロモーションに難があった――この作品の結果は比較的理解しやすい。予告編と本編の印象も変わらなかった。

7億円を劇場チケットの標準価格1800円で割れば約40万人。見るひとは見たろう。ここまで個人的な嗜好の強い作風としては、じゅうぶん成功した数字に思える。かりに押井さんのコアな観客層をざっとこの半数と考えるなら、見込める収入は3.5億。これにビデオレンタル料を加算すれば妥当だろうか。こんごは制作費を2億円程度におさめる前提で制作設計をたてれば、作りたいように作れていいかもしれない。