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バイク工房内の出来事。

バイク選びやメンテナンスのヒントを見つけていただければ。

如意棒 交換。

2020-05-23 | カスタム
今回は、FOX TRANSFER Factory シリーズの交換依頼です。
カシマコートを施された機能も作動も最高峰の如意棒wです。


まずは、既存のポストを外すのですが。。

今回のバイクは、メリダのフルカーボンMTBです。
O/Hをお受けして既に構造は理解しているのですが、メリダは毎度感心して声を発してしまうのです。

下の画像は、ホーストンネルなのですが。
トンネルの出入り口まで「いちいち小細工が凄いんです!」

このトンネルのおかげで作業がスムーズに進みます。
内部の精巧さが見えますが、カーボンの製作技術が高いからなせる技です。


そして、このキャップまで優秀で、
作業がしやすくホースラインを完璧に実現してくれます。

もちろん入り口も。。。


ホースを挟み込み。



内側に回り込ませて、見た目もスタイリッシュに固定されます。

ホースを維持も出来るパーツで、こんな所まで拘り効率的につくられ、他には無い作りを見せつけてくれます。

よく、思うのですが ドイツ人気質です。


モーターカーの如意棒?

乗用車のメンテナンスもする私は。
ドイツ車の メルセデスベンツやBMWは、日本車、アメリカ車、イギリス車、イタ車、フランス車と工業的作り込みが全く違うと感じています。

一方、他ヨーロッパ車には感性の個性があり、それを楽しむことができると思います。
ラテン系スポーツ車の、感性・スポーツ感追及の作り込みも感動ものです。

ここまで拘るから、まとまって使用した時にあのしっかり感が出るんだな。
古くから違いを出しています。

そして、メリダにも最先端工業都市「シュツットガルト」のプライドを感じます。


はなしはもどって(-_-;)
取り付けを行って行きます。


最近のMTBはコクピットにスイッチが増えていて、ケーブルだらけ。
「塵も積もれば山となる」 なので、今回は敢えてソフトフレックスなケーブルで組み上げます。
当店人気のメニューです!


細かい基本作業はルーティンに刷り込まれていますので、今回気を付けるのは ケーブルの長さ。

ハンドリング、メンテナンス性以外にも、MTBは転倒しますので転倒時のセーフティーまで想定して、
何回もテストしながらケーブルストロークを決めていきます。

もちろん、美しさも大切です!


最後に、締め付けトルクチェックを行い、動作確認をして完成です。

お疲れさまでした。
読んでいただきありがとうございます。 

一生に一度は・・・

2020-05-09 | 点検、オーバーホール
スチール製ロードバイクのオーバーホールをお預かりしました。
ありがとうございます。

大分前に購入して何回か点検は受けていたとの事。
当店では初めてのオーバーホールですが、付いている部品が古いので気になっているとの事でした。

そして、今回取り上げるのはBB!

今回、劣化で交換する事になったのですが、取り外す際に。。。
ん???


外すのがかなりきつい! これは?

外してみると画像の通りです。
BBの下処理を行った形跡がありません。

完成車の時点ではまだしも、前回交換の際にも手を入れた形跡がありません。

BBを交換の際にタップ修正は各メーカーの必須になっています。
不適切な処理で取り外しができなくなり、フレームに大きなダメージを与えるケースが発生しています。



取り付けの際に工具を使うのは最後のトルクレンチのみ!
ねじ込む際は手でねじ込める状態がベストです。

工具が高価なので最近は持たずに開業するケースが増えてると聞きます。
乗物を販売している業界なので残念な話です。


今回のバイクはこれが削りカスの一部です。
これで6割程ですので、やっぱり施工はされていないようです。

当店の定期点検では、BBのネジ山を保つ目的や固着防止の為に、
必ず一度緩めて締付確認を行います。(もちろんスレッドBBのみです)

そうする事でタップ修正の再施工を削減できます。(当店の判断です)


そして綺麗になりました。

フェイスカットも行うとベストですが、フェイスカットは性能や耐久性の向上目的で、トラブル対策ではありません。
費用削減でタップ修正のみで組み付けます。

皆さんのスレッドBBフレームも「一生に一度」早い時期に、投資してあげてください。

お疲れさまでした。
読んでいただきありがとうございます。