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◇企業システム◇日本HPが「使った分だけ払う」ストレージサービス開始

2008-05-14 10:22:38 | ストレージ
 日本HPは、ディスクアレイ「XPファミリ」の主力製品である「XP24000」「XP20000」のストレージ容量仮想化技術「Thin Provisioning」に、07年5月発表した従量課金サービス「HP StorageWorks Utility Ready Storageソリューション(HP URSソリューション)」を対応させることによって、実際に使用したディスク容量に基づいた課金が行える新たなサービスを開始した。(08年5月8日発表)

 【コメント】日本HPは、ストレージの従量課金サービス「HP URSソリューション」を07年5月に発表した。それまでの従量型ストレージ・サービス(容量単価ベース月額支払いプログラム)では、3年以上の使用期間内の想定最大容量をベースとして料金が決められていた。しかし、サーバーと異なりストレージは容量が継続的に増加する場合が多く、コストメリットが出にくいという問題点を抱えていた。これに対し「HP URSソリューション」は3年以上の契約ではあるが、1年ごとに基本容量や料金設定などのサービスレベルを見直し、更新することができるようにした。これにより、初期投資を抑え、ストレージ需要の増加に応じた最適なコストで運用することを可能とする。

 例えば、XP24000ユーザーにおける「HP URSソリューション」4年契約の場合(導入時の使用可能容量56TB、従量用バッファー容量28TB、年間容量増加率30%)では、従来の4年リース(均等払い)と比較して、初年度の合計投資額は約40%減(同社比)となるという。

 さらに今回、ストレージ容量仮想化機能「Thin Provisioning」を対応させることにより、「使った分だけ支払う」ことを可能にした。「HP URSソリューション」の課金対象となる容量は、XP上でホストに割り当てた「使用可能容量」であるが、実際には各ホスト上ではすべての容量が使用されない。それを今回仮想化技術を使い改善したわけである。

 ITに関する契約は過去の慣例で行われるケースが多い。しかし、ITの進歩は日進月歩で半年も経てばがらりと様相が変化する。このような環境にありながら、契約条項は10年前とほとんど一緒といったことも珍しくはない。ユーザーは各社から提出される契約条項にもう一度目を通す必要がありそうだ。技術主導でなく、投資効果が一番出るベンダーの製品/サービスの選択眼を養いたいものだ。(ESN)