エスペラントな日々

エスペラントを学び始めて27年目である。この言葉をめぐる日常些事、学習や読書、海外旅行や国際交流等々について記す。

悪文の見本

2012-11-14 | 読書ノート


 Esperanta Mozaiko から(最終回)。

 まず次の文を読んで、どこかおかしいかどうか考えよう。
 Cxe la Okcidenta Kanalo la 12-jara Adriano P. klopodis flugigi sian drakon. Pasxante malantauxen kun la sxnuro en la mano, la tero subite cedis sub liaj piedoj kaj li falis en la kanalon, kie la kapitano de preterpasanta boato lin savis.
 東運河で12才の P.Adriano 君が凧を揚げようとしていた。糸を持って後ろへ下がっていたら急に足下の地面が無くなって彼は運河に落ちてしまったが、ちょうど通りかかった船の船長さんが彼を助けた。

 どこがおかしいか? pasxante の主語は Andriano であるが、cedis の主語は tero である。分詞構文では、主語が同じでなければならない。単純な問題だが、作者はかなり丁寧に解説している。こういう誤りはオランダ語やブルガリア語話者には結構多く、Engholm や Waringhien のような有名な作家にも見られるという。

 最後に最悪の翻訳を。
 オランダ政府が結婚していない人への税金を引き下げる法律を準備した。その理由についての説明:
 la en relativa senco kostojn sxpariga kaj sekve portopovon plialtiganta influo de la geedzeco.
 読者が頭を悩ませないように、普通のエスペラントに書き直しておく:
 geedza paro vivas relative malpli multekoste ol frauxl(in)oj.
 我々が読むと、オランダ語から直訳するとこんな感じになるのかと思うだけだが、オランダ人にはこの文で分かるのかもしれない。日本語から直訳した文が外国人から見てちんぷんかんぷんにならないように、我々も気をつけねばなるまい。

   
写真はモンゴルの草原。空気が花の芳香に満ちていた。
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