昨日は「100歳の少年と12通の手紙」という映画を観た。僕が今まで観た映画の中でTOP5に入った!!
【内容(「Oricon」データベースより)】
『白血病を患い、余命わずか12日という10歳の少年オスカー。
医師はおろか両親までもが気を遣い、真実を語ろうとしないことにうんざりしている。
そんな中、病院内で偶然出会った宅配ピザの女主人ローズは、唯一彼に正直に接してくれる大人だった。
オスカーの希望で12日間、彼の元を訪れる約束をするローズ。その日からオスカーの毎日が目まぐるしく展開していく…。』
フィクションの映画で、主人公は余命わずかの白血病の少年ということで、主人公を死なせて、観ている側を安直に泣かせるというベタな内容かなと思っていたら、まるで違った作品だった。
余命わずかの白血病の少年である主人公オスカーが、1日を10年と考えて、1日1通ずつ神様に手紙を書いていく、という内容。
わずか10歳で亡くなるオスカーの死ぬシーンで泣かせることを狙っていないところが魅力の一つだ。
もちろんこの映画にも病気の悲惨や辛さはある。それで泣いてしまう。でも確かな幸せがあるのだ。
たとえ短い生命であっても、1日を10年と考えて一生懸命生き、人生の意味や生きる尊さ、大事な人を愛するということに気付き、満足して死を迎えるというテーマを強く感じることができた。
人間は遅かれ早かれみんな死を迎える。でも一生懸命生きていくことで幸せを感じることはできるんだよね。
また、「10代は思春期で苦難の世代です」「30代は心配の世代です」とオスカーが言うシーンに、ユーモアの味付けがあって、クスクスと笑える。
また、オスカーに寄り添う宅配ピザの女主人ローズが良い役どころなんだ。
ローズは素直に自分の感情を出す口の悪いおばさんで、最初は「白血病でいずれ早く死ぬオスカーの遊び相手なんてやってられるか!」という感じなんだけど、オスカーと交わっていく中で、少しずつ内面が変わっていく姿がとても良かった。
また、オスカーもローズと交わっていく中で成長していく姿も良かった。
ポジティブ溢れる映画だけど、時々オスカーが不満を漏らすところも人間らしくて共感できた。
ターミナルケアで大事なことは、病気になって悔やんでいる過去から再生し、残された人生を生き直すこと。
受け入れ、寄り添い、赦すことや和解することによって、変わらない過去の出来事に新しい意味を作り、人間関係を回復することができる。
重荷を負っている人間は、心の解放や赦されることの体験が必要だ。こういうことを僕はこの映画から学んだ。
また「子どもホスピス」の本質を見た。言い換えると、生きることの実感と充足、人間のあらゆる違いを越えて大事な人として相手に寄り添うということ。
だから特に「子どもホスピス」の活動や応援をしている方、病気の家族がいる方、子どもが好きな方、医療従事者(特に小児科)の方に観てもらいたい映画です。
凄く良い映画でした。なんでこの映画が日本でほとんど宣伝されなかったのだろう?と思います。
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