今更留学記 Family medicine

家庭医療の実践と、指導者としての修行も兼ねて、ミシガン大学へ臨床留学中。家庭医とその周辺概念について考察する。

うれしい報告

2008-05-30 00:52:49 | 教育
とってもうれしい報告がありました ~  心は

数年前から母校のT高校で総合学習のお手伝いをしていました

縁あって「現代医療ゼミ」というセッションの講師をやっているのですが

その母校の先生から連絡をいただきました

曰く
「高校1年生のときに現代医療ゼミを受講し、私に雑誌のインタビューもしたA君が、この春東大理3に合格したとのこと。現代医療ゼミへの参加と私の話を聞いたことが、進路選択の決め手になったと本人が話していたそうです」

雑誌のインタビューというのは、高校生向けの雑誌で

私が「家庭医療という分野で留学をして、日本に家庭医をもっと浸透させたい」などと夢を語っています(恥ずかしながら

医学教育にどっぷり浸かっている上司や同僚に囲まれて

教育の喜びを少しずつ刷り込まれてきた私が

高校の総合学習で、一番伝えたかったのは

「自分がやっていることはこんなに楽しいんだよ、みんなも何か夢中になることを是非みつけて下さい」ということなのですが

去年読んだ齋藤 孝 さんの「教育力」という本に

「あこがれの伝染としての教育」という表現があって、ビビッときたのをふと思い出しました。


もし自分との交流の中で、A君が

「ああ、医者って楽しそうだな。家庭医療、面白そう~」なんて感じてくれていたとしたら(別に家庭医療じゃなくてもいいんですけど)

こんなうれしいことはありません


マスコミやネットを通じて、医者の仕事に対する夢がどんどん壊されてきているこの御時世なだけになおさらです


指導者とか、教育とか言ってますが、


はじめてなんです、こういう感動は!


「○○先生のようになりたくて、~をすることにしました」

私の
上司や同僚は本当によく言われるんですが、

私はと言えば、ポリクリ(学生実習)を担当した時の学生の評価では、結構高得点の評価をいただきながらも

「自分には何かが足りないなあ・・・」と、ず~っと感じていました

ソツなくこなすのですがクールすぎて、心が伝わらないというか、感動が無いというか

手術の腕で生きていく外科などよりも、人との関わりを重視する家庭医療を選んだり、教育を重視したりしている自分の選択は

頭が優先して、ハートが足りない自分を自覚しているからこその選択のようにも感じているだけに

端から見れば対したこと無いかも知れませんが、今回の報告は私にとっては大きな転機になりそうな予感です

わざわざ報告してくれた先生にも感謝です

ありがとうございました