前回の記事へひょうさんから頂いたコメントに、こんなことが書いてありました。
さっそく今日のネタに使わせていただきます。
ひょうさん、いつもありがとうございます!
「ところで、最近「ゼロからスタート」とよく言いますよね。手首折った松井も言ったようですが、「一からやり直す」「一から再出発」という方がしっくりくるのですが。「ゼロから」っていうのはおかしいんじゃないのーと話してたんですよ。
」
なるほど、「ゼロから」も「一から」もよく耳にしますね。
直感的にはひょうさんの言われるように、「一から」が正しい気もしますが...。
ということで取りあえずYahooで検索してみると...。
「一(1)から始める」が16万件に対し、「ゼロ(0)から始める」は130万件!
...「ゼロから」の圧勝です。
辞書には「一から始める」という用例はありましたが、「ゼロから」は見あたりません。
従来の日本語では、「一から十まで」で「すべて」を表すように、「一」に「物事の始め」という意味を持たせていたのです。
たとえば新しく何かを始めようと計画を立てるときは「1:○○、2:××...」と1から始めるし、本のページや章だって1からですよね。
自然数の世界では1がスタートです。
それがなぜ「ゼロから」に押されてきたのでしょう?
もちろん、数学的に考えれば0から1までの間にも数は存在するわけで、「1から」と言うとその部分が抜け落ちてしまうことになります。
「1から」始めるためにはある程度の基礎知識なり経験が必要、というニュアンスでとらえる人が増えてきたのでしょうか?
上で触れた箇条書きや章立てでも、ときに「0」から始まるものもあります。
そのとき「0」に書かれていることは、やはり「1」からの内容を理解するための基礎や前提であることが多いようですね。
本のタイトルには「ゼロから」があふれていますが、読者の上記のようなイメージに訴える効果を期待しているのでしょう。
「ゼロから始める」の方が、内容が初心者向けでやさしそうな感じがしませんか?
ただ、ここまでのように物事を新しく始める場合と、ひょうさんのコメント中の松井選手のように「やり直す」「再出発」の場合とは、分けて考える必要があるのではないでしょうか。
「ゼロからやり直す」と聞いて私がまず連想するのは、ゲームや様々な機械のリセットボタンです。
それを押したとたんにそれまでの積み重ねが、成功も失敗も含めてすべてご破算になってしまうイメージですね。
心機一転、始めから「出直す」といっても、これは少々冒険が過ぎるのではないでしょうか?
松井選手が「ゼロから出直す」と言っても、少年野球を始めた頃に戻るわけではないですね。
メジャーにデビューした時期に戻るという意味でしょうが、それでも今までの経験をすべてリセットして無にするということではありません。
仮にそう望んだとしても、現実的には無理な話です。
もちろんその頃の新鮮な気持ちを思い出してひたむきに、という意味で使っているのでしょうが、精神面でさえ完全にリセットすることは難しいでしょう。
やはりここは「一から出直す」の方がふさわしい気がします。
「始める」では「ゼロから」が圧倒的に優勢だったネットの世界でも、「やり直す」「出直す」で検索してみると「一(1)から」9万に対し「ゼロ(0)から」は3千と立場が逆転します。
このあたり、使う側の微妙な心理が投影されていて興味深いですね。
因みに英語でどう言うか調べてみたら、「始める」の方はよくわからず、「出直す」では「0」も「1」も登場しません。
「一から出直す」は start again from the beginning で、「ゼロから出直す」は start again from the very beginning でした!
なるほど...。very の一言にいろいろな意味が込められているように思います。
結論:「始める」は「ゼロから」、「出直す」「やり直す」は「一から」。
オマケの雑学:駅のホームの「1番線」「2番線」などは、駅長室に近い順に付けられていますが、あとから増線した場合、駅長室と1番線の間や駅長室の反対側に作られたホームは、仕方がないので「0番線」になります。結構あちこちにあるようですね。
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「ところで、最近「ゼロからスタート」とよく言いますよね。手首折った松井も言ったようですが、「一からやり直す」「一から再出発」という方がしっくりくるのですが。「ゼロから」っていうのはおかしいんじゃないのーと話してたんですよ。
」
なるほど、「ゼロから」も「一から」もよく耳にしますね。
直感的にはひょうさんの言われるように、「一から」が正しい気もしますが...。
ということで取りあえずYahooで検索してみると...。
「一(1)から始める」が16万件に対し、「ゼロ(0)から始める」は130万件!
...「ゼロから」の圧勝です。
辞書には「一から始める」という用例はありましたが、「ゼロから」は見あたりません。
従来の日本語では、「一から十まで」で「すべて」を表すように、「一」に「物事の始め」という意味を持たせていたのです。
たとえば新しく何かを始めようと計画を立てるときは「1:○○、2:××...」と1から始めるし、本のページや章だって1からですよね。
自然数の世界では1がスタートです。
それがなぜ「ゼロから」に押されてきたのでしょう?
もちろん、数学的に考えれば0から1までの間にも数は存在するわけで、「1から」と言うとその部分が抜け落ちてしまうことになります。
「1から」始めるためにはある程度の基礎知識なり経験が必要、というニュアンスでとらえる人が増えてきたのでしょうか?
上で触れた箇条書きや章立てでも、ときに「0」から始まるものもあります。
そのとき「0」に書かれていることは、やはり「1」からの内容を理解するための基礎や前提であることが多いようですね。
本のタイトルには「ゼロから」があふれていますが、読者の上記のようなイメージに訴える効果を期待しているのでしょう。
「ゼロから始める」の方が、内容が初心者向けでやさしそうな感じがしませんか?
ただ、ここまでのように物事を新しく始める場合と、ひょうさんのコメント中の松井選手のように「やり直す」「再出発」の場合とは、分けて考える必要があるのではないでしょうか。
「ゼロからやり直す」と聞いて私がまず連想するのは、ゲームや様々な機械のリセットボタンです。
それを押したとたんにそれまでの積み重ねが、成功も失敗も含めてすべてご破算になってしまうイメージですね。
心機一転、始めから「出直す」といっても、これは少々冒険が過ぎるのではないでしょうか?
松井選手が「ゼロから出直す」と言っても、少年野球を始めた頃に戻るわけではないですね。
メジャーにデビューした時期に戻るという意味でしょうが、それでも今までの経験をすべてリセットして無にするということではありません。
仮にそう望んだとしても、現実的には無理な話です。
もちろんその頃の新鮮な気持ちを思い出してひたむきに、という意味で使っているのでしょうが、精神面でさえ完全にリセットすることは難しいでしょう。
やはりここは「一から出直す」の方がふさわしい気がします。
「始める」では「ゼロから」が圧倒的に優勢だったネットの世界でも、「やり直す」「出直す」で検索してみると「一(1)から」9万に対し「ゼロ(0)から」は3千と立場が逆転します。
このあたり、使う側の微妙な心理が投影されていて興味深いですね。
因みに英語でどう言うか調べてみたら、「始める」の方はよくわからず、「出直す」では「0」も「1」も登場しません。
「一から出直す」は start again from the beginning で、「ゼロから出直す」は start again from the very beginning でした!
なるほど...。very の一言にいろいろな意味が込められているように思います。
結論:「始める」は「ゼロから」、「出直す」「やり直す」は「一から」。
オマケの雑学:駅のホームの「1番線」「2番線」などは、駅長室に近い順に付けられていますが、あとから増線した場合、駅長室と1番線の間や駅長室の反対側に作られたホームは、仕方がないので「0番線」になります。結構あちこちにあるようですね。
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