goo blog サービス終了のお知らせ 

Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

16.さらに法隆寺。

2015-02-03 | 奈良/Nara:2014
法隆寺は敷地が広いのでまだ終わらない。大宝蔵院の後は東の端にある夢殿へ。

夢殿って、不思議なほどロマンティックな名前ですよね。
――そして実際に見ると別にロマンティックな建物ではない。ただの八角堂。
中に入れもしないので、大して印象に残るわけでもなく。
秘仏救世観音が安置されてるというのはどことなく浪漫の香りが漂うが、それを見られるわけでもなく。

そもそも夢殿の立地は残念なんだよなー。
あの八角堂の大きさに対して、回廊がだいぶ狭い。回廊があるせいでキツキツの距離感になってしまう。
もっと遠くから見られれば建物が美しく見えると思う。








久々に苔の接写をしてみた。







こういう木の状態。







コンパクトデジカメ、手持ちにしてはピントが合った。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



広い法隆寺の敷地の、東の端の方に夢殿があり、その近くに中宮寺があります。
一応法隆寺とは別なお寺。とはいっても、聖徳太子の母の間人皇后のための寺と言われているので、
まあ子会社みたいな(?)もんです。






ここにある如意輪観音は――日本美術史上のカワイイ仏像として、広隆寺の弥勒菩薩と双璧。

これは本当に、誰が作ったんだろうなあ。
数々の文章を読んで来た(筈)だが、作者について触れられたものはほぼなかった気がするな。
鞍作止利あたりと製作年代が同じくらいかと思われるのに、技術的には相当差があったように思う。

これは完全にプロですよね。止利作の仏像にはまだまだ生硬さがつきまとうけど、
これは完璧なプロポーションでありライン。足と手の位置は人体的にはだいぶおかしいらしいが、
それを全く感じさせないまろやかさ。

日本人が作ったようには思えない。当時まだそんな技術はない気がする。
秦氏か。秦氏が連れてきた百済の工人か。一番可能性が高いだろうな。
ここまでの熟した技術を持つ幾人かの集団。そんな想像をする。


……だがここでも言うが、せっかくの如意輪観音の置かれている位置が奥過ぎて……
光が入らないので見えない。黒い仏像なので本当に見えない。
日光の加減で、午後なら見えるのか?せっかく見に行ってこれだとなあ……。
以前に行った時は、位置関係同じでももっと見えた気がするのだが。

鳥のさえずりがよく聞こえた。庭の方を向いて、鳥の声に耳をすますのはそれはそれでシアワセだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



ちなみに法隆寺は今年1月1日から入場料を1000円から1500円へ値上げしたそうです……。
高い。高いよ。1000円でも寺の入場料としては高い方なのに。
神社仏閣好きのわたしでもいきなり1500円はたじろぐ。

まあ寺院としてよりは観光施設としてわたしも行くわけだから、宗教施設としての在り方を求めるのは
調子のいい考え方だとは思うが、寺でコレかという意識もある……。
入場料が高いと、観光客としてはコスパも考えるわけでしょう。
……わたしの知ったことではないとはいえ、あの美しい伽藍を目にする絶対数が減るのは、
大きく言えば日本人の損失ですな。残念な話だ。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。