(財)松下政経塾26期生の兼頭一司さんが弓削島に住むこととなり、これからの地域づくりをテーマに「希望の島フォーラム」が開催された。
我々「えひめ地域づくり研究会議」のミニフォーラム実施も兼ねていたが、多くの地元の参加者があったことは嬉しかった。
基調講演では、神野直彦東京大学経済学部教授により「地域と人間の回復」が語られた。
現在、日本が置かれている危うい現況について、分かりやすく何を今後の指針とすべきか示唆に富む話を伺う事が出来た。
それはまた、大衆的貧困を克服するための工業社会が終焉を迎え、スウェーデンやキューバの事例を上げながら、環境と文化による地域経済再生へのアドバイスでもあった。
平成の合併で、我々の愛媛県では70市町村が20市町(11市9町)になり(松野町が鬼北町に入ると19市町)、13の村が消えた。しかし、そんな自治体数の効率化は日本だけだという。フランスやドイツの自治体数は、それぞれ3万5千とか1万8千という数字。3千数百の日本が今回の合併で1000近くに効率化されたのとは全く状況が違っている。
例えば、1町3村が合併した上島町などは、人口が8000人となったが、ヨーロッパなら立派に“市”である。(日本では、人口3万人以上が市の概念)
かつて農業国だった人口800万人のスウェーデンでは、第二次世界大戦後、1950年代から工業社会への推移が始まり、2500あった市町村が278に効率化された。(それでも自治体平均人口は3万人に満たない。日本の場合は約12万人)その過程で、暮らしは豊かになったが、農業を捨てたその新しい国で、国民は他人同士になった、と揶揄される。