N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

ESと二人の社長

2012年01月28日 | ビジネス試論
これからの時代、社長の仕事は「二人体制」で進めるのがいいのでは
と夢想することがある。

ビジネス経験が豊富な方には一笑に付される話かもしれませんが、
とりあえず書いてみようと思って、下書きが出来ましたが…

いや、待てよ。

と、ネットで調べてみたら、中古車販売の
ガリバーインターナショナルには社長が二人いた。



で、そもそも「社長」ってなんだ? 代表取締役? 社長執行役員?…

と簡単に調べてみたら、ある程度のことが理解できました。

知らなかった。少し恥ずかしい。

それにしても、自分は興味のないことに関しては、
常識であっても徹底的に知らないなぁと、あらためて思いました。

でも、個人的な都合でありますが、ここで立ち行かなくなってしまうと、
アウトプットの練習ができなくなってしまいますので、

今回は、割り切って「社長」ということで
おおざっぱな試論を展開します。



 *  *  *  *  *



社長というのは、会合に出席したり、スピーチをしたり、表彰状を渡したり、
業界の集まりに顔を出したり、会社にちょっとした来客があれば名刺交換したり、
製品のトラブルがあればお詫びに行ったり、外の人と食事したり…忙しいですよね。



ただ、そういう会合やら、お付き合いのときは、
やはり副社長や専務では格好がつきません。

小さな会や、経営にとってどうでもいい来客に限って
社長の登場が強く求められたりすることもありそうです。

そういう細々したことに、代表者は時間をとられがちですし、
また、それを日々こなすことが社長の務めでもあるかとは思います。

そのために、秘書がスケジュールを管理したり、
専用車があったり。

さて、月並みな表現ですが、時代は大きく変わりました。

ビジネスも、消費者のマインドも、メディア環境も、
本当に大きく変わったと思います。

従来のような仕事振りで、これからも企業トップの役割が
十分に果たせるのであれば問題はありません。

しかし、それが時代にフィットしなくなってきているとしたら、
その社長の在り方、役割も変わるのが自然な理路です。

そこで、二人体制です。

役割分担として、

一人は、対外的な活動をする「対外社長」
「セレモニー社長」「象徴社長」と言ってもいいです。

もう一人は、変な造語ですが、会社を内側からリードする「対内社長」
「実質社長」「本社長」と言ってもいい。

表面上は「対外」のほうが「社長」に見えるように設計します。

「対外社長」は、外から見て「社長」である必要があります。

「社長さんが、わざわざ顔を出してくれた」と思われなければ
その効力を発揮できないからです。

はたから眺めたときに、いかにも「社長さん」に見えるように、
そこに向けて細かなあらゆる演出を施すのです。

では、「対内社長」は何をするのか?

ここで、しばし「ES」(従業員満足)の話に切り替わります。

「ES」については、今後、試論を書きたいと思っています。

例えば、こんなオフィスだったらとか、グーグルの「20%ルール」とか、
組織の中で人と人とのつながりを生み出し育むには?とか、
昼寝制度って絶対いい!とか…書きたいことがいくつかあります。

さて、それはさておきESの難しい課題のひとつに「評価」があります。

日本の企業が急ごしらえで導入した「成果主義」によって、
評価に直結しない地味な仕事が敬遠されたり、
社員の間に給与の不公平感が漂ったり…ということです。

適性に評価されている、と各自が納得できれば、
従業員満足も上がります。

適性な評価のイメージを思いつくままに挙げると、

・上司の好き嫌いで判断されない

・見えにくいけど大切な仕事、地味な行いも評価される

・結果だけでなくプロセスや取り組む姿勢も考慮される

・まわりに与える印象、人間的な影響も考慮される

・裏表があって要領のいい人間がイイ目を見ない


では、そんな、適性な評価がなされ、
会社はきちんと評価していると従業員が
ある程度納得できるようにするためには何が必要か?

ここで「対内社長」の出番となります。

「対内社長」は、寸暇を惜しんでメンバーと交流し、対話をするのです。

社員、アルバイト、派遣社員、とにかく構成員全てと。

しかも、上から目線の聞き取り調査ではありません。

分け隔てなく、横並びに座って語り合い、いっしょに考えていくのです。

時には一対一で、ときには数人で、自由自在に交流します。

「対内社長」の部屋は、対話者をおもてなしできる部屋がいいですね。

ソファ、眺め、飲み物、ときには音楽と、とにかく心地よい空間にします。

「対内社長室」で朝食、昼食、おやつ、または夕方から軽く飲みながら、
みんなが気軽に出入りして活発に話をします。

「対内社長」は、そこでの話の内容によっては、
ある時期ある部署に入り込んで一緒に働きます。

全ては、適正な評価のためです。

今、評価をするということは、それだけ大変なことだと思うのです。
(極論過ぎるでしょうか)

また、「評価」のほかに、もう一つ副産物も見込めます。

「対内社長」は、肌で現場や会社で働くメンバーを知ることになります。

そこで得られた気づきは、きっと経営判断に活きることでしょう。

いわゆる「ミッション」、「バリュー」とか「何とかWAY」とか言われても、
他社のも含め、さっぱり心に響かない。

せめて自分の属する会社の「ミッション」くらいは心に響いてほしい。

それには、自分たちの会社の文脈の中から生まれた土着的な
呪文が必要だと思います。

概念も借り物、紡ぎだす言葉も表現も借り物ではダメです。

自分たちの物語、自分たちの概念、自分たちの言葉や表現を
発見しなければならないと思います。

それが出来たとき、構成員の多くの賛同が得られ、
そうでない人も前向きに妥協できるような方向性を
打ち出すこともできるのではないでしょうか。

私の勝手なイメージですが、
「対内社長」は全社員に向かってこう言います。

 全責任を負ってベースとなる評価を決めます。
 みなさんが働きやすい会社にしたいです。
 みなさんが持てるエネルギーを十分に発揮できる環境にしたいです。

 そのために、みなさんのこと、現場のことを知りたいのです。
 そこに時間と労力を注ぎ込みます。

 大変お邪魔かとは思いますが、どうかよろしくお願いします。


こうして心から頭を下げるのです。

ね、従来の社長のイメージとは違うでしょ。

…だんだん妄想チックになってきたかなぁ。

まあ、もしも、こんな感じでいこうと思ったら、
トップは儀礼的付き合いをこなしたり、セレモニーに出ている暇がないのです。

もちろん、今、「対内社長」の役割として申し上げたことは、
執行役員や部長が行ってもいいと思います。

要は「対内社長」と変わりない結果が得られればいいのであって、
システムや、さじ加減はその企業の規模や人材によって変わるかとは思います。

ユニクロの柳井さんは「ポストが赤いのも自分のせい」とおっしゃったとか。



トップにはそれだけの覚悟と誠意が必要なんだなあ…と、
この言葉、最近、噛みしめています。(管理職でもないのに)

しかし、社長がメンバーと対話したら、硬軟、聖俗、喧々諤々、
いろんな話が出てくるでしょうね。

チェーン店を展開しているある企業では、社内のイントラで
アルバイトでも報告ができるシステムになっていると聞きました。

最初は、あいつが嫌いとか、店長と誰がつきあってるとか、
密告的なものも目についたそうですが、

だんだん前向きな提言にトーンが変わりつつあると
いう話でした。

相互監視社会みたいで窮屈かもしれませんが、
人がブランドと言われ、社員が何かヘマをすればブランドが大きく傷つく、
そんな時代です。

ソーシャルネットの発展とともに、
企業も悪いことや隠し事があれば明るみに出やすい時代だと思いますし、
社員にも、フェアさ、クリーンさが求められるようになってきたと思います。

そこで、「対内社長」の出番です。

現場を知り、適正な評価のベースをつくり、従業員満足を上げ、
企業文化に深く根付いた方向をメンバーに示す。

…と、ここまで書いて、今回は終わりにしたいと思います。

最近のエントリーは、どうも長くなります。

こんな拙文を最後まで読んでいただいた方、
どうもありがとうございます。

今回は、このへんで。


“つながり”を考える

2012年01月25日 | ビジネス試論
うちの幼児は、人とコミュニケーションをとるのが大好きだ。

先日、幼児を連れてお寺へ散歩へ行った。

休息所で、おじいさんが一人、座っていたのだが、

幼児はタタタッと近づいていき、
おじいさんの顔をのぞきこんでニッコリ笑った。

おじいさんは、微笑むと、やにわに、
あちこちのポケットをガサゴソとまさぐり出した。

「あれ、アメなかったかな。いつも持ち歩くんだけどな」
とつぶやき、私の顔を見てこう言った。

「あの、お父さん。チョコレートあげてもいいですかね」

小さい子の親なら、こういう経験は多いのではないか。


散歩中でも、バスや電車でも、幼児が愛想を振りまいたとたん、
お年寄りは落ち着きなく、ポケットやらカバンやらガサゴソしだし、
アメやお煎餅をくれるのだ。

家内の話では、つい先日、平日の図書館に連れていったとき、

いくらなんでも、この人にはいかないだろ

とツッコミたくなるような
おじいさんに躊躇なく近づいていったとのことだ。

でも、やはり悪い人ではなかったようで、
最後には「つんつんしていいかな?」と言って、
幼児のほっぺを触っていたらしい。

人との触れあいに飢えている高齢者にとって、
幼児からの先入観のない好意的なストロークは、
大ききなギフトであると思う。

思いがけず、うれしい贈り物を授かった老人たちは、
何かをしないと贈与のバランスが取れないから、
慌ててお菓子を探すのだと思う。

年長者に対して失礼な物言いですみません。



 *  *  *  *  *



小阪裕司さんという方を知っているでしょうか。

人間の感性や行動を軸にしたビジネスマネジメントを研究し、
実践を続けている方です。

会社の関係で、偶然にもセミナーを受ける機会を得たのですが、
それがとても勉強になりました。

その後、2時間半のセミナーが開催されることを知り、
自費で参加してきました。

お話のテーマは3つから成ります。

1番目は、“消費”が大きく変わったということ。

従来とどう異なるのかという比較例を少し挙げれば、

「便利な買い物」から「楽しい買い物」へ。

「消費ニーズに応える」から「価値を創造する」へ。

そのほかにも、いろいろあるのですが省きます。


2.ビジネスの新たな成立要件とは何か、というお話。

ここは、今回のメインとなるパートで、
簡単には要約できない充実した内容でしたし、
有料セミナーなので、詳しく書くことは控えます。

ただ、スズキのLapinの話は面白かった。

特定層にすごく人気があるらしいですね。

ウサギのマークが随所に入った車とはカワイイ。
車なのに、ポロシャツとかカバンとかのグッズもあるそうです。
スズキ ラパン スペシャルサイト


3.新たな成立要件を満たす企業になるためには?

特に印象に残ったところだけ少し。

自転車に乗れるようになるのと同じで、
実践することが大切。

実践をくり返すことで身につく。

何が身につくかといえば、例えば、

お客さんのどんな価値を高めればいいのかが分かってくる

どんな商品開発をすれば喜ばれるかが分かってくる

それは、家族への誕生日プレゼントを考えるとき、
あれなら喜びそうと見当がつく感覚と似ている。
(これは最初に聞いたほうのセミナーでのお言葉です)

常にお客さんに新鮮な喜びを与えなくてはならない。
それは一人では難しい。

同じ志を持つ仲間を持つこと。
創発の場に実を置かなくてはならない。



 *  *  *  *  *



セミナーの後、ラーメン屋に向かいました。

この店は、前に入ったときに、おいしかったので、
勉強後のお楽しみに行くことを決めていたのです。

外に自販機があり、一万円札を入れて千円のラーメンを購入。

ちょうど店の人が何かを運びに外に出てきたタイミングでした。

店内に入って食券を渡して待っていると、
さきほどの店員が「おつりを忘れていませんか」と
9千円を持ってきてくれました。

あ、またやっちゃた、とドキッとしました。

日頃から、コンビになどで、
よくお釣りをもらわずに帰ろうとして呼び止められます。

食べてるうちに、ありがたいな、うれしいな、
という気持ちがふつふつと湧いてきました。

だから、食べ終わって帰るときは、
「おつり、ありがとうございました!」と
元気に声を掛けたのです。

誠実そうな青年店員さんは、
「いえいえ」と恥ずかしそうに笑っていました。

ああ、そうかと思いました。

この店が、万事こんな調子だったら、
自分は、またこの店に来るだろうなと感じたのです。

もし多少まずくても、値段が高くてもです。

そして、一貫していることが大事だなと思いました。

その店員さんが別の局面では冷たかったり、
店長が感じの悪い人だったりすれば、
そのつながりは、すぐにくずれそうな脆いものです。

しかし、「絆づくり」を継続的に仕掛けていけば、
こうした感情は、だんだんと強く育まれていくと思います。

小阪さんの実践経験では、
絆ができると、例え店側の明らかなミスであっも
「おたくのためを思って言うんだけど…」などと
クレームというより助言という感じになってくるそうです。

それにしても、やっぱりライブっていいですね。
本とは違います。

人間の脳はコンピュータのようにつながることができる、
と何かで読んだことがあります。

著者と同じ会場にいるということは、
もしかしたら、多かれ少なかれ、
すごく優秀な脳とつながっているのかもしれません。

そうだとしたら、金銭に換えがたい体験です。

2~3回分の飲み代程度ですが、性根ががっついていますので、
身銭を切るとなぜか異様に集中できますし。

小阪さんの本は今読んでいるものもありますし、
今後も、引き続き、学ばせていただきたいと思っています。

しかし、幸せなことではありますが、
勉強したいテーマが山のようにありますなぁ。

戦略の実行とは?

2012年01月22日 | ビジネス試論
近頃、『戦略と実行』(著:清水勝彦、日経BP社)という本を読みました。

書きっぷりに情緒に訴えるところが多くあり読みやすかったです。

「よし、戦略の実行という観点で少し勉強してみよう」と思いたち、
本書で参考書として紹介されている本を読み始めています。

『経営は「実行」』(日本経済新聞社)。
これはマーケットプレイスで購入後、改訂版も出ていることを知りました。

Closing the gap between strategy and execution. Sloan Management Review
こちらは英語の論文。英語力がないので、なかなか進みません。


そんな訳で「戦略の実行」というテーマが頭の中を渦巻いているこの頃ですが、

ふとテレビをつけたら、ある人物を取り上げているようで、
その方が「実行」に関して興味深いお話をされていました。

 ・計画書にお金をかけるより、やってしまった方が早い
 ・まずはスタートしてみる、スタートしながら考えていく
 ・地図を持たずに歩け。コンパスだけ持って
 ・キーワードは “ agility ” (機敏)



…記憶の範囲ですが、こんな内容の話で、
まさに今考えていることのヒントになると喜んだのでした。

検索したら、この方だと分かりました。

Tech wave:MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏、就任後日本初講演 (後編)

「想定外を許容する」というのは、身につけておきたい考えかたです。

先の『戦略と実行』には、こう書かれています。


 …多くの不確定要因に立ち向かっていかなくてはならない今日の経営者たちに
 「考えるためにはまず走りなさい、あるいは考えながら走りなさい」とアドバイスします。
 
  戦略の実行に必要なのは、やってみてわかった
 「フィードバックを次につなげていく試行錯誤の姿勢」であって、
 「具体的な計画をそのとおりに行うという軍隊的な絶対性」ではないのです。



従来から日本企業で主流だったのは、

「単年度計画」というものを作って、
今年は、いつ頃までに、こんな活動をしようというのを決める。

計画通りにできたかどうか管理する。

という方法ではないかと思います。(私の狭い知見の範囲では)

伊藤さんの表現を借りて逆の言い方をすれば、
「地図を持って、その地図通りに歩く」という方法といえましょうか。

古い体質の企業が、地図を持たないやり方にガラリと変えるのは、
相当なマインドセットの変革が必要になると思います。

企業の全業務の仕様書を、一から書き換えるくらいの大変更になるからです。


自分は、地図を大切にする昔ながらの企業に属していますが、
そこで気になるのは「やらされ感」が目につくことです。

単年度計画に基づいた「活動計画」という業務の性質であれば、
「義務感」や「やらされ感」で取り組んでも合格ラインに達することはできます。

例えば、

今年は商品を何点つくる。それぞれの商品は計画通りの時期に作られたか。

何店舗を訪問する、どこどこに広告を出す、販促イベントを何回やる。

といった内容だからです。

もちろん、各自、製作点数や営業回数というものを、
極大化することが望まれており、業務は忙しく、すごく大変な訳ですが…

イノベーションは起こりにくい。


一方、これからのモノやサービスに求められることはというと
(本で読んだことなど思いつくままに書くと)

・心を豊かにしてくれる、その先にすばらしい体験がある

・そこでしか味わえないユニークさを備えている

・隅々まで配慮が行き届いた逸品である

・顧客に合わせてどんどん作り変えていく柔軟性、スピードがある

といったことかと思います。

「活動計画」「管理」「義務感」「やらされ感」とは別天地です。


以前、ものづくりに携わっていたときに知ったのは、
「ものづくりは、それが心底好きでないとできない。勤め人感覚では限界がある」
ということです。

どういうことかと言うと、例えば、

製作の最中に、ここを全部やり直せば少し良くなることに気づきます。

しかし、えらく面倒で手間のかかることで、自分も大変だし、
何よりその部分の仕事をお願いしているスタッフがめちゃめちゃ大変です。

やっておけば、いいに越したことはありませんが、
やらなくても製作は進行します。

言わなきゃ会社の誰も気づきません。会社からは何も言われない部分です。
したがって文句は言われず、評価にも関係しません。さて、どうするか…

また、あるときは、

締め切りギリギリのギリで動いている最中です。

上司から、この観点で再確認しておけよ、と言われます。

えー、ここまでチェックするのかよ。これやろうと思ったら膨大な時間がかかる…
と途方にくれます。チェックした振りをしてもやり過ごすことはできそうです。
さて、どうするか…


昔、テレビでサザンの桑田圭介のドキュメンタリーを見て、
今も印象に残っているシーンがあります。

レコーディングで、あるテイクを何度も何度も、
まわりがうんざりするほどやり直している様子でした。

その後のインタビューで、

歌は自分の宝物なので大切に大切に真綿でくるむように
丁寧に丁寧に作っていくんです…みたいなことを言っていました。


先ほど、「隅々まで配慮が行き届いた逸品」と書きましたが、
今の時代に求められるモノを生み出し続けるために、
開発部門には、ますます「モノづくりが心底好きか?」、
「魂がこもっているか?」が問われるのかもしれません。

ただ、営業はまだしも、総務とか経理とか、モノづくりでない部署にいて、
その業務が「心底好きか?」と言われても困ると思います。

好きに越したことはないけれど、モノづくりのように
心底好きでなくてもいいと思います。

ただ、どんな部署でも、
会社が「地図を持たずに歩く」ことを志向するようになれば、
「やらされ感」では合格ラインすらこなせないということです。

ルートが最初からきっちり決まっていないのですから、
想定外のことがバンバン発生し、知恵や工夫をして、
出口の見えない課題に頭を悩ますこともあるかもしれません。

自分の意思で、面倒や手間や困難に立ち向かうマインドも
必要になってくると思われます。

それには、「やらされ感」「心底好き」とは違う
別のエンジンが必要になってくると思います。

各人がそのエンジンを持てるようになるためには
何が必要でしょうか?

まず、組織が目指す先、コンパスが示す向きに意義があると納得できること。

次に、仕事に自由度が高く、責任があるということ。

…ではないかと考えます。

そして、たぶん「意義」「自由度」「責任」があるとき、
「心底好きか?」とは少し別の観点で、
仕事に対する姿勢とアウトプットが変わってくると考えます。

こう書いてみるとザッポスなどが思い浮かびます。

いずれにしても、古い体質の企業の旧来のやり方になじんだ社員が、
「コンパスを信じて、地図を持たずに目的地を目指す」と言われて
すぐに納得できるでしょうか?

年配の人間ほど痛みや抵抗感があるでしょうし、
マインド育成には相応の手間と時間がかかることは想像がつきます。

変わりにくいマインドを無理に変えることに労力を費やすよりも、、
新しいやり方にフィットするよう人材の適性を判断する観点を変え、
適所に配置をすることが先かもしれません。

「戦略の実行」については、今、思索中ですので、
また何かユニークな視点が見つかればエントリーしてみたいと思います。


さて、「戦略の実行」についての話は、ここで終わりですが、
“ 適性 ”という言葉でふっと浮かんだ思い出話をひとつ。

今日のテーマと関連がありそうですが、
レイヤーの異なる話かもしれないと感じましたので、
また別の話として読んでいただければ幸いです。


会社で、自分に一からものづくりを教えてくれた上司がいました。

その方が作るもの、その方の目が届く部下の作るものは、
やはりどれも抜かりのないものだったと思っています。

ただ、部下である自分は、そこまで出来ない、ついていけない、
と感じることもあり、反抗的な態度をよく取っていました。

ある日、仕事を終え、二人で飲んでいるときです。

「悪くとるなよ。こう言うと怒るかもしれないけどな。
おまえは、○○○より○○が向いているぞ。そっちに行くことも考えたらどうだ?」
と言われ、思いっきり気を悪くしてしまった思い出があります。

でも、その通りでした。

その方が残念なかたちで会社を去った後、

○○○ではない今の部署の仕事が、本当に思いがけず、
自分に向いていることを実感しています。

そして、いずれは向いていると言われた○○を目指して、
今、できることを続けています。


さてさて、ここまで読んでいただいた方にはオマケを。

地図を持たずに歩けと語った伊藤穣一さんについて調べていたら、
大変参考になるブログのエントリーを見つけました。

daisaku clip:Lean Startup!THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2011 Fallに参加してきました!

伊藤さんのお話も紹介されていますが、
なにより「Lean Startup」について知ることができてよかった。

恥ずかしながら、今まで知りませんでした。

そして、「Lean Startup」で調べたら、
日本で普及を目指している団体のウェブサイトがありました。

後でこれを読んで勉強しよう。

Lean Startup Japan


しかし、このブログ、今年はビジネスネタがマイブームとなるかもしれない。

前の2つの記事と、この記事を読んだ人は、
「この人なんなんだ!?」と当惑しているかもしれませんね。

こうして感覚の赴くままエントリーを重ねていった結果、
今年一年でどんな内容が生まれるのだろうか。

自分でも、まったく予想がつきません。


シニア向けパソコン教室

2012年01月16日 | 写真物語

シニアにも広まるパソコン。その熱はとどまることを知らない。




とうとう我が村にもシニア向けパソコン教室がつくられた!






  *  *  *  *  *  *  *  *




[ インストラクターが生徒に話している ]

…以上、パソコンの壁紙についての説明です

それでは実際にやってみましょう!

インターネットで壁紙を探してご自分のパソコンに設定してください

分からなくなったらお気軽に質問してくださいね




  *  *  *  *  *  *  *  *




はい。みなさん出来たようですね。おつかれさまでした

普通こういうことは、あまりやらないと思うんですが…

みなさんが選んだ壁紙を紙に印刷して、
作品として掲示板に張り出してみたいと思います



楽しみにしていてくださいね




  *  *  *  *  *  *  *  *





【生徒さんの作品】


肥後 みゑ子さん


タイトル:「 ナボナはお菓子のホームラン王です 」


 先生のコメント:「 今度おやつに食べましょうね! 」








御手洗 嘉一郎さん


タイトル:「 髪の長い女の子 」


 先生のコメント:「 センスがお若い! 」








奥田 繁三郎さん


タイトル:「 腰痛 」


 先生のコメント:「 ユニークですね! 」








山城 ずい子さん


タイトル:「 ほたて 」


 先生のコメント:「 帆立がお好きなんですね! 」








大村 健吾さん


タイトル:「 アンドレ VS ハンセン 」


 先生のコメント:「 プ、プロレスですか? 」








ミハイル・コレニコフビッチさん


タイトル:「 REVOLUTION 」


 先生のコメント:「 ミハイルさんの祖国でしょうか? 」








玉田 トメさん


タイトル:「 時間よ止まれ 」


 先生のコメント:「 カッコイイ! 」








冨山 仙一朗さん


タイトル:「燃えつきちまったよ」


 先生のコメント:「 燃え尽きないでください(笑) 」



犯人に狙われにくい人

2012年01月13日 | 写真物語




A  今朝の新聞に警察署のこんなチラシが入っていたよ

B  これじゃ狙われるわな

A  女性だけじゃないぜ。今のご時世、あんまり酔っ払って歩くのも怖いよ

B  事件もあったね

A  おい、トラブル防止のために、うちの町内の人にも呼びかけよう

B  何をするんだ?

A  「これなら狙われない」というお手本をネットで探す

B  なるほど、「狙われにくい」か… 逆の発想だね

A  集めた画像は1枚の紙にパソコンでうまくまとめてさ。お前が

B  俺がやるのかよ!

A  探すのはいっしょにやるからさ。町内会の回覧板に入れてもらおうぜ





   *  *   *   *   *   *   *







































































マックは何を目指しているのか? [その2]

2012年01月08日 | ビジネス試論
前回、日本マクドナルドの戦略は、
「低コスト路線」なのか「おもてなし(顧客価値の増大)路線」なのか
という問いをまず立てました。

どうやら、マックの広告メッセージからは
「おもてなし路線」を目指していることがうかがえます。

ただ、そのためには、店長を筆頭にクルーのマインドの向上、
対応力向上が欠かせません。

その際に注目したのは、日本マクドナルドが、
フランチャイズの比率を急激に上げている事実です。

原田CEOの就任当時は3割だった比率を
7割近くまで増やしているというのです。

一般的に、フランチャイズと聞くと、本部のコントロールが効きにくい
というイメージがあるかと思います。

オーナーは「おもてなし」よりも利益最大化のために、
客数をさばくことや、低コストに目を向けて行動していくのではないか
と思われるからです。

実際、今回、参考にしている『ストーリーと競争戦略』という本では、
スターバックスでは、直営店にすることによって
「顧客が払いたいと思う価値」を上げていると分析していました。

そこで、「フランチャイズ化」と「おもてなしは両立できるのか」
という本題が浮かび上がってきました。

原田CEOの講演録をまとめた『勝ち続ける経営』には
フランチャイズの大改革をしたことが記されています。

 2008年から2011年の3年間で440ほどのオーナーオペレーターを
 200くらいまでに減らしてきました。簡単に申し上げますと、
 マクドナルドの基準に満たないところは撤退をお願いしたのです。

これは大きな構造改革です。

講演の中で「年功序列・暖簾分け制度の延長で、フランチャイズ化されていましたから
改革はたいへんなものです」とありました。

相当な反発、反対圧力があったと思われます。

トップの強いリーダーシップがなければ、そうそう実現できることではありません。

次に、分かったのはフランチャイズのオーナーは、
ほとんどが社員出身であるということです。

フランチャイズオーナーは、日本マクドナルドのブランド強化戦略を理解し、
それに賛同する人たちが選りすぐられたのでしょう。

しかも元社員なのですから、もともと忠誠心は高いと考えられます。

それ以外に、原田CEOは、もう一つの懸案事項も解消しています。

オーナーのキャッシュフロー、資金面です。

1オーナー当たりの持つ店舗数を、
1~2店から8~10店舗まで大幅に増やしたというのです。

 …きちんと基準を守り、すばらしい店舗経営をされるオーナーには
 10店舗程度経営していただいて、成長戦略のルールに乗せる改革をしてきました。


オーナーに資金面のケアを十分にしておけば、隠れて利益に走り、
「おもてなし」をないがしろにする心配も減ります。

オーナーの半減といっても、
単に数字を減らしただけでなく質を変えたということですね。

フランチャイズという言葉を使っていますが、
実際は「形を変えた直営店」と言えるものだったのです。

今回、WEBで調べていたら、
日本マクドナルドの「フランチャイズ化に潜む経営戦略とは」
という記事を見つけました。

ダイヤモンドオンライン:なぜ減益必至のフランチャイズ化を推進するのか
日本マクドナルドの「店舗まるごとコストダウン戦略」


フランチャイズでもうかるのか?

外注であるフランチャイズで「ブランド認知の強化」は可能なのか?

という問いに、このブログとは全く別の観点から答えを導き出しています。

全文を読むには登録(無料)が必要な記事なので、
ネタバレにつながる引用は控えさせていただきます。

ここまで読んでいただいた方には、
日本マクドナルドの総会のプレゼンシートも面白く読めるかもしれません。

第40回定時株主総会

第39回定時株主総会

また、以下のエントリーも参考になりました。

FC化が、日本マクドナルドの「ロイヤリティ収入の安定」、「経営リスクの軽減」に
つながっているというのは見逃せない観点です。

ブログ:マクドナルド FC今期末六割超:フランチャイズ地獄からの脱出 藤原義塾からの報告書

さて、問いと答えは以上ですが、原田本が相当勉強になったので、
面白かったところをバラバラと記してみます。

まず、活動の柱のひとつである「アウトスタンディング」。

 顧客の期待を超えていくには、やはりその企業しかできない
 「らしさ」が大事です。


本当にそうですねえ。

先日、初めて吉野屋のカレーを食べたときにそう思いました。
松屋も(恐らく)コスト削減のため、ファンの多かった「豚丼」を止めたそうですし。

 お客さまのおっしゃることと、実際の行動はまったく違うということです。
 つまりお客さまの希望ばかりを聞いて、その通りにしていたらダメなのです。

 お客さまの要望以上のことをやらなければならない。
 しかも「自分らしさ」を忘れてはいけないのです。


この部分、感銘を受けました。
今後の自分の仕事のテーマにしようと決意しました。

 お客さまの声を聞いて、お客さまのおっしゃったことに応えるだけでは、競争に勝てません。
 やはり自分の信じるものをお客さまに提案することが大事です。

 …リサーチというのは、自分が信じることが思った通り進んでいるかどうか
 自己検証するためのツールです。


「お客さまの声」と言って、やたらに もてはやすトレンドに一矢を入れる言葉だ。

それから前回の記事 [その1] で「アーキテクチャ」について触れましたが、
これは今のマクドナルドには失礼な見当だったようです。

 「お客さまをマニピュレート(操縦)するようなことは絶対にしてはいけない」
 と言っています。…略…ですが、「ナビゲーション(誘導)はきちっとやれ」
 と、くどいくらい言っています。


このマクドナルドの「ナビゲーション(誘導)」については、
実体験を踏まえ、いろいと思うところがあるのです。

このテーマについては、
もう少し考えが熟してきたらアウトプットしてみたいと思います。

それから、「新世代デザイン店舗」。

新世代デザイン店舗 mcdonald's Japan

これも、マックが新しい顧客価値の増大に向けて試行錯誤していることの
ひとつかと思います。「実験店舗」とも呼ばれているとか。 

続けます。

 厳しい状況の日本で成功している企業は、
 (…略…)価値と価格を上げる戦略を貫いているのではないかと思います。

 …そしてさらに重要なのは、顧客の期待を超える、経験値を超える価値の提供です。

 …顧客の経験値、期待値を超える独自性がなければ価格競争にしか行かない



「グランドキャニオンバーガー」、食べました。

自分は「ビッグマック」とかデカイのは好きではないので
食べるつもりは全くなかったのですが、

ケータイクーポンのナビゲーションに誘導され、
ついつい頼んでしまいました。

確かに、期待を超える味でした。実は、また食べたいなと秘かに思っているくらい。

たくさん引用してすみません。きりがないので最後にひとつだけ。

 お客さまはコモディティの価格には非常にセンシティブになって、
 同時に何か新しいもの、心を豊かにするもの、自分の生活を充実させるものには
 対価を払う傾向にあるのです。


原田さんの著者は、まだ何冊かあるようなので、今後読んでいきたいと思います。


余談になりますが、

今、『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝』(プレジデント社)を
読んでいます。

副題は「世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者」。

どんだけマックに興味があるんだ、俺は。

でも、これは面白いです。

本書を読む中で、さらにマクドナルドについて書いてみたいことが
出てきたのですが、それは機会がありましたら。

自分は食品とは全く違う業界で働いている人間ですし、
こういう企業研究のようなエントリーを書くのも、ほぼ初めてです。

ただ、昨年から家族で毎週のようにマックに足を運ぶようになり、
どうしてハマッてしまったのか…という自身の経験から
マクドナルドという企業に興味を持ちました。

それが、このエントリーを書くきっかけとなったように思います。

長いつぶやきになりましたが、これにて終了します。

マックは何を目指しているのか? [その1]

2012年01月07日 | ビジネス試論
お正月、嫁の実家の後は自分の実家へ。

普段、新聞を読まないので、実家では新聞を眺めるのが
いい気休めになります。

特に新年なので盛りだくさんです。

読売新聞の元日第5部「スポーツ」(12ページ)は、
まるまるマクドナルドがスポンサーとなっていました。

この第5部の広告を見ながら、最近読んだ2冊の本を参考書にして、
マクドナルドの戦略について考えてみたいと思います。

※2冊の本
『スト競』→『ストーリーとしての競争戦略』(楠木建/東洋経済新報社)
「原田本」→『勝ち続ける経営』(原田泳幸/朝日新聞出版)





まずは大きく「夢見るマクドナルド」のキャッチ。
そして、こんなリード文が続きます。

 2012年元旦、あなたはどんな初夢をみたいですか。
 マクドナルドがみたいのは、
 あなたが楽しそうに笑っている夢です。
 新しいおいしさ、ベンリさ、おもてなしで、
 去年とはまた違った笑顔が生まれますように。以下略


「新しいおいしさ」「ベンリさ」「おもてなし」とキーワードが出てきました。

次のページです。



「みんな笑顔に」「もっとスムーズなドライブスルー」
…これは「ベンリさ」のパートのようです。

 入ってすぐに注文ができるように、2ヶ所のご注文窓口へ。
 ご注文内容がひと目でわかるディスプレイに。
 そして、お会計と商品の受け取りが分かれた窓口など。
 ますます快適なドライブスルーをめざして、進化しています。


次のページです。



「おもてなしの頂点へ」「コンテストで高め合うクルーたちの想い」
…これは、「おもてなし」のパート。

 そして、成長の先にクルーたちが夢見るもの、それはあなたの最高の笑顔です。

という言葉で締めくくられています。

次は「東京マラソン2012のボランティアサポート」。




そして、「新しいおいしさ」のパート。



「ハンバーガーの歴史をぬりかえろ。」というキャッチ。


次は、CRS(企業の社会的責任)のパート。



「つくりたいのは、ハンバーガーだけじゃない」というキャッチ。

「チャリティー活動」「食育支援」「スポーツ支援」
「地域貢献活動」「ECO」を通して…だそうです。

一瞬、「つくりたいのは、ハンバーガーじゃない」かと思いました。
「だけ」が入っていたんですね。

「つくりたいのは、ハンバーガーじゃない」であれば、
例えば「ハンバーガーを通して感じる幸せな気持ちや団欒をつくっているんだ」とか
続けることができそうです。

「ハンバーガーじゃない」であれば、低コスト・低価格の戦略ではなく、
『スト競』の言うところの「WTP」を志向していると解釈することができたのですが。

※Willing To Pay=顧客が払いたいと思う水準



ついでに、話は横道にそれます。

『スト競』では、低コストとWTPの戦略の違いを、
ドトールとスターバックスを比較して説明しています。

本書から引用します

 「スターバックスはコーヒーショップですね?」に対して、
 ハワード・シュルツさんは「いいえ、本当のところわれわれが売っているのは
 コーヒーではありません」と答えるでしょう。

 …シュルツさんが構想したコンセプトは
 「第三の場所」(THIRD PLACE)というものでした。
 職場でも家庭でもないという意味での「第三」です。

 …スターバックスの意図する最終的な競争優位はWTPの増大です。


職場で緊張したハイテンションな状態をトーンダウンするために、
家庭に帰る前にワンクッション入れてくつろぐことのできる場、
というイメージはよく分かります。

そして、そのために、むしろ、ゆっくりと長居してもらうように
仕向けるというのです。

店の雰囲気、スタッフ、出店や立地の操作が容易…
そういったWTPの増大の鍵が直営方式にあるという指摘だったと思われます。

一方のドトールは、対照的です。

低価格で、ちょっとした空き時間に利用できるお店。

ドトールは、フランチャイズ方式で、低コスト優位。

そして「お客さんをなるべく回転させることで利益を改善するというアプローチ」
であると言う指摘です。

そういえば、以前入ったドトールに、正式な文面は忘れましたが、
「受験勉強や仕事など長時間の利用はしないでください」という札が貼ってあって
「へ~」と思ったことがあります。

本書では、スタバが、フランチャイズではなく、
コストが非常にかかる直営方式にこだわる理由が丁寧に解説されています。
興味を持たれた方は本書をご確認ください。

読売新聞に戻って、次のページ。



「その手にハッピーを♪」「かざしてお得なケータイ会員サービス」とあります。

これも「ベンリさ」ですね。

今回、マクドナルドについて簡単に調べたら、
購買履歴にもとづいた個人別のクーポンを発行しているようなんですが、
これ今、本当にやっているのでしょうか。

AMAZONのレコメンドみたいに進化していけば、WEB、ケータイ上の「おもてなし」ができるので、
まだまだ可能性を秘めていると思います。

この部分、上述した、日本マクドナルドCEOの原田さんの著書より引用します。

 …携帯などを使った「e-Coupon」ならば
 「今日は雨が降っている。さあ、配れ」と、できるわけです。
 地域別でもできます。お客さまのセグメントごとにも配信できますから、
 今後、ますます発展していくと思います。

 …e-マーケティングとは、「リアルタイムでビジネスのナビゲーションができるもの」
 と社員に言っています。リアルタイムでお客さまの行動をモニターし、
 リアルタイムでビジネスをナビゲーションすれば、いい結果につながりますよね。



なお、原田さんの考えやクーポンのことは、
こちらのブログでも分かりやすく書かれていました。

マクドナルドの経営戦略がおもしろい:思考の整理日記 - アメブロ時代


さて、新聞広告の最後のページです。



キャッチは「ふたりの未来も温めたい」で、サブキャッチはなんと

“「とき」を味わうマクドナルド”


う~ん、長居していいのかなあ。

「アーキテクチャ」という言葉があります。

知らず知らずのうちに、そういう行動を取らない、
または取ってしまうような環境設計…といった意味だと思います。

「アーキテクチャの生態系」(NTT出版)の著者である
濱野智史さんのセミナーで以前知った概念です。

セミナーでは、ファーストフード店というと、
回転率を早めるために、座りにくい椅子にしたり、
BGMや冷暖房を調整するなど、長居できないように設計されている
という話もありました。

この話、興味のある方はこちらをどうぞ。

マクドナルドの椅子はなぜ固いのか:mercuryの社窓から


さて、ここまで来て、やっと今回のテーマにたどり着きました。

日本マクドナルドのビジネスは、
「低コスト志向」なのか「WTP志向」なのか?という問いです。

この新聞広告のメッセージは、どうみても「低コスト・低価格」ではなく、
「WTP」のほうです。マックの言葉で言えば「おもてなし」でしょうか。

しかし、原田本を読むと、日本マクドナルドは直営店を減らし、
フランチャイズの比率を大幅に増やしています。

「 フランチャイズ化 」と「 おもてなし(WPT) 」。

この2つを両立させる要素は何か?

ひょっとすると「 低コスト or WTP 」とは違うテンプレートで
考えなければ解けない問題なのでしょうか?

実は新年の新聞広告を見て、すぐに浮かんだのがこの疑問でした。

そして、原田本を購入したのですが、
答えらしきことはちゃんとその本に書いてありました。

…とここで力尽きます。ごめんなさい。続きは次回に。





FOR THE NEXT STAGE

2012年01月01日 | 日記
明けましておめでとうございます!

まず念頭の言葉を

 今年も家族と仲良く愛情に満ちた暮らしができますように
 しなやかで強く穏やかな心で、まわりと調和して過ごせますように

 良きつながりを持ち、持てるエネルギーを十分に発揮して、
 取り組むこと成すことを通じて、社会にオリジナルな貢献ができますよう



さて、今年このブログから何が生まれるのか? 自分でも予想がつきません

振り返ってみますと、ブログという場がなければ、
これまでのエントリーは生まれてきませんでした

頭の中でポッと面白いことが思い浮かんで、
しばらくニヤニヤして終わりです
(ブログを始めるまではそうだった)

今、自分の中で見えてきたのは、
エントリーをアップすること自体が目的ではなくて、

そのプロセスの中で「新しい自分に出会う」という意味合いが強い、
ということです。自己開発というか

読者獲得や金銭が目的であれば、

ブログのテーマを定めて、
読み手のニーズやウォンツを考えながら定期的に更新していくとか

テーマも「ソーシャルメディア」「英語学習」といった
人気のありそうなテーマを選ぶとか

いちはやく新しい情報をキュレーションしたり、
何か手間のかかる調査をして整理して提供したりとか

そういった方向性が有効かと思います

私の場合は、まずは、上述した自己開発、自己開拓のため

それ以外には、自己解放、それによるストレス解消のため
(箱庭療法みたいですが)

そして、どこかの誰かを笑わせているかもしれないという
ささやかな期待とやりがいも目的のひとつです

話は少し変わりますが、今さらながら
『ストーリーとしての競争戦略』(著:楠木 建)を
読みはじめました

それを読みながら、自分にとってのブログの効用について
あらたな発見がありましたので書き綴ってみます

まず、このブログを振り返ってみますと、
内容の枠組みや骨組みが、どんどん変化してきました

最初の頃と最近のエントリーを見比べたら、
同じブログとは思えないかもしれません

これからも固定化せず、
ダイナミックに変わり続けられるといいなと思っています

自由奔放に変化し続けるという「運動」はオリジナル性が強く、
真似がしにくいと言えます

もちろん、そのトレードオフとして、
広く受け入れられにくいということはあります

ただ、プライベートでこの「運動」を
なるべく のびのびと しておくと、
仕事にも役立つようです

「真似の難しいオリジナルな活動」をする、
そのための勘所をつかむのに大変いい練習になるからです

私の場合は、ある小さな業務で、
実際にこの「運動」の経験が生かされつつあります

最初から意図していたことではありませんが、
これは効用だったなと実感しています

自分の場合は、まだまだですし個人規模の話ですが、
例えば、会社の戦略として本格的にやれば、

どんどん変化していくことで構成要素が蓄積し複雑化していき、
やがて動きのある曼荼羅となっていく



そして、競合が同じような変化を取り入れて真似ようとしても、
自社は構成要素が加わるたびに動き方が変わっていくので
同じ動きをするのは難しい

という状態が見込めるのではないかと思います

『ストーリーとしての競争戦略』については
巷で語り尽くされているかもしれませんが、
機会があれば感想を書いてみます

今回は、なんだか大げさでエラそうな話になってしまいましたが、

最後に、個人的なビジョンとして、ひとつ思っているのは、

このブログで好き勝手に試作したり、実験をする経験を蓄積すれば、
あらためて自分が取り組むことが浮かび上がってくるだろう

ということです。

長くなりました。それでは今年もよろしくお願いいたします。


Natalie & Nat King Cole Unforgettable