N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

幼児と見る youtube

2012年02月27日 | 日記
うちの幼児は、まだまだ小さいのですが、
ipadやiphoneを結構使いこなしています。

一人で操作して遊ぶし、ゲームなども「こんなのよく出来るな~」と
感心してしまうことがあります。

小さい子に、こういう機器で遊ばせるのが、教育的に良いか悪いかは置いておいて、
何らかの能力がすごい勢いで勝手に育っていっているのは感じます。

小さい頃からipadやiphoneに親しんでいた子供たちと、
そうでない子供たちと、将来的に何か差がつくような気までしてきます。

もちろん機器で遊ぶ時間やタイミングには留意していますし、
日々、それ以外の遊びもしながら健全に育っているとは思っているのですが。

さて、話を戻すと、youtubeに関しては海外のものが好きみたいです。

別にそのように促している訳ではないのですが、
いつの間にかそうなってしまいました。

今日は中国語の幼児向け動画を見ていましたが、
それがなんとも面白いテイストでした。

翊宸-恭喜恭喜




ついでに、うちの幼児が好きなそのほかの動画を紹介してみます。


今のブームはこれ。うちの幼児はフランス語バージョンに親しんでいますが、
英語バージョンがあったのでそちらを。

The Gummy Bear Song With Lyrics




このシリーズはよく出来ている。

Itsy Bitsy Spider (Live) - Mother Goose Club Nursery Rhymes




最近は、あまり見ませんが、以前ヘビロテしていました。

Potty Training (Flowgo)




これもよく見たなあ。

The Duck Song




幸い幼児はそれほど興味を示さなかったが、大人が面白かった動画を最後に。

The Lost Cat




youtubeがなかったら、海外の動画にこれだけ親しむことはありませんでした。

我が子と自分の子供時代との環境の違いに思いを馳せたとき、
あまりのギャップに言葉を失うことがあります。

勉強メモ : ディズニーを考える

2012年02月20日 | 日記
前回、『週刊ダイヤモンド』のディズニー特集について触れました。

以下は、その雑誌を利用して作った勉強メモです。


 *  *  *  *  *  *


■まずは、引用から。

 映画、音楽、テレビ番組、出版、パークアトラクション、キャラクターグッズ、ウェブサイト…。
 それぞれのコンテンツの強さもさることながら、一つのコンテンツをグループ各部門が、
 それぞれのメディアの特性を生かしながら、顧客に届けていく。
 その“タッチポイント”(顧客接点)の豊富さがディズニーの強さでもある。


「顧客接点」は“touch point”か。
この用語の定義が自分の中でまだあいまいだったので調べておく。

Marketing Pedia:タッチポイント


■次の引用。

 「ディズニーという企業から何か学ぶ」といったとき、日本では東京ディズニーリゾートを
 中心としたサービスの質やホスピタリティ(おもてなしの心)に関する話題一辺倒である。
 (略)しかし、それはディズニーのほんの一面にしかすぎないし、
 「感動を知るサービス」を知るにしても、本流をたどらなければ意味がない。


確かにそうかもしれない。本誌によれば、それを支えているのは、
その時代の最先端のテクノロジーを最大限に使いこなすイノベーティブな経営姿勢にあるという。


■人気ドラマを制作しているディズニー傘下のABCについて。

ABCドットコムのサイトでは、既に2006年から、
放映済みのドラマをウェブサイトで無料で視聴できる
「追いかけ配信」というサービスを始めていたそうだ。

しかし、これは米国のみ。


■ディズニーのコンテンツ配信について。

コンテンツの性質によって、理想的な配信パターンを模索しているとのこと。

また、最近のコンテンツ配信方法の例として、
自社のディズニー・チャンネル、YouTube上で展開する専用チャンネルが
紹介されていた。

これらも、日本では視聴できない。


■ピクサー・アニメーションスタジオについて。

休憩所の写真とともに、こんなキャプションが。

 休憩所は明るくゆったりしたスペースで、
 無料のコーヒーやコーラーが置かれている。
 挨拶が飛び交い、顔を合わせたコミュニケーションを重視する
 アニメスタジオの風土を感じさせる。


イノベーションには、各部門の気軽な雑談が役に立つと考えている。

自分の経験でも、以前、喫煙していたときは「喫煙室」が
一種のサロンになっていた。

今の時代、喫煙室もないだろうから、それに代わるものとして、
経営が“非公式ミーティング”を意図的に奨励するのも一つの方法。

無料の飲料は、その呼び水となるものだ。


■キャラクターのローカライズ

「リロ&スティッチ」を“日本風”にしたローカル版の例があげられている。

また、ローカライズしたコンテンツは、多方面に派生していく。

・DVD
・ゲームソフト
・キャラクターグッズ
・パソコン&モバイル
・漫画雑誌への掲載
・ディズニーストアでの限定販売
・東京ディズニーシーやディズニー・オン・アイスなどのイベント

このような多面的な展開をディズニー用語で
“フランチャイズ”と呼ぶそうだ。

ローカライズを進める理由は、
「将来的に消費者向けの市場は断片化が加速し、細分化していると分析」
しているからとのこと。


■受け継がれる創業者の哲学

P.50-51
ウォルト・ディズニーの「常に新しいことに取り組むDNA」について

P.56-57
ウォルト・ディズニーの「イノベーティブ精神のDNA」について

これは、今読んでいる『イノベーションのDNA』(翔泳社)に
関連があるので、スキャンして保存しておく。


■日本市場を攻略せよ!

日本における、大人の女性をターゲットにしたCS放送や
ディズニーストアなどのタッチポイントについて。

ディズニーにとって、大人の女性に受け入れられるというのは、
独特のマーケットらしい。


■日本人の自画像を投影するディズニーランドという聖地

東京大学の能登路さんが監訳された『ディズニー化する社会』に
出てくるキーワードが2つ紹介されていた。引用すると、

ハイブリッド消費
単なる消費ではなく、物語やテーマが加わり、
エンターテインメントや教育といったさまざまな要素が
絡まり合うさまを指す。

 パフォ-マティブ労働
 TDLで働いているキャストは楽しげで、ゲストもそれを見ていて楽しい。
 キャストは労働者であると同時に、演技者である。

 パフォーマティブ労働は日常にかなり入り込んでいる。
 客室乗務員やファストフードの店員など、
 接客フレーズとユニホームによって、
 いまや街中のすべてが演劇空間になってきている。

能登路雅子さんのこの記事がおもしろかったので、
『ディズニーランドという聖地』 (岩波新書)という著書を
早速注文する。


■ウォルト・ディズニー・ジャパン社長のインタビュー

長くて恐縮ですが以下、引用。

常に「ゲストの期待に超える」ことで応える--といった価値観だ。
社内では「ディズニー・ディファレンス」と呼んでいるが、
「ディズニーだからできること」を常に追求する。

だから、社員を採用するときに いちばん注目するのは、
“パッション”。

事業に対するパッション、ディズニーに対するパッションがなければ
ここでは働けない。

(略)

よく「どうやって社員をモチベートするのですか」と尋ねられるのだが、
答えは「自分自身をモチベートできるパッションを持った人を採用する」
ということに尽きる。


やはりそうだったか。
CSやESについて考える際の参考になりそう。


■最後に、本誌で紹介されていたウォルト・ディズニーの言葉を。

 私は子どものための映画を作っているのではない。
 6歳だろうが60歳だろうが、その人の持っている
 “子どもの部分”にアピールするのだ


やはりユニーク(独自)だな。


午前2時から6時半まで。

このエントリーを含め、飲まず食わずで集中して勉強していたら、
あっという間に時間が経ってしまった。

雑誌は、「ありがとうございました」と感謝の念を入れ廃棄します。

独自の言葉を創る

2012年02月19日 | ビジネス試論
 

ディズニーの特集を読んでいて、あらためて気になったことがありました。

それは、ディズニー独特の用語があるということです。

働いている人は「キャスト」で、お客さまは「ゲスト」とか、
その程度は知っていましたが、

あらためて、ネット検索したら、
「ディズニー用語」をまとめているウェブサイトがたくさんありました。

今回読んだ『週刊ダイヤモンド』の記事中からピックアップすると
こんなものがあります。


イマジニアリング
「イマジネーション」と「エンジニアリング」の合成語。
夢をかたちにするために140種類の技術分野で1200人のメンバーがいる。


オーディオアニマトロニクス
ディズニーでは「ロボット」をこう呼ぶ。


リビングキャラクター
“頭脳”を持ち、目の前のゲストと双方向のコミュニケーションができるロボット。
自立型のミッキーマウス・ロボットも構想中とのこと。


独自の言葉があるということは、独自の概念、独自の夢があるということです。

企業文化やブランドだけでなく、
テクノロジーでもディズニー独特の用語があることに注目したいと思いました。

ネットで、ウォルト・ディズニーのこんな言葉も見つけました。

 君たちはみんな、
 世界中でもっとも素晴らしい場所を夢見たり、
 想像したり、デザインしたり、造ることができる。
 しかし、その夢を現実のものとするのは人である

 我々が売ろうとしているものは、
 ファンタジーや物語を信じる気持ちだ。
 背景が本物のように見えないと、
 決して受け入れられてはもらえない。



さて、ディズニーに限らず、
成功した企業の創業者の言葉は、たいていユニーク(unique)です。

私が創業者の伝記が好きで、よく読むのは、
創業者独自の言葉、表現、文脈の捉え方を学べるからです。

言っている内容は同じだったりするのですが、
みなさん自分なりの言葉で表現されています。

一方、日々、自分の職場で耳にする言葉というのは、
たいていは「手垢のついた言葉」です。残念ながら。

経営層のメッセージに触れて、
げんなりしてしまうこともあります。

自分が見聞きする限り、
日本の大企業のトップメッセージなどにも
そういったものが散見されます。

しかし、イノベーションということを考えると、
独自の言葉や表現でメッセージを伝える能力は、
ますます大切な能力かと思います。

日本はこれから厳しい状況を生き抜いていかなければならないし、
各企業が古い体質から脱皮していくことが日本の力になる思います。

では、そういう自分は、会社の中でどんな取り組みをしているかな
と振り返ってみると、

まずは、自分独自の言葉で業務に関連した発信を行うこと、
また、自社ならではの言葉や文脈を発見し共有できるように貢献すること。

以上の2点かと思います。

微力ではありますが、日々心がけて実践しています。

偉人伝に挑戦!1 : 高木功

2012年02月16日 | 挑戦!シリーズ
世の中には “隠れた偉人” がいる。

子供らが読む「偉人伝」などにはあまり取り上げられることのない人物…

まだ生きている、存命の人物…

この「挑戦シリーズ!」では、そんな “隠れた偉人”の生き様に迫ります。

記念すべき第1回目を飾るのは、元力士であり現役プロレスラーである
高木功(たかぎ いさお)さんです。

  


 
  *  *  *  *  *  *  *  *  *



生年月日や出身地など細かいことは省く。


大相撲時代は、高田川部屋に所属する幸運に恵まれる。

そこで、後に伝説となる四股名を授けられる。その名も

卓越山吾郎(たくえつやま ごろう)

である。


晴れて力士となった卓越山は、天性の相撲の才能をいかんなく発揮しはじめる。

1985年11月場所には自身の最高位となる

西十両5枚目

を記録。


1986年、惜しまれつつ引退。

ここで高木に人生の転機が訪れた。

あのジャイアント馬場が率いる全日本プロレスに入団したのだ。

プロレスラー高木は、みるみる頭角をあらわした。

北原光騎という最強最高のパートナーに恵まれ
みごと王者として君臨する。

第70代アジアタッグ王座 ( 0回防衛 )

である。


1990年、全日本プロレスを退団。

天龍の立ち上げた新団体「SWS」に殴り込みをかける。

しかし、早くも翌年1月には、

無断欠場により解雇

となる。 これも今となっては笑い話である。


失意の高木は、全日本プロレスにUターンし、覆面レスラーになる。

その名も、「ラブ・マシン・ストーム」。




マスクマン時代、高木を象徴する一つのエピソードがある。

2005年、太陽ケアに試合で敗れ、挑発された高木は暴挙に出る。

それは、

その場でマスクを脱いでしまう

という行為であった。 まさに嵐を呼ぶ男である。


その後、団体を渡り歩き、法律違反で逮捕されるアクシデントがありながらも、
2007年に藤波辰爾の率いる「無我」でみごとにリング復帰。

復帰戦は、第1試合の前に行われた。

それは、運命のいたずらとも言える

第0試合

であった。


相手は、団体のエースである西村修。

いやがうえにも燃え上がる高木の闘争本能。

試合結果だが、

3分ちょっとで西村選手のスリーパーホールドでギブアップ





リング上でファンに謝る高木選手


また、全試合終了後、各選手が続々リングインし観客に挨拶を行う中、
リングに入ろうとした高木は、藤波から

 リングには入るな 

との指令を受ける。 まだ認められていなかったのである。


2010年、フリーとなり、自主興行も開催した。




[参考]
高木功 Wikipedia


スポ魂アニメから学ぶビジネストレーニングメソッド

2012年02月13日 | ビジネス試論
手帳をパラパラ見ていたら、
以前、テレビで耳にした、こんな言葉が書いてあった。

 常識の延長には、常識のちょっとふくらんだのしかない
 非日常の連続に金メダルがある


男子バレーの松平康隆監督の言葉。
1972年のミュンヘン五輪で男子バレーが金メダルを取ったときの監督。

Wikipedia には、「現在世界各国で使われている速攻、移動、時間差などといった
バレーボールの攻撃システムの基礎を築き上げ…」とある。

「ガッツ祐造」「フジヤマ・ブロック」など、選手にキャッチフレーズをつけたのも
この監督が始めたことらしい。

「非日常の延長」の言葉通り、テレビでは、「地獄の特訓」と称する
変わったトレーニングをしたことが紹介されていた。

逆立ちでここからここまで歩けなければオリンピックには行かせないとか、
ひもをつけたボールを振り回してよける練習とか。

実写とアニメを合体させたテレビ番組も紹介されていた。



1972/04/23~1972/08/20 (日) 放映時間:19時30分~20時00分
全17話 / カラー

こうした活動は、すべて松平監督の肝いりで行ったことのようで、
そのアイデア力と実行力は、現代ビジネスにおいても見習うべきところが多いと思った。

その後、

昔のスポ魂アニメには「地獄の特訓」というのがよくあったな。
あれを現代ビジネスに応用できないだろうか?

と、思い至るまでに時間はかからなかった。

早速、試してみる。





  *  *  *  *  *  *  *





ノーガード戦法

出典:あしたのジョー

【内 容】
あえてガードをしないという無防備な姿勢で
相手の度肝を抜く非常識な戦法。

【ビジネス応用例】 オープン化・シェア化へ向けて
会社に鍵をかけない








極度の減量

出典:あしたのジョー

【内 容】
力石徹は階級を下げるために凄まじい減量に取り組んだ。
すべては宿敵矢吹丈と戦うためなのだ。

【ビジネス応用例】 社員の健康増進へ向けて
社員食堂のメニュー改革
 Aランチ : りんご 1個
 Bランチ : トマト 1個
 日替わり : 白 湯 1杯








この遊びしか許してもらえなかった

出典:巨人の星

【内 容】
壁に空いた穴に向かってボールを投げる。
ボールは外の木に当たり、穴を通り戻ってくる。

幼い飛雄馬は、この遊びしか許されなかったという。

これくらいの強制をしなければ、
針の穴を通すコントロールは身につかないのである。

【ビジネス応用例】 社員の交流促進へ向けて
コミュニケーション活性化と仲間意識醸成のため、
昼休みは屋上でバレーボール強制。

これくらいの強制をしなければ社内結婚も生まれないのである。








大リーグ養成ギプス

出典:巨人の星

【内 容】
いわずと知れた特訓機器である。

【ビジネス応用例】 社員の体力強化へ向けて
ビジネスマンも体を鍛える時代なのだ!

参考ブログ
TAKUTOの魂のニールキック:リアル大リーグ養成ギブス!MASSが凄い!!








【番外編】
水樽による特訓

出典:少林寺三十六房(映画)

【内 容】
水の入った樽を手を広げた状態で持ち上げて運ぶ。
重さに耐えかね腕が落ちると剣がささる。

【ビジネス応用例】 正しいビジネスマインド育成へ向けて
椅子の背もたれに剣が仕込まれている。
背筋を伸ばして座らないと肩甲骨と肩甲骨との間にささる。

姿勢を正すことで心も整えられる。





  *  *  *  *  *  *  *





そのほか、調べていくと、

「侍ジャイアンツ」 : 樽に入って崖から転がり落ちる





「柔道賛歌」 : ダンプカーに繋いた米俵に挟まり引きずられる



というものもあった。

今回は取り上げなかったが、「空手バカ一代」「タイガーマスク」「アタックNO.1」…などなど、
まだまだビジネスに応用できそうな特訓がありそうである。

これを眠らせておく手はない。

「非日常の連続」で企業にイノベーションを生み出したい方に
是非、お勧めしたいメソッドである。

ニトリの送料

2012年02月11日 | ビジネス試論

PCを見ていた奥さんが
「おもしろーい」と言うので何かと思ったら、

ニトリの通販サイトを見ていて、
送料を確認したら、こんな表示だったとのこと。



「普通、何千円以上買うと送料無料とか言うでしょ」

「うん」

「これって、逆よね。購入金額が高くなると送料も上がる」

「あ、そうだね」


例えば、ハンディクリーナー(1,990円)を1個買うと送料は500円。



ハンディクリーナーに電気ケトル(2,900円)とコーヒーメーカー(1,400円)を加えると、
合計で5,000円を越えるから送料は1,000円になる。




ただ、完成家具は送料無料(離島など一部地域を除く)とある。

「完成家具」というのは、学習机とか本棚とかベッドとか、
いわゆる「大型家具」のことらしい。

他の通販サイトを見てみると、様相が異なる。

これは「ディノス」の送料。



小さい物なら一度に何個買っても送料は一律350円。

ただし、荷物が大型になればなるほど配送料が高くなる。

次は「ベルメゾン」。



もう少し買えば送料無料になる…ということで、
一人当たりの購入金額を上げようという作戦である。

でも、本当に顧客の購買意欲にリーチしているのだろうか?

顧客目線から発想していくのがトレンドになってきている今、
なんだか企業側の理論は古くさい感じがしてしまう。

で、「ベルメゾン」も家具が大型になればなるほど送料が高くなる。

その他の通販は調べていないので、サンプルは少ないのだが、
ニトリの発想のベクトルは、従来の逆を向いているところに注目したい。

ニトリは、一体どういう観点で勝負しているんだろうか?

そういえば、出店計画も、店内がガラガラになるように考えている
という噂を耳にしたことがある。

空いているほうがお客さんが買い物がしやすいから、という理由らしい。

店が混みだすと、もっと人のこないところへ移転してしまうとも。

それが本当だったら相当ユニークだ。


送料に話を戻すと、

今や、amazonが、何でも送料無料という、
通販のルールを根底からひっくり返すような仕掛けをした。

念のため、大型の家具も確認してみたが、あらかた送料無料となっていた。

これからのネットショップは、よほどニッチに特化しているか、
ファンづくりをしているか、他では買えない商材を扱っているか、
何か強みがないと厳しいのではないか。

リアル店舗から、商店街やパパママストアが消えていったのと同じ現象が、
ネットの世界でも起こりつつあると思われるからだ。

ニトリについては、あまり詳しくないので分からないが、
分析してみたら、ユニークな戦略の全体像が垣間見えるかもしれない。

こうしたユニークさの裏には、従来の枠組みにとらわれない良質な「問い」がある。

・通販の送料は、なぜたくさん買うと安くなるのだろうか?

・店内は買い物客でにぎわっていないほうがいいのではないか?


ニトリは、そのほかにどんな「問い」を立てているのだろうか。




【オマケ】

ネットで検索したら、こんなPDFファイルを見つけました。

「ニトリの中期経営計画に関するお知らせ」

製品の改廃は誰のために行うのか?

2012年02月08日 | ビジネス試論
製品のライフサイクルというのは、どうしてもあります。

運良くロングセラーになればいいですが、なくなってしまう商品が大半だと思います。

しかし、どの業界のどんな商品でも、その商品のファンは少なからずいます。

商品の性質によっては、
「それがなくなってしまうと困る!」という人まで出てくるでしょう。

食品であれば、
「あの味が気に入っていて、ここ数年使っているんですよ。
 うちのお父さんは、あれじゃなきゃダメだと言っています」

医薬品であれば、
「あの薬が一番身体に合っていたんだぞ。俺を病気にさせる気か!」

学習教材であれば、
「ちょうど子供に与えたかったのに。子供の貴重な成長の機会が奪われた」

…など、いろいろな反応が巻き起こることが想像できます。

思い出すのは、ビデオテープ。

VHSが主となって、ベータを使っていた人は困った訳ですが、
そのビデオテープ自体が絶滅種になっしまった。

音楽でも、MDを持っている人は、この先を考えると
中途半端な心持ちがするのではないでしょうか。(自分がそうです)

今、企業戦略のトレンドの一つに、

 顧客の立場に立って、顧客の目線で

 顧客との絆づくり、ファンをつくる

といったものがありますが、

この製品の切り替え、リニューアル、廃止などの判断の軸は、
顧客の立場で施行されるというよりは、
企業サイドの都合で行われるものと考えられます。

やはり売れなかったというのが一番の理由でしょうが、
原材料が高騰した、小さい欠陥が見つかった…とか、
理由は様々にあろうかと思われます。

商品の改廃が悪いというつもりは全くありませんが、
顧客主義と整合するのかどうか、自覚して、整理する必要を感じます。

なぜなら、

自分たちの都合で商品を品切れにしたり、廃止にしておきながら、
トップが「我々は100%顧客の立場に立ちきる」などと言おうものなら、
社員のメンタルは引き裂かれてしまうからです。

企業の根本思想を、どのように後ろめたくない健全なものに保つか?

そのためには、自分たちの顧客主義とは、こういうことで、
このケースではこう考える、あのケースではこういうスタンスである、
などと手間暇をかけて具体例で答えを出して共有することかと思います。

さらに、win-winの方法はないだろうか、
相反する条件をクリアする第三の道やイノベーションはないだろうか、
と思考停止せずに頭を絞る姿勢もなければ…


ん~、言うは易しですね。

人のことより、まずは自分の根本思想と行動が大切、
と自戒して今回は終わります。


制限があるということ

2012年02月07日 | ビジネス試論
ここ最近、根を詰めてアウトプットをしてみたので、
自分が少し出がらしになったみたいな感触がある。

で、アウトプットよりも、インプットの意欲が勝っている今日この頃です。

そんなこともあり、読み切れないのに、たくさん本を買ってしまっているのですが、
その中でも『イノベーションのDNA』(翔泳社)が良いです。

まだ3分の1までしか読んでいませんが、
参考文献として挙げられていた論文が面白そうなので読んでみました。

“Turning Limitations into Innovation”Business Week

タイトルは、「制約をイノベーションに変換する」とでも訳したらいいのでしょうか。

意訳ですが、その中に

 制約は問題が何であるかを形作り、どこに課題があるのか絞り込んでくれる。
 そして、克服すべき明確な挑戦課題を与えてくれる。


という一文があります。

確かに、制約がないと、問題や課題があいまいとして見えてこないと思います。

論文では、俳句、ソナタ、宗教画を例にあげ、
創造性が制約条件に打ち勝つところに「美」があると述べています。

そういえば、ツイッターも140文字という制限がありますね。

前に何かで読んだのですが、考えてみれば、
スポーツの歴史はいかに制限(ルール)を設けるかという話です。

「どんな制約を設けたら面白いスポーツになるのか」という問い。

ビジネスに置き換えれば、
「どんな制約を設けたら価値ある製品・サービスになるのか」
ということになるかと思います。

論文には、こんなことも書かれています。

 創造性は、制約のもとで成長する

 制約はスピードと推進力を与えてくれる




引き続き、『イノベーションのDNA』を読み進めながら、
ビジネスにおける創造性について考えていきたいと思います。

社員を動かす情緒とは?(その2)

2012年02月03日 | ビジネス試論
前回の(その1)では、「働く人の情緒に訴えるノリ」とは何か?
という問いを出したところまででした。

ちょっとわかりにくいので、このエントリーのタイトル通り
「社員を動かす情緒」と言い換えます。

グーグルは「学生寮の情緒」。



これは寮が発達しているアメリカ独特のもののような気がします。
アメリカの青春ものの映画などに寮がよく出てくる印象があります。

私の見立てでは、東京ディズニーランドは「学園祭の情緒」。



これも日本独特の学祭のノリだと思います。

そういえば、自分が入社した頃のお偉いさんで、
明らかに「軍隊情緒」の方々がいらっしゃいました。

“兵隊”とか“特攻隊”とか“絨毯爆撃”とか戦争チックな比喩を使っていたし、
一度だけカラオケで軍歌を聴かされたこともある。

もう少し下の世代は「体育会系情緒」。

数日前に、テレビで、ある居酒屋が特集されていましたが、

誕生日のお客様がいると10分くらい全スタッフでお祝いして、
その間はオーダーができないとか

お面をつけて踊りながらお見送りするとか

店の前でみんなで大声で挨拶の練習したり

ミーティングで叫ぶような大声で決意表明したり

あれも体育会のノリなのかなと思いました。
もしかしたら、「応援団情緒」かもしれない。

そのほか、「宗教的な情緒」はもちろん、「商人(あきんど)情緒」、
「武士道情緒」、「幕末維新情緒」なども見受けられるように思います。

このように、企業や店舗で働く人を動かすために、
どんな情緒をモデルとして採用しているのか?

そういうふうに、うまくいっている企業を分析していくと
おもしろそうです。

今の時代なら、女性的な情緒に訴えるものもありそうですが…

ひとつ浮かんだのは、昔、通った公文の塾。

先生は、ほとんどが妙齢の女性。

その昔、子育てを終えて、ひと段落した女性には
パートくらいしか働き口がなかった時代があります。

スポットが当たっていなかった分、人材の宝庫だった訳です。

そこをうまく人材として活用したのは慧眼であったし、
社会貢献という意味でも価値あることだったと思います。

公文の教室で、一番機能していた情緒は何か?

それは「子育て情緒」だと思います。

今、目の前にいる子どもたちのために、という情緒は
母親経験のある女性には効くはずです。

子育てゆえに、金銭面や待遇を超越した仕事への熱意、
ロイヤルティの獲得に成功したのではないでしょうか。

さて、これからの時代、
企業の目指す人材モデルへと人々を向かわせるために
どんな情緒が機能するのか?

今回取り上げた“情緒”に共通しているものがあります。

「過ぎ去った情緒へのノスタルジー」です。

また、時代が求めているのは、一律でない「その会社らしさ」です。

その二つの観点から、会社で機能する情緒を見つけることが
できるかもしれません。

そして、自社の情緒を見つけたら、
その情緒をカスタマイズして会社の文脈に合うように位置づけ、
うまいこと業務の中で再生させる。

これは経営の大切な仕事なのだと思います。


【オマケ】

このエントリーを試行錯誤しているときに、
参考となる記事を知りました。

現代ビジネス「経済の死角」
なぜあの会社はこんなときでも好調なのか----実例多数うまくいってる会社のメンタリティに学ぶ


今回のエントリーでは「情緒」という言葉を使ってみましたが、
「メンタリティ」という言葉もありましたね。

「経済の死角」という記事から少し引用します。

 いま改めて企業の戦略が問い直される中で、
 「会社のメンタリティ」に注目が集まり始めている。

 こんなときでもうまくいっている会社は共通して、
 「独自のメンタリティを持つ」ことがわかってきたからだ。



もうひとうだけ、記事に出ていた
上武大学教授の田中秀臣氏のコメントが分かりやすかったので。

 背景にあるのは、世界中で各国の企業がしのぎを削るグローバル競争。
 画期的な商品やサービスというのは生まれにくく、
 作れてもすぐに他社に真似されて、同じような商品が量産され、
 価格安競争に陥るのが関の山です。

 だが、企業の『精神』や『風土』というのは差別化の余地がある。
 そうした中で『私利私欲を離れて消費者や地域社会に貢献する』
 といった行為は支援した相手がユーザーとなって戻ってくるし、
 長期的には強固な信頼関係を築ける。社員もこうした経験を通じて団結し、
 働く意欲を高めることになる。その気質が競合他社との差になり、
 長期的に見て企業の強みとなっている



また、今回、贈与について、以下のブログも参考にしました。

カウンセリングルーム:Es Discovery
“贈与―応答の原理”によって維持されるコミュニケーション



このあたりのテーマ、考えていると実に楽しいです。

書いていると時間を忘れてのめりこんでしまう。

結局、自分は新しい組み合わせを考えるのが好きなんだと思います。

それはジャンルを問わないことであって、
今は、たまたまビジネスネタが知的興奮があっておもしろいだけにすぎない。

これからも、そのときどきの、
自分がおもしろい、新しいと思う組み合わせを試作していきます。


社員を動かす情緒とは?(その1)

2012年02月02日 | ビジネス試論
会社近くのセブンイレブンで買い物をすると、
いつもレシートの捨て場に困る。

よく探すと、カウンターに郵便ポストの投函口みたいなのがあり、
そこに捨てられると分かりましたが、

荷物を置く台に半分以上覆われていて目立たないし、
買い物をしている人の邪魔になりそうで、ちょっと利用しづらい。

レシートを持ち帰らせることに、それほどメリットはないと思われるので、
意図していることではないかもしれません。

しかし、この店舗独自の「アーキテクチャ」になっています。

ウィキペディアの「アーキテクチャ」の項目では、
「社会思想」のところで、こう解説されています。

 ある選択肢を選びやすくする・ある行動を採ることが
 不快になるようにするといった環境に変えることにより、
 社会の成員が自発的に一定の行動を選ぶように誘導し…


毎回、ちょっと不便だなあ、と小さい不満を心の片隅で感じながら
レシートを持ち帰る。

そんな小さな不満は無意識のうちに蓄積していくのかもしれない。


 *  *  *  *  *  *


これからの企業は、従業員のサービスに心がこもっていないと
顧客に見透かされてしまう。

万事に首尾一貫して配慮が行き届いていないと、合格点をもらえても、
顧客の心の中に「期待以上の価値」を生み出すことができない。

商品開発も然りです。

魂のこもった商品開発をしないと
顧客の心の中にサプライズも喜びも価値も生まれない。

「魂のこもった」などと書くと、胡散臭いと感じる方もいると思いますが、
具体的に一例を挙げれば、こういうことです。

製品を企画し、製作し、世に出すまでには、
さまざまな選択肢がでてきます。

一つひとつ、チョイスしていかなければならない。

素材は、サイズは、この機能はどうしようか、ここは何色にしようか、
パッケージのイラストはこれでいいかな…などなど、
大小さまざまな無数の選択の結果、商品が生まれる。

担当者が何かひとつのチョイスを行うたびに、
その背景にある気分や根本思想が商品に練りこまれていきます。

製品づくりに関わるスタッフや外部の人たちも、
指揮をとる開発担当の熱意や気分の影響を受けます。

商品に熱意がこもっているかどうかは、隠そうとしても、
端々に垣間見えたり、全体に漂う雰囲気、
かもしだす何かで分かる人には分かってしまう。

暗い人が担当した商品にはどこかに影がありますし、
面倒なことが嫌いな人がつくる商品には杜撰さがにじみ出ます。

本などは、その感覚が分かるという方がいるのではないでしょうか。

さて、サービスの話に戻りますと、

例えば、リッツカールトンやディズニーランド、ザッポス。

彼ら彼女ら、メンバー全員でかもしだす質の高いおもてなし感は
やはり、付け焼刃やマニュアルによる管理統制では、
すぐにボロが出てしまいます。

また、今後、ソーシャルメディアで臨機応変に顧客とつながり、
絆づくりをしていこう…という企業は増えていくと思われますが、

人材育成を考えずに、表面的にトレンドを採り入れ、
適正を吟味しないで担当を割り振ってしまうと
逆効果につながりかねません。

ここで、今回のテーマです。

企業の中で社員、スタッフが、

心を込めて働いたり、お客様をおもてなしたりする

イヤイヤでなく生き生きと仕事に打ち込む

互恵的な行動をとる、陰徳的にふるまう

…といった状態に少しでも近づけることができたら理想的です。

そのためには、会社はどんな働きかけをしていったらよいのか?

そんなテーマで考えてみたいと思います。



 *  *  *  *  *  *



会社が「人をある方向へ動かそう」と考えたとき、まず思いつくのは、
管理、強制、命令、規則、組織のモラルなどです。

もう少しマシな方法として、
理屈で説き伏せる、理論で納得、賛同させる
というものもあるでしょう。

それから、まわりの視線、会社暗黙の約束・空気、ピアプレッシャー。

「みんなが残業しているのに、自分だけ早く帰れない…」というのは
典型的なピアプレッシャー(仲間の圧力)です。

しかし、どうも表面的です。

互恵的な行動や、陰徳的なふるまい、人知れず他に益となることをする、
といったことは、上のアプローチで達成するのは難しいです。

理論、規則では「動かせない部分」にリーチする必要があります。

それは意識というよりは無意識の部分と言えるのではないでしょうか。





企業がメンバーの無意識の部分に働きかけていくということを
「贈与と返報」というスキームで考えてみたいと思います。

もし、ある働きかけが、社員の心の中に「貸し」を作っていくことになれば、
社員は「贈与」に対してバランスを取ろうと無意識に「返報」行動を起こす。

働きかけが、社員にとって益だったり心地よかったりすれば、
「返報」も互恵的なほう、陰徳的なほうへと導かれるのではないか。

仮に人目につかないところでも、会社や他のメンバーにとって
益となるほうを選択するのではないか。

会社の社員に対するイメージ戦略、ブランド戦略ともいえる働きかけ。

これが今回考えた一番目の仮説です。

そして、この仮説にたどり着いたとき、思い浮かんだのはグーグルでした。

社員食堂はドリンクだけでなくフードも無料だったはず。

確か、オフィス環境も楽しそうで、いろいろ気が配られていたな。

そう思うと、いてもたってもいられず、
会社帰りに書店で参考になる書籍を探して購入したのでした。

それが『グーグル ネット覇者の真実』(阪急コミュニケーションズ)。

そこにはこんな記述があります。

 ここで働いてほしいのは、こういう職場なら無給でもいいから働きたいと
 考えるような人たちだ。グーグルがそういう会社になるように計画してきた


 (理想的な職場とは社員だけが享受できる特典をたっぷり与え、圧倒されるほどの
 大量の知的刺激を提供してくれる場所であるべきだという創業者たちの信念の)
 その象徴となったのが食事の無料サービスだ。健康的な食事をたっぷり取りながら、
 社員同士が心を通い合わせて仕事に関する革新的なアイデアを共有する
 -そんな雰囲気づくりが重視された。


 私たちは食事について真剣に考えています。
 これほど食事にこだわる会社をほかに知りません



会社からドリンクやフードといった目に見える具体的な物を
潤沢に供与されればされるほど、無意識の「借り」意識が蓄積する。

そして、この不均衡の解消に向けてのベクトルは、

仕事へ真摯に取り組むほうへ

機会があれば互恵的行動を取るほうへ

組織や構成員にとって善となるふるまいへ

…程度の差はあれ、そういう方向に機能すると考えます。

とここまで考えをまとめたところで行き詰りました。

なんかしっくりこない。そんな単純な話だろうか。

そこで少し時間を置いて考えているうち、『グーグル ネット覇者の真実』の中の
「学生寮」という言葉にひっかかりました。

もう一度、読み返すとこんな文章があります。

 多くの社員にとってグーグルでの日常は、
 ほんの最近まで通っていた大学生活の延長でしかなかった。
 「グーグルという企業組織は、社員が学生気分のまま働くことを
 前提にして築かれている部分が大きい」



「学生寮のノリ」か…。

これは、もう少し広いスケールで従業員の情緒に訴えているな
と気づきました。

関連して思い浮かんだのはディズニーランドです。

あちらは、「学園祭のノリ」と言えそうです。

で、若いスタッフたちの情緒に訴え、善なる方向へ誘導している。

ここまできて、「働く人の情緒に訴えるノリ」とは何か?
という新たな問いを見つけることができました。

うれしい。

でも、ここから結論までは、もう少しかかりそうです。

いったん終了して続きは近日中に。