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バイク工房内の出来事。

バイク選びやメンテナンスのヒントを見つけていただければ。

アイアンマン北海道 から帰省のバイクです

2024-10-19 | 点検、オーバーホール
実は前回登場のバイクはアイアンマン北海道を走ってきたバイクです。

12ヶ月点検でお預かりしたのですが、想定より状態が悪く。
お話を訊くと預託後に雨が降ったそうです。
と言う事で症状も納得、皆さんにお届けしようと思いました。

ちなみに、停車中のバイクにしとしと降る雨は奥底まで染み入ります。
カバーをかけても内部に結露が発生しますので危険な状態です。

お預かり出来て本当に良かったと思います。

バイクの状態ですが、ヘッドだけで無く各部にドライな状態が目立ちます。
推測では、水分で流れやすくなったケミカルがライドしながら効力を失ったと想定します。

BBベアリングも内輪はドライになっていましたが、メンテナンスできる状態でした。
ちなみに、ドライの次は腐蝕ですの例外を除き絶対NGです。


上記はカセットボディーです、ハブ内部に収まります。
状態は悪く、ドライになりそうなところが多くあります。
劣化が始まっていく状態ですね。


他にはリヤホイールに異常の症状があり、分解点検の結果カセットボディーのベアリングが完全消耗していました。


シャフトのベアリング篏合部に若干の摩耗があります。(シルバー部左から3ヶ所目)
症状に気付かず使い続け、削れてしまった。
というシャフト交換作業は毎年数件あります。
シャフトは2万円前後、カセットボディーも必要になると合わせて4万円近くになります。

各メーカーの取説をまとめると、各社 3ヶ月毎及び雨天走行時のメンテナンスを取説に記載し、
中には適時と言うのもありますw
1年なんて謳っているメーカー、実は大手には無いんです。



カセットボディーベアリンクですが、今回は相談の結果「ENDURO ZERO-Ceramic」を使用します。

このベアリングは安松選手も使用しています。
メンテナンスが行いやすく、不調時からのオーバーホールに対する復活率が特別高いベアリンクです。
セラミックベアリングだけ使った、問題だらけの ~ベアリンク達とは違い。
全体に及びキッチリ仕上げられたベアリンクです。
良く比較の質問を受けるのですが、まったく別物です。

ちなみに、カセットボディーはメンテNGで交換推奨のメーカーが多くあります。
当店では、ハウジングが綺麗な時はなるべく専用ツールで再生しています。

(これは経年変化です、放置して良いおくと危険ですメンテナンスだけで無く対処を行いました)

お疲れさまでした。
読んでいただきありがとうございます。 

最近のヘッドパーツ交換って

2024-10-17 | 点検、オーバーホール
手間が掛かるようになりましたw
今回はバイクの作りが良く作業中に画像を撮れたのでご紹介します。

さて、今日のバイクは症状も出ていて交換を前提に点検を行いました。
症状はバイクを宙に浮かせハンドルを切って手を離すと。
本来は左右に揺り戻しをしながら止まっていきますが、センターでコクッと止まってしまいます。

TTバイクなのでフォークに荷重が寄っているのと、預託で屋外一泊と言う過酷な状況も要因の一つと推測します。
また、顔面がヘッドベアリングの真上にあり汗浴びまくっているのも・・
預託ではバイクに夜露が着いたり、内部に結露が起きます
台風シーズンの後は屋内保管でも、空調が訊いてなければ20cc位の水がいた事もあります。

点検の結果、下側のベアリングに不調を発見しました。
そこそこ汚れや微量の腐蝕、塗布したペーストも水っぽくなっていたので仕方ないですね。
上側の小さな腐蝕はペーストの塗り直しで対応します。


で、本題!


そしてこのベアリング(掃除してしまいました)を交換したいのですが、ご覧の通りフロントブレーキのオイルラインがベアリングの真ん中を通っています。
この場合は、フロントブレーキのオイルラインを抜かないとベアリング交換が行えません。

こちらのバイクは、上側ベアリングの中にホースはいないのでいつでも交換できます。



さっそくフロントブレーキのオイルラインを外します。(画像が全体的にボケてるのはご容赦ください)

そして、真鍮部の上のナットがあるとフォーク内部を通らず抜けません
ナットを抜くために真鍮色の部分と内部に入っている先端シルバーの分のホースをカットします。
そうする事で真鍮上部のナットが取り外せ、ホースを引き抜く事が出来ます。


見た目には違いが判りませんが、回せばどなたでも判断が付く状態でした。


フォークを清掃し、新品のベアリングにペーストを塗ってフォークにのせます。

そして、今回の注目ポイントはその上の穴です。
このフォークにはカーボンでオイルライン用のトンネルが設置されています
コンポを付ける前の新車なら自由がききますが、使用車だと作業自由度がほぼ無くなりまとても助かります。(なので画像を撮れましたw)

トンネルが無いバイクも多く、その際には迷子にならないようにガイドラインをホースに取り付けて作業をします。(トンネルが無くてもナットを外さないとホースは抜けません)
しかしそうすると、装着部をカットする必要があります。


フォークにオイルラインを戻し、フォークを装着します。


オイルを注入ししっかりと独自のエア抜きを行い完成です。

ところで、オイルラインをカットしたのに組み戻せることに注目してください。

当店では、この作業やSTIレバーのフード交換(同じくホース外します)を前提として、オイルラインを長めに内部に設置します

それは売りの一つであり、長さが足りなくなるとホース交換が必要になり
費用は倍以上になります。

ただ、長めも限度があります。
したがって、ペーストが効力を失う前に再塗布作業も大切なコストパフォーマンス上昇に繋がります!

お疲れさまでした。
読んでいただきありがとうございます。 


間違いだらけのチューブレスレディー!

2024-06-02 | 点検、オーバーホール
今回はチューブレスレディーが良い悪いでは無く、運用の話です。

当店には、他店や個人の作業で「エアー漏れが止まらない」と持ち込まれるホイールがたまにあります。


その中でもショップ施工ホイールを開けると「シーラントの湖状態」のホイールが多いのです。
湖は、個人の方よりショップに多い傾向があります。

推測では、個人の方は早めに諦めてショップへ!
ショップは諦める事はできません。しかも、施工中のミスでタイヤやホイールを損傷した事を伝えられず、エア漏れが止まるまで足すのでしょうか?
150ml を超えるホイールもありました。



Vittoria社などは、運用について細かく指定していてとても参考になります。
一方購入者任せもメーカーもあります・・・

メーカーの運用法があって、順守するところ、可変させるところ、の判断が何でも重要だと思っています。知らないのは論外!

ちなみに、画像は使い終わったタイヤです。
少なくとも、液体は中に無くて良いです。

めっちゃ重いですから・・・

是非みなさんも、中を確認したり、シーラントの量や根拠を訊いてみて知ってください。

お疲れさまでした。
読んでいただきありがとうございます。 

BBオーバーホール。 良いBBってなんだ??

2024-06-01 | 点検、オーバーホール
12ヶ月定期点検で入庫のバイクです。
日立市の山道を日々通勤されているお客様ですので、毎回シビアコンディションでの入庫です。

こちらのバイクのBBはオーバーホールが行え効果が出やすいので、BBもオーバーホールします。
カートリッジベアリング式のBBが主流の時代、1割位しかないんですかね?~



ハウジングからベアリングを抜き取って。
クリーニング後、ケミカルを封入、組み上げる工程ですが。

本来はベアリング交換がベストですが、コスト面で可能な限りオーバーホールさせて頂いております。
元より調子良く回転し、寿命は数倍まで伸びます。
体感できる事も多い作業です。


ただ、抜くとき組むとき。作業の全てを再使用モードで作業が必要です。
なんか流行っているアジア製ベアリングは寿命が短く向いていません。

ところで、良くBBの規格を比較する話を耳にします。
当店ではあまり規格は気にしません。
比較の内容に嘘は無いかと思うのですが、実効性に有効な話では無いからです。


フレームや大人の事情。設計者の志向で作られた規格でしょうが。
回転部分なので、ベアリングの品質、ハウジングの品質、フレームの品質が高度であれば良く回ります。
利益優先の品質の低い組み合わせは、回らない、すぐにダメになると残念な商品になるでしょう。

そして最後の料理人の腕が仕上げになります。



したがって、当店ではオーバーホール製の高いベアリングを選択。
次にベアリングを収めるフレームとの間に入るハウジングを気にします。

そして、お客様とのコミュニケーションで絞り込んでいきます。

面倒そうですが、面倒なのはお店が行うのでお客様は安心で簡単です。
代金を頂くので、めっちゃ面倒さを追い込むのが仕事ですからw


先日「~~って良いらしいけど、どうですか?」
と、訊かれました。

「調べておきます」と確認したら。
「最近ミッションが良く壊れる」有名な、日本の自動車メーカーの資本が入ったベアリングメーカーが関わった中国製だと認識しました。

ミッションが壊れるようになったのは、中華製になったからとディーラーの方も仰っていて。
必然的にベアリングも中国で自社で作り始めたんでしょう。

品質を求めてないと思っているメーカーですから、

「それは、壊れるでしょ」と、独り言が出ましたw


昨今は、購入時加入の補償保険で修理されるため支払いは発生せず。記憶に残らない。
新車を買った方は補償保険終了までに乗り換えるのでしょうか。
中古で買えば自己責任ですから。
上手いサイクルを作ったもんですw 壊れてOKなんですからww

ベアリングの件、
確証までは取っていませんが、深入りする必要のない案件と判断して回答しました。安い訳でもないので他が良いと思います。

お客様は一緒にウェブサイトで確認して、
「ん~~~ 流行ってるのにね?w いらないね。あぶね~」
と、解決されたようでした。


お疲れさまでした。
読んでいただきありがとうございます。 

チューブラテープ

2023-07-30 | 点検、オーバーホール
当店では、ロードバイクのホイールとしてチューブラタイヤが主力になっています。

世の中は、チューブレスレディーで賑わっていますが。
チューブレスレディーに移ったお客様も、高価なホイールを買い替える事は出来ませんが「チューブラ復活宣言」が多発していますw

お勧めはご存知の通り「チューブラ」です。



そんな中、カーボンリムにはテープでの装着を標準作業にしていますが。
MIYATAさんが供給を止めて以降、とても不安定になっていました。
他社を販売するも、その会社も輸入が終わったりして供給が安定しません。

そもそも、ヨーロッパでは10%程度のシェアのロードバイク。
販売が好調なのはアメリカと日本。
その最大購買層のアメリカは、独自の事情からチューブレスレディーにシフト。
テープの需要が減ってしまいました。

さらに追い打ちをかけるように、テープの物質の一部が。
新たな使用禁止物質に指定され、テープメーカーがテープ自体の製造を終了してしまったのも追い打ちをかけたと思っています。

そんな中、当店ではテープメーカーと共に。
新たなチューブラテープの開発を行っていました。
今までのテープの長所短所、トップ選手から一般の方までの経過状況を基に。

10種類を超えるテープのテストを行い、途中からは他社さんにも参加して頂き絞り込み大分仕上がって参りました。

方向性は、
名作 TTP-2 がベンチマークです。
取り扱いより接着強度を意識して進めてきました。
それでも海外製品より取り扱いは大幅に楽ですので、時間での進化を感じます。

今流通している物の半分の価格になって欲しいのですがw

間もなく市場に適正価格の安定供給をご案内出来るのではないかと思っています。