http://tinyurl.com/49jsa
本日の一冊は、「マネーの虎」に出演していた、オートトレーディングルフトジャパン社長、南原竜樹さんによる一冊です。
クルマ好きにしか通用しないようなもったいないタイトルがついていますが、実際には、著者の成功の軌跡を描いた本であり、豊富なエピソードから、多くのことを学ぶことができます。
とくに重要なのは、著者のバイヤースピリットと「お金のスケール」の大きさ。一台数千万円~数億のクルマを扱う著者だけに、ものすごいスケールの大きな話が登場し、脳ミソを刺激してくれます。
いつもなら、教訓や著者の主張などをピックアップする「赤ペンチェック」ですが、今回はその刺激的なエピソードを中心に抜き出してみましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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<大学時代>
大学で2度無期停学になった。一度目は、大学の駐車場の許可証をコピーして、1枚5000円で売ったのがバレて。(2度目は、試験問題を盗んで)「テストの問題にヤマをかけた。絶対に当たるから5000円で教えてやる」とクラスの連中に持ちかけ(バレて停学になった)
大学4年の、1982年秋にドイツへ旅行に行った。(中略)クルマ好きだったから、毎日自動車ディーラーを見に行った。ベンツ、ビーエム、ポルシェのディーラー、それが僕にとっての観光地だった。カタログをもらったり、価格表をもらったり。そうすると、「スゲー安い」ということに気づいた。それから、友だちに電話しまくった。「どえらい安い。買わん?」(中略)見よう見まねでクルマを買って、船に積んだ。日本に持って帰って、車検をとろうとしたら、それだけで全部で300万円かかると言われた。(中略)見積りが甘かった。3台合わせて100万円以上損した
そうやってドイツからの仕入れをアルバイト感覚で始めた。(中略)「南原商会」という名刺をつくって、輸入車を扱っているお店を片っ端から飛び込みで営業した。(中略)あの頃、BMWの最高級車、745iを買ってきた記憶がある。当時1000万円近くしたと思う
<クルマ商売の要諦>
なぜクルマ屋が「クレーム産業」なのか。それはつまるところ、自動車という商品が、実用の機械でありながら、贅沢品であり嗜好品でもあるからだ
なんでもそうだが、たいていの場合、東京でまず人気が出て、それから地方の大都市、さらにその周辺、田舎へ、と流れていく。もちろんその逆の場合もあるけれど、要は地域差というものがあり、商品をある場所からない場所に移動することによって利ざやを稼ぐ、というのは商売の基本のキだ
<銀行とのやりとり>
銀行というのは追いかけると逃げる、逃げると追いかけてくるという奇妙な性格を持っている、ということには当時から気がついていた。そこでどうしたか。まず、そこらへんの紙袋に3000万円ほど詰めて、名古屋銀行長久手支店へ行った。(中略)窓口に呼ばれたら、おもむろに紙袋を逆さまにして、ダーッと札束を広げ、「これで通帳つくりたいんだけど」と言う…
<国税局が来た話>
(税金が)100万円と1億円の中をとって1000万というのも南原商会、のちのオートトレーディングルフトジャパンの3年分の物品税のごまかし分1000万円は、かくて分割払いとなった。金はスイスの銀行に隠していた。
赤の308GTS、タルガトップ・モデルを買った頃、フェラーリの相場が上がっていることが認知されはじめた。でも次は下がる、とみんな思った。中古車相場は上がったり下がったりするものだからだ。でも、僕はどんどん買った。世界中でフェラーリが値上がりしていることを僕は知っていたから、イケイケだった。550万円の308GTSを1本のワラにしてガンガン回していくと、わらしべ長者みたいにお金が増えていった
フェラーリF40をヨーロッパに買いつけに行ったときは、いい経験をさせてもらった。(中略)フェラーリ社創立40周年モデルとして、1988年に発売されたこのスーパー・スポーツカーは、限定1000台弱。(中略)発売直後にエンツォが鬼籍に入ったことで世界中で投機の対象になった。(中略)で、僕は2億円で売った!
僕はバブル崩壊の直前にバブリーなクルマの扱いをいっさいやめた。これはオランダのチューリップの話を思い出したからだ
アジアの通貨危機が韓国に飛び火するのは火を見るより明らかだった。それがいつか、いまかいまかと、僕は待ちわびていた。下調べはすでに済ませてあった。メルセデス・ベンツの店もアウディの店もフォルクスワーゲンの店も所在地はわかっている。旧知の韓国のクルマ屋が案内してくれる手はずも整えていた。待ちに待ったその日。忘れもしない12月22日のことだ。ウォンがちょうど半分になった。(中略)日本で売れそうなクルマは、ともかく全部買った。資金は、貸し渋りに入る前の銀行が喜んで貸してくれた。(中略)韓国で買い占めたベンツは、いまもお客さんに喜んで乗っていただいている。通貨危機あるところ、南原あり
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ほかにも、30億円のブガッティ・ロワイヤルを買いにいった話など、刺激的なエピソードには事欠きません。著者の売買の視点や、資金繰りの方法、スケールの大きな考え方などは、経営者や投資家に気付きを与えてくれます。
というわけで、本日の一冊は、
『痛快!クルマ屋で行こう。』
http://tinyurl.com/49jsa
です。売買を中心とするビジネスを営んでいる方には必読の、まさに「痛快!」な一冊です。
目次
まえがき
第1章 大学で学生相手に講義した話
第2章 創業当時の話
第3章 フェラーリ屋になった話
第4章 ボルボ850を大量に入れた話
第5章 株式公開に向けての話
第6章 成功の秘訣
あとがき
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■ご意見、お問い合わせは、
→ eliesbook@yahoo.co.jp
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本日の一冊は、「マネーの虎」に出演していた、オートトレーディングルフトジャパン社長、南原竜樹さんによる一冊です。
クルマ好きにしか通用しないようなもったいないタイトルがついていますが、実際には、著者の成功の軌跡を描いた本であり、豊富なエピソードから、多くのことを学ぶことができます。
とくに重要なのは、著者のバイヤースピリットと「お金のスケール」の大きさ。一台数千万円~数億のクルマを扱う著者だけに、ものすごいスケールの大きな話が登場し、脳ミソを刺激してくれます。
いつもなら、教訓や著者の主張などをピックアップする「赤ペンチェック」ですが、今回はその刺激的なエピソードを中心に抜き出してみましょう。
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本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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<大学時代>
大学で2度無期停学になった。一度目は、大学の駐車場の許可証をコピーして、1枚5000円で売ったのがバレて。(2度目は、試験問題を盗んで)「テストの問題にヤマをかけた。絶対に当たるから5000円で教えてやる」とクラスの連中に持ちかけ(バレて停学になった)
大学4年の、1982年秋にドイツへ旅行に行った。(中略)クルマ好きだったから、毎日自動車ディーラーを見に行った。ベンツ、ビーエム、ポルシェのディーラー、それが僕にとっての観光地だった。カタログをもらったり、価格表をもらったり。そうすると、「スゲー安い」ということに気づいた。それから、友だちに電話しまくった。「どえらい安い。買わん?」(中略)見よう見まねでクルマを買って、船に積んだ。日本に持って帰って、車検をとろうとしたら、それだけで全部で300万円かかると言われた。(中略)見積りが甘かった。3台合わせて100万円以上損した
そうやってドイツからの仕入れをアルバイト感覚で始めた。(中略)「南原商会」という名刺をつくって、輸入車を扱っているお店を片っ端から飛び込みで営業した。(中略)あの頃、BMWの最高級車、745iを買ってきた記憶がある。当時1000万円近くしたと思う
<クルマ商売の要諦>
なぜクルマ屋が「クレーム産業」なのか。それはつまるところ、自動車という商品が、実用の機械でありながら、贅沢品であり嗜好品でもあるからだ
なんでもそうだが、たいていの場合、東京でまず人気が出て、それから地方の大都市、さらにその周辺、田舎へ、と流れていく。もちろんその逆の場合もあるけれど、要は地域差というものがあり、商品をある場所からない場所に移動することによって利ざやを稼ぐ、というのは商売の基本のキだ
<銀行とのやりとり>
銀行というのは追いかけると逃げる、逃げると追いかけてくるという奇妙な性格を持っている、ということには当時から気がついていた。そこでどうしたか。まず、そこらへんの紙袋に3000万円ほど詰めて、名古屋銀行長久手支店へ行った。(中略)窓口に呼ばれたら、おもむろに紙袋を逆さまにして、ダーッと札束を広げ、「これで通帳つくりたいんだけど」と言う…
<国税局が来た話>
(税金が)100万円と1億円の中をとって1000万というのも南原商会、のちのオートトレーディングルフトジャパンの3年分の物品税のごまかし分1000万円は、かくて分割払いとなった。金はスイスの銀行に隠していた。
赤の308GTS、タルガトップ・モデルを買った頃、フェラーリの相場が上がっていることが認知されはじめた。でも次は下がる、とみんな思った。中古車相場は上がったり下がったりするものだからだ。でも、僕はどんどん買った。世界中でフェラーリが値上がりしていることを僕は知っていたから、イケイケだった。550万円の308GTSを1本のワラにしてガンガン回していくと、わらしべ長者みたいにお金が増えていった
フェラーリF40をヨーロッパに買いつけに行ったときは、いい経験をさせてもらった。(中略)フェラーリ社創立40周年モデルとして、1988年に発売されたこのスーパー・スポーツカーは、限定1000台弱。(中略)発売直後にエンツォが鬼籍に入ったことで世界中で投機の対象になった。(中略)で、僕は2億円で売った!
僕はバブル崩壊の直前にバブリーなクルマの扱いをいっさいやめた。これはオランダのチューリップの話を思い出したからだ
アジアの通貨危機が韓国に飛び火するのは火を見るより明らかだった。それがいつか、いまかいまかと、僕は待ちわびていた。下調べはすでに済ませてあった。メルセデス・ベンツの店もアウディの店もフォルクスワーゲンの店も所在地はわかっている。旧知の韓国のクルマ屋が案内してくれる手はずも整えていた。待ちに待ったその日。忘れもしない12月22日のことだ。ウォンがちょうど半分になった。(中略)日本で売れそうなクルマは、ともかく全部買った。資金は、貸し渋りに入る前の銀行が喜んで貸してくれた。(中略)韓国で買い占めたベンツは、いまもお客さんに喜んで乗っていただいている。通貨危機あるところ、南原あり
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ほかにも、30億円のブガッティ・ロワイヤルを買いにいった話など、刺激的なエピソードには事欠きません。著者の売買の視点や、資金繰りの方法、スケールの大きな考え方などは、経営者や投資家に気付きを与えてくれます。
というわけで、本日の一冊は、
『痛快!クルマ屋で行こう。』
http://tinyurl.com/49jsa
です。売買を中心とするビジネスを営んでいる方には必読の、まさに「痛快!」な一冊です。
目次
まえがき
第1章 大学で学生相手に講義した話
第2章 創業当時の話
第3章 フェラーリ屋になった話
第4章 ボルボ850を大量に入れた話
第5章 株式公開に向けての話
第6章 成功の秘訣
あとがき
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