「フラッシュ暗算」というのをご存じだろうか?
パソコン画面に次々と表示される数字を暗算していく高速計算法である。
もともとはソロバンの暗算から生まれたものらしいが、今では全国的な広がりを見せ、検定やコンクールもあるという。
上達すると、3ケタを15回たす暗算を2秒!でできるそうだ。
まずはどんなものか、体験してみていただきたい。→ドーナツの塔「フラッシュ演算のFLASH」
...どうだろうか?
私はさっぱりできなかった...。
「百ます計算」で有名な陰山英男氏が副校長を務める立命館小学校では、4月からこのフラッシュ暗算を授業に採り入れているそうだ。
年間105時間行い、4年生までには3ケタの暗算ができることが目標だという。
考案者の神林茂氏は、脳が鍛えられて直感力や認識力などが開発されると効果を謳っているが、どうもこの手のものは「なんだかなぁ...」という思いが拭いきれない。
世は「脳力」ブームのようで、川嶋隆太氏の「脳を鍛えるドリル」シリーズを始めとして様々な書物やパソコンソフトがあふれている。
「右脳」や「ひらめき」というキーワードに弱い大人も多い。
かく言う私も、過去にいくつか買い求めたことがある。
しかし、そもそも「脳を鍛える」とか「脳力アップ」とはどういうことなのか?
「右脳開発」なんて科学的に正しいことなのか?
左脳と右脳の働きの違いについてさえ、一般に考えられているほど単純なものではないという話も聞いたことがある。
どうも単なるムードやイメージに踊らされているような気がしてならない。
「左脳より右脳」「論理よりひらめき」が支持される風潮は、いったいいつ頃から強まってきたのだろうか...。
フラッシュ暗算の全国コンクールで優勝した小4の子は、こんなことを言っている。
「テストでは、教科書のページがそのまま浮かび、漢字も写真みたいに覚えられちゃう。」
私などにはとても想像できないが、何でも見ただけで瞬時に記憶の倉庫に収めることができるということだろう。
では読んだり、書いたり、考えたりはしなくてもいいということか、とかみつきたくなる。
間違えて、試行錯誤して、何時間も悩んで...という経験は必要ないのだろうか...。
もちろんこれですべての力がつくと言っているわけではないだろうが、「速く、たくさん」の思想に基づく学習法は、そのハデさ故に人々の関心を引きやすい。
ジミではあるが本質的な、「少量をゆっくり、じっくり」という学習の重要性も忘れてはならない。
もっとも、「57+15」レベルの計算さえ筆算に頼っている中学生を見ると、もう少し暗算力をつけてほしいと思ってしまう。
逆に言えば、それくらいの暗算力があれば十分ではないだろうか。
副産物を過剰に期待せず、その程度までの暗算をゲームとして楽しむなら、フラッシュ暗算も悪くはないのかも知れない。
※応援してくださる方はクリック(↓)をお願いします!

パソコン画面に次々と表示される数字を暗算していく高速計算法である。
もともとはソロバンの暗算から生まれたものらしいが、今では全国的な広がりを見せ、検定やコンクールもあるという。
上達すると、3ケタを15回たす暗算を2秒!でできるそうだ。
まずはどんなものか、体験してみていただきたい。→ドーナツの塔「フラッシュ演算のFLASH」
...どうだろうか?
私はさっぱりできなかった...。
「百ます計算」で有名な陰山英男氏が副校長を務める立命館小学校では、4月からこのフラッシュ暗算を授業に採り入れているそうだ。
年間105時間行い、4年生までには3ケタの暗算ができることが目標だという。
考案者の神林茂氏は、脳が鍛えられて直感力や認識力などが開発されると効果を謳っているが、どうもこの手のものは「なんだかなぁ...」という思いが拭いきれない。
世は「脳力」ブームのようで、川嶋隆太氏の「脳を鍛えるドリル」シリーズを始めとして様々な書物やパソコンソフトがあふれている。
「右脳」や「ひらめき」というキーワードに弱い大人も多い。
かく言う私も、過去にいくつか買い求めたことがある。
しかし、そもそも「脳を鍛える」とか「脳力アップ」とはどういうことなのか?
「右脳開発」なんて科学的に正しいことなのか?
左脳と右脳の働きの違いについてさえ、一般に考えられているほど単純なものではないという話も聞いたことがある。
どうも単なるムードやイメージに踊らされているような気がしてならない。
「左脳より右脳」「論理よりひらめき」が支持される風潮は、いったいいつ頃から強まってきたのだろうか...。
フラッシュ暗算の全国コンクールで優勝した小4の子は、こんなことを言っている。
「テストでは、教科書のページがそのまま浮かび、漢字も写真みたいに覚えられちゃう。」
私などにはとても想像できないが、何でも見ただけで瞬時に記憶の倉庫に収めることができるということだろう。
では読んだり、書いたり、考えたりはしなくてもいいということか、とかみつきたくなる。
間違えて、試行錯誤して、何時間も悩んで...という経験は必要ないのだろうか...。
もちろんこれですべての力がつくと言っているわけではないだろうが、「速く、たくさん」の思想に基づく学習法は、そのハデさ故に人々の関心を引きやすい。
ジミではあるが本質的な、「少量をゆっくり、じっくり」という学習の重要性も忘れてはならない。
もっとも、「57+15」レベルの計算さえ筆算に頼っている中学生を見ると、もう少し暗算力をつけてほしいと思ってしまう。
逆に言えば、それくらいの暗算力があれば十分ではないだろうか。
副産物を過剰に期待せず、その程度までの暗算をゲームとして楽しむなら、フラッシュ暗算も悪くはないのかも知れない。
※応援してくださる方はクリック(↓)をお願いします!
