今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

お産病棟におけるエスニック事情 その3 白人(非ヒスパニック)

2009-08-25 00:18:08 | 家庭医療
独断と偏見のエスニック事情

今回は白人(非ヒスパニック)です

様々な人が多いので、ステレオタイプにコメントするのは難しいですが

1. 旦那が奥さんの手を握ったり、キスをしている率が一番高い
2. こだわり (birth plan)のある人が多い


1はコメントするまでもなく、おそらく皆さんが持っている

アメリカ人に対するイメージをそのまま見ている感じです

2のこだわりですが

何種類ものハーブを飲んでいたり

入院するや否や A4で2、3ページに及ぶ

Birth plan (お産計画書)を手渡されることが多いです

  • 胎児心音のモニターは連続でなく間欠的に
  • IUPC(intra-uterin pressure catheter)はお断り
  • FSE(fetal scalp electrode)はお断り
  • 赤ちゃんが産まれたあとのビタミンK注射はお断り など

びっしり書かれており、当初は正直げんなりしました

ネット上に Birth Planのひな形なるものが転がっているらしく

それをmodifyして、birth planを作られる方が多いようです

「帝王切開は絶対お断り」とか非現実的な要求も散見されますが

慣れてくると、全体的にはごく当たり前の要求が書いてあることに気づきます

まあ、基本は自然分娩(最低限の介入で)という考えが主流です

ただマーフィーの法則ではありませんが

そういうプランを持っている人に限って、

合併症が起きたり、緊急帝王切開に至り

医療による介入を余儀なくされる人が多いというのは、私の気のせいでしょうか?

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2 コメント

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やっぱりAAですね。 (WIP)
2009-08-29 17:23:58
 しばらくぶりです。8月中今年もいろいろ日本家庭医療セミナー巡業してました。日本でも3学会が一緒になりましたけど、産婦・婦人のケアーはこの学会の中でどう扱われていくのでしょうね。家庭医療の後期プログラムで重要性を強調していかねばと感じます。
 チェルシーでのOBはちょっと他の地域とは違いますよね。インターネットを使いこなす大卒中流ヤングファミリーが多いでしょうから、或る意味では話の飲み込みが早いのでしょうが、一方流行のようにエコー・自然主義的な一見ですが医療の介入絶対反対主義者もおります。そういう人には中庸というか世の中ほどほどが一番賢いということを教えねばなりません。難しい・・・。
 研修一年経って随分アメリカの社会感覚がつかめてきたことと思います。日米どちらがいいとか言うことではなく、自分で何らかのしっかりした根拠というか視点を持って物事を見ていかないと他文化に入ると本当に振り回されます。私もフランスでまたまた世界観・人生観揺さぶられました。
 揺れないより揺れた方が、何らかの方向性ができて進歩ではないでしょうか。揺れない社会は進歩が遅い! なんか選挙の話のようになってしまいました。
 つらくてもめげないで頑張ってください。二年目は楽になりますよ。お元気で。
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re:やっぱりAAですね。 (WIP) (familymed758)
2009-08-30 06:05:53
お久しぶりです。コメントありがとうございます。日本巡業うらやましいですね。そろそろ日本の食事が恋しくなってきました。3学会の合併は前向きな方向で進むと良いですね。OBケアがどう扱われるか私も気になっています。
WIPさんがおっしゃるように、こちらにきて良い意味で「自分は日本人だ」と強く意識するようになりました。相手の価値観に理解を示しつつも、日本人的発想は大事にまわりに良い影響を及ぼせればと思っている今日この頃です。
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