バイク工房内の出来事。

バイク選びやメンテナンスのヒントを見つけていただければ。

リヤサスペンションオーバーホール

2022-10-09 | 点検、オーバーホール
自動車のメンテナンス等も行い、複数のプロMTB選手のバイクも作業してきた当店の得意分野でもあります。

今回のバイクは、持ち込み12ヶ月定期点検時にベアリングの異常が見つかり交換を提案したバイクです。

新車では、 TKP と言うインドベアリングメーカーのベアリングや、不適な規格が採用されていて。

80万円もするバイクとの事でしたので、見合ったベアリング(カートリッジ 以下略)をご提案させて頂きました。


外したリヤサスペンションシステムのベアリングです。
こんなに装着されています、半分くらいが「ガリガリ」動いていました...

当店のベアリングプーラーもフル稼働ですw


外されたバイクです、圧入面を綺麗に洗浄します。


全てが 高負荷/低回転用 の「マックスベアリンク」です。
基本は ENDURO社 を使用しますが、規格が無い物はEUメジャーブランドを使用しました。

以上が、オフロードバイク専門店以外 がやりたがらない理由です!

無事組み上げて。(大人の事情でバイク画像はありません)
と、行きたいところでしたが。
精度が悪く素直には組みあがらないバイクでした。
アライメントをとりながら組み上げていきます。

アライメントの観念を採用するのも当店の特徴だと思います。


ただ組み上げると、動きが悪く、部品の消耗も速くなります。


そして
これがMAX

これが通常のハブ用です。

MAXはノーマルに比べ、ボールが隙間なく並べられ、ボール毎の荷重が分散されます。
よって、ボールの変形や摩耗が低減できます。


一方、高回転のハブ・BB等では隣のボールと逆回転に擦れ抵抗になります。
その場合、リテーナーにより整列されたベアリングを使用します。

 
また、これはバイクブランドの品質なのですが。
ベアリング圧入寸法の公差が大きく、フレーム寸法が小さな場合。

ノーマルの新品を入れても圧縮により、すでに回りません。今回は消耗よりこちらが原因

これが「MAX」を入れると、回ったりします。
不良アライメントもバイクブランドの「公差基準値」の違いが要因です。


今回ベアリングですが、
全て低価格TKP社、MAXは1つだけ。
錆びている物もあります。
なんと、ヘッドにはプレス製のベアリングが!(初見の低価格品)

カタログで大風呂敷を広げている割にはベアリングは超POOR
価格からみても「信じられない、消費者を欺きすぎ」と感じます。

そんなこんな?で、しっかりと組み上げると初見で別のバイクになりました。

結果、ベアリングの減衰がなくなり… ショックでの減衰が必要になりました!

お疲れさまでした。
読んでいただきありがとうございます。