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天気 あたたかくて眠くなる
角田光代 著 : トリップ
を読みました。
去年の暮れに読みました。
私の好きな作家、角田光代の短編集です。
物語はどれも、東京の郊外、小さな商店街とその先の
住宅街を舞台にした物語です。
主人公は、女子高生、主婦、主夫、ストーカー、小学生など
バラエティーに富んでいるのですが
彼らは、小さな商店街の店の前で、最寄の駅のホームで
すれ違いながら、しかしお互い知り合うことなく
淡々と生きています。
私の心の中にいつもある、謎や疑問を
角田光代は、プロの文章と、独自の視点と言葉選びで、
明快に表現してくれます。
いつも読むたびに、文章の中に引きずり込まれるような
感覚を抱くのは、こういうところに私の中の
アンテナが、強く反応しているのかもしれません。
私は、いつもすれ違う、沢山の人々の、それぞれの人生に
とても興味を持っているのですが、いつも考えていることを、
そのまま文章にしてくれたような作品でした。