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◇企業システム◇RSAセキュリティが日本人のセキュリティ意識調査結果発表

2010-02-22 09:32:17 | セキュリティ

 【セキュリティ】RSAセキュリティは、米RSAが行ったオンライン・セキュリティ意識調査「RSA Global Online Consumer Survey」をもとに、グローバルの回答と日本の回答を比較検討してRSAセキュリティが考察を加えた、日本人のセキュリティ意識をまとめた。全回答者のうち日本人は90%がオンライン・バンキングを利用、87%が過去1ヶ月間にオンラインで買い物をしており、官公庁サイトやSNS(ソーシャルネットワーク・サービス)などをよく利用している。RSAセキュリティがまとめた日本人のオンライン・セキュリティ意識は、1.フィッシングに対する認識は86%とグローバルより高いが、新しい脅威ついての認識は低い 2.オンラインで提供されるサービスのうち、最も不安を感じるのはオンライン・バンキング 3.日本のオンラインユーザーは、セキュリティを重視ーとなった。(RSAセキュリティ:10年2月18日発表)

 【コメント】「日本の常識は世界の非常識」ということが言われるくらい、日本人の感覚は、世界と異なっている場合が多い。これは、日本人があまりに相手のことを考え過ぎてて、本音を言わないことにも、その一因があるようだ。本来ならば、NOと言うべきところを、日本人は、相手の面子を考えて、「善処します」とか、「私にお任せてください」とか、「いいと思います」などと曖昧な表現をする。いずれの場合も、本音はNOであるのだが・・・。これが度重なると「日本人は嘘つきだ」といった評判を呼びかねなくなるから困ったものである。

 セキュリティについても、以前日本では、自社内で被害が発生しても、世間体を気にして、なかなか自社でセキュリティ事故があったとは公表しない時期もあった。さすがに最近では、各企業は、自社内でセキュリティ事故が発生すると公表に踏み切るケースが多くなってきたようだ。それどころか、最近では、欧米の企業のように、おおっぴらに社員を告訴するケースも多く見られるようになってきた。これは、日本の社会全体が、良いことかどうかは知らないが、欧米化しつつあるによるものと見られる。こんな折、RSAセキュリティが海外と日本のセキュリティに対する認識の違いを調査した点は大いに注目されよう。

 今回の調査によると、日本ではフィッシングについては86%が認識しているが、新しいオンライン脅威として台頭しつつある「トロイの木馬」を認識しているのは55%にとどまり、新しい脅威についての認識は低いという結果となった。例えば、、「トロイの木馬」に対して「脅威を感じる」と回答したのは、米国49%、英国51%、グローバル平均54%に対し、日本は38%しかない。つまり、日本では「トロイの木馬」の認識が低く、その脅威を理解している人が少ないため、他国と比較しても「脅威を感じる」が少ない結果となった。また、個人情報への無断アクセスや盗用等に何らかの不安を抱いているかをサイト別に尋ねたところ、オンライン・バンキングは87%、地方自治体を含む官公庁サイトは58%、SNSサイトは65%となり、オンライン・バンキングサイトだけがグローバル平均を上回る結果となった。

 このほか、オンライン・バンキングが新しい認証の仕組みを導入した場合、受け入れるかどうかについては、「喜んで受け入れる」と「受け入れる」の合計が91%に上ったが、グローバル平均では「喜んで受け入れる」のみで71%と圧倒的多数である反面、日本では40%にとどまり、かなり低い結果となった。この結果から、日本は新しいセキュリティの仕組みが導入されることに前向きで、オンライン犯罪の脅威から自身を守るために対してセキュリティを重視している傾向が出た。しかし、「とても良い」または「受け入れる」という完全にポジティブな回答が他国に比べて低く、それよりも一段下の「良い」または「少し受け入れる」という回答が他国よりも大きい値となった。(ESN)