N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

チョットクール

2014年10月31日 | 日記
BOP関連で、Chotukoolという製品を知りました。

JICAのウェブサイトに関連記事があります。

BOP層向けの簡易冷蔵庫「チョットクール」の開発ストーリーとVLFMプログラム

BOPというとグローバルなスケールの大きい話で、
今の自分の仕事と直接に関係しないテーマのように思っていましたが、

よく考えてみると、顧客インサイトを探るという面で示唆に富む事例です。

ここから学べること、自分の業務のヒントになることもあるなと
思い直した次第。

そういえば、『リバースイノベーション』が長らく読みかけのままでした。

続きを読んでみたいと思います。

planograms

2014年10月19日 | 日記
Harvard Business Reniew (OCT 2014) を読んでいたら、
“planograms”という言葉が。


調べてみたら、「陳列棚の棚割り計画」 という意味でした。






なるほど。

昔は、売り場担当の経験と勘で行っていた棚割りも、
データで最適解を探していくという訳です。



このウェブサイトも面白いです。

Retail Shelf Planner


おっと、忙しいのでした。

なかなかブログ書く余裕もないのですが、
こうしてアウトプットしておくと、知識として定着するというメリットはあります。

人間味

2012年08月15日 | 日記
叔父さんの通夜に出てきた。

小さい頃は怖い印象しかなかったが、
大きくなって大変お世話になり、顔を会わせる機会も多かった。

叔父さんは、平日は夜勤の仕事をし、土日はビル掃除のバイトをして、
毎日、よく働いていた。

家計は非常に厳しかったと思われるが、
家を買って、子供4人を育て上げたことは尊敬に値する。

自分は、高校生の頃から、たまに叔父さんのビル掃除のバイトを手伝うようになった。

その頃、人と接するのが苦痛になっていた自分にとって、黙々とやれる仕事は性に合った。

そのバイトは、高校、大学、そして社会人になってからも続けていたのだが、
やがて会社の仕事があまりに忙しくなり辞めた。

今でもたまにビル掃除の仕事はやりたいなと思うことがある。

お金の問題ではなく、あの作業自体が好きなのだ。

掃除は、第一土曜は銀座、第二日曜は三田、第三土曜は上野…といった具合に、
現場が決まっていた。

ただ、たまに御茶ノ水の現場を手伝うことがあって、そこに小田さんという人がいた。

掃除しながら、つばをペッペッと吐くのがクセだった。

小田さんとは、ほかの現場でも一緒になることがあり、
それなりに顔見知りではあった。

さて、大学4年のとき、自分がアフリカに数ヶ月間行くことになり、
現場でいっしょになった小田さんにその話をしたことがある。

仕事が終わり帰ろうとすると 「ほい、餞別」 と、
その日の小田さんの日当くらいの金額を渡された。

普段、それ程のつながりはないのに、この金額はもらえないと
さすがに辞退したが、

「いいから持ってきなよ。アフリカに行くってえ。そんな話を聞かされちゃなー」

と茶封筒を押し付けられ、ありがたく頂戴することにしたのだった。

それがとても深く印象に残っていて、いまだに忘れられない。


叔父さんの通夜の話に戻すと、掃除でいっしょだった
かつての仕事仲間も来るだろうなと思っていた。

受付をしながら、4~5人は来るかなと顔を思い浮かべていたが、
通夜が始まっても誰も来ない。

結局、通夜も終わりかけの時間に小田さんが現れて、
思わず声が弾んだ。

「あっ、小田さん! お久しぶりです!!」

「よっ、久しぶりだな。元気だったかい。」

とてもいい顔をしている。目が澄んでいる。

「俺はさあ、年金もらって暮らしてるよ」

「掃除は今も続けてるんですか?」

「ああ、ダメダメ。不景気でさ。8年前に辞めたよ。
今はさ、年金もらいながらタクシーの運転手してんの」

語り口といい、相変わらず 「寅さん」 みたいな人だ。

「ああ、あのさー、言っといてくんない?香典返しとか要らないからさあ」

「え」

「困るんだよー。なんか大きい物とかもらっちゃったりするとさ。使わねえから。
結構、入ってっから、気ぃ使われるとなー」

そういって香典を差し出した。

書き損じたのだろう、ぐちゃぐちゃと何かを塗りつぶした下に「小田」と名前が書いてある。

それで小田さんは、すっと会場に入って焼香を済ませたと思ったら、
あっと言う間に出てきた。飲み食いもしなかったようだ。

「車できてっからさ。仕事中なんだよ。じゃ、元気でな」

そういうと、さっと帰っていった。

香典袋の裏を見ると 50,000円 と書いてあった。


昔、掃除をしながら、どこに住んでいるかと言う話になって、

小田さんは母親といっしょに小さなアパートに住んでいると言っていたことを覚えている。
確か風呂もなかったと言っていたような…その辺の記憶は少しあいまいではある。

香典の住所を見ると、●●荘と書いてあり、
相変わらずの暮らしぶりなのではないかと察せられる。

そう言えば、叔父さんを病院にお見舞いに行ったとき、掃除時代の話になった。

叔父さんは、「掃除のときの連中も何人かきたよ。こないだは、小田がきた」
と言っていたっけ。

叔父さんは小田さんのことを言うときは昔からうれしそうに言う。

「あいつは人はいいけど、バカだからよ~」とか親しみを込めて
結構ヒドイことも言う。

お見舞いのときも、例によって「小田はさ~」と、うれしそうに言っていたのだが、
ふと「あいつは●●●●ーだからよ」と言ったのでビックリした。

ああ、そうだったのか。


会社勤めをしていると、ずるかったり、いじわるだったり、えばったり、
上を見ると尊敬できない人間が多いし、やはりそれなりに内面が顔つきに表れている。

もちろん、全員ではないけれど、ああはなりたくないなと思う人のほうが多い。

会社では日々そんな感じだが、
今日は、年をとったら小田さんみたいにありたいなと思った。


最近は、本を読んだり、セミナーに出たりして、
これからの時代の変化に思いを馳せたり、今後の自分の生き方を見直したいと
強く思うことが多いのだが、

今日は、子供みたいな目をした小田さんに久しぶりに会って、
セミナーとは、また違った刺激を受けたようだ。

叔父さんには、明日また会いにいく。いよいよお別れだ。

教科書に頼らない戦略論

2012年08月08日 | 日記
これからは「この本を読もうと思います」などと、
読み終える前には言うまいと宣言したばかりでしたが、

前回のエントリーで、早速、禁を破ってしまいました。

それだけ身についてしまった習性なのでしょうね。気を付けないと。

さて、8月7日に、こんなセミナーに参加してきました。
PRESIDENT×アカデミーヒルズ
教科書に頼らない戦略論 ~理屈じゃないから理屈が大事~



ざっと、心に残った言葉のメモをシェアします。
(表記が完璧でないところがあったらご容赦ください)

楠木さん
理屈が分かっているから、何が理屈じゃないか分かる。

経営企画部 戦略チームといった部門があるが、
得てして、こういう部門は、「ぬり絵」が好き。

戦略は絵を描くこと。ぬり絵とは違う。

ストーリーは人(=経営者)がつくる。

または、経営企画部にストーリーがつくれる人がいるのでもいい。

担当者のスキル、経営者のセンス。


広木さん
理屈(理論)を学ぶ。ここから先は理屈じゃないと言うために。

相場の運用は、
サイエンス → アート → 運

最後には、運の要素があるといっても、
準備をしないと運を十分に使いきることはできない。

「運を用いる」と書いて「運用」。


【対談】

広木さん
情報取得のスピード、内容では差がつかない。
どう解釈するかだ。

ピアノの演奏など、スキルがあれば、その結果はブレのない世界。
一方、ブレのある世界では、結論に至るロジックやプロセスを大事にする。
長い目で見れば、プロセス重視で取り組んで行くことがうまくいくこと。

インテリジェンスは、情報(インフォメーション)ではなく行動。


楠木さん
情報が多くなると一つ一つのことにあてられるアテンションが薄くなる

一日10分でも、雑誌もネットも離れたところで、自分の頭で「なぜ」ということを考えてみる。

「思考する」ということは、情報の量よりもアテンションに属すること。
情報を遮断する日常の習慣が大事なのでは。

センスとは因果理論の引き出しの多さ、経験ではないか。


感想を少しだけ。

情報量がどんどん増え、ツールも発達して、誰もがそれを得やすくなりました。

ここには落とし穴があって、

情報を集めるだけで今の時代にキャッチアップできていると満足してしまいがちです。

皆が情報を吸収することに時間と労力を使っている中で、
考えることになるべく時間を配分することで、
人とは違う考えで、人とは違うことができる可能性が出てきます。

ビジネスマンの中で、情報を遮断し熟考する人がまだ多数派でなければチャンスです。

それを習慣にすれば希少価値を発揮できる可能性があります。

どうも、がっついたような話になってしまいました。すみません。


あと、これからも情報はどんどん増える一方で、
増大する情報への対し方がまだ確立していないように思います。

さとなおさんんおツイートで「情報の断捨離」をしたというのを
目にした記憶がありますが、

そういうのは、先進的な取り組みなのだと思います。

今後、このまま情報が増えていくと、
情報肥満というか、無駄な情報でぜい肉たっぷりになってしまうことが
社会問題になったりして。

それで、体のダイエットのように情報のダイエットブームも
起こるかもしれません。

女性起業家三人衆

2012年08月03日 | 日記
政治経済勉強会に参加するのは2回目。

今回のテーマは「自分の仕事を持つという事」。

ゲストは、安藤美冬さん、白木夏子さん、堀江敦子さんという
若くして起業された3名の女性。

実は、今回、参加するかどうか迷いました。

でも、自分と異質なものに触れることで何か新しいアイデアが得られるかも
と考えて参加することに決めました。

 女性 若い 起業家

 男性 中年 企業勤め

異質かどうかはともかく、自分とはカテゴリーが違うことは確かです。 

勉強会の内容は、主催者の一人である水野さんのブログに要領よくまとめられていました。
関心のある方はこちらをどうぞ。

水野ゆうきオフィシャルブログ 自分の仕事を持つという事【政治経済勉強会】


参加してみて、やはり得るところが大いにありました。

まず、安藤さん。

相変わらず人を惹きつける話法に長けています。

以前にも、この政経会でお話を聞いたことがあるし、
記事や動画なども、いくつも見聞きしてきたので、
同じような話で、マンネリ感があるだろうなと思っていましたが、
それがなかったことに感銘を受けました。

この人、まだまだ進化を続けている。

また、白木さんと比較すると使う言葉に特長があることに気付きました。
それは、男性ビジネスマンにも響くような一種のテクニカルタームを使っていること。


次に堀江さんの「ワーク&ライフ・インターン」。

これも新しさを感じるビジネスモデルです。

いろいろ感想はありますが、今はそこまで触れる余力がないので、またの機会に。

堀江さんの会社のウェブサイトはこちらです。
sourire スリール株式会社


今回のエントリーで注目したいのは、 HASUNA というジュエリーブランドを
立ち上げた白木さんです。

ジュエリーというと、正直、男性目線では、
装飾品、なくても困らないもの、贅沢品、嗜好品…というイメージがあります。

ジュエリーで世の中をよくする、社会貢献すると聞くと、
反射的に、何かビジネス施策上のお題目のように感じてしまいます。

まあ、そう感じてしまう自分が、
日本のレガシーな企業体質になじんでしまっているとも言えるのですが。

とにかく興味深い「起業の視点」だと思ったのが、
従来のジュエリー業界が目を向けてこなかった部分に着目しているところです。

業界が時代の変化とミスマッチしてきた部分をついた
前例のないビジネスモデルであるという点で、ライフネット生命を思い出しました。

いろいろな業界において、レガシーなビジネスモデルと新しいビジネスモデルとの交替という
ドラマが生まれ始めているのだと思います。

生命保険、ジュエリー業界以外の事例にも大変興味があります。

さて、白木さんの起業への思いをネットのインタビュー記事から引用します。

…インドを2カ月かけて旅しました。

貧困の中の貧困と言われる最下層の村を30カ所以上訪問して、そのなかで、鉱山で働く人たちの
ひどい暮らしぶりを目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。

子どもたちに笑顔がない。大人たちには希望がない。

宝石や大理石など、生活を豊かにするものの裏に、
こういうことがあってはならない、と強く思いました。


Libera Fashion 人の幸せを考えてつくられた宝飾品

今回の政経勉強会でも、

労働、人権、環境など、現在、ジュエリー作りがマイナスにはたらいていることをプラスの方向に持っていきたい。
そのために目指すのは業界を変えること。

といったコメントがあり、共感できました。

続いて、 HASUNA のウェブサイトにあるブログから。

「エシカルジュエリー」というコンセプトで事業を展開している個人および団体は、
私が認識している限り存在しませんでした。

(略)

実際に著名なダイヤモンドのディーラーに
「フェアトレードでダイヤモンドを輸入したい」と相談した際首を傾げられ、
そんなものは非現実的だと一蹴された経験もあります。

どこが非現実的なのかと聞くと、宝飾業界の「常識」として、
金は金の業者から、ダイヤモンドはダイヤモンドの業者から購入する。
そしてその業者は金やダイヤモンドの仲介業者から買う、そして仲介業者は別の仲介業者から買う、
その仲介業者はまた別の仲介業者から・・・というプロセスを、
複数の国をまたいで幾度も繰り返しながら流通しているため鉱山までトラッキングすることは
まず不可能だと言われました。

たとえ上記が実現できたとしてもジュエリーとして販売するには原価が跳ね上がり
一般的なビジネスモデルでは採算が合わない。


なるほど…。 これでは取り組もうと思う宝飾メーカーはないでしょうね。

白木さんは、起業に際してミッションを徹底的に考え抜いた、とおっしゃっていました。
ウェブサイトには、こんな思いとメッセージが発信されています。

HASUNAのジュエリーは、素材調達から生産・流通までの過程が可視化されていて、
児童労働や紛争の資金源となる取引、環境破壊 などをもたらすことがありません。

愛や感謝、お祝いの気持ちを乗せるジュエリーに、曇りなき晴れやかなジュエリーを お選び下さい。


自分や自分の愛する人が身に着けるものが、弱者を踏み台にした「負の由来」を背負っているか、
関わる人がすべて幸福に…という思いを託したシステムから生み出された「祝福された出生」であるか。

この違いは大きなものであろう、と思います。

白木さんの起業については、国連フォーラムのサイトにも詳しく書かれていました。
従来のジュエリービジネスとの対比も示されています。

国連フォーラム 私の提言 ジュエリービジネスを通じた貧困問題解決への挑戦


ところで、宝石業界というと、「イミテーション」との兼ね合いはどうなのでしょうか。

技術が進化して、本物かどうか分からないほど精巧な宝石が出来るようになっていると
聞いたことがあります。

機械を使って屈折率などを判定しなければ真贋が見極められない。
そのときにジュエリーの価値って何なのでしょうか?

その問題も HASUNA の 「 エシカルジュエリー 」 というコンセプトが
楽々とクリアしているところがすばらしい。

宝石という物質と、人の思いや願いといった精神的なものとに親和性がある、結び付けられる、
という視点は自分にとって新しい知見でした。


今年は、会社の外の空気に触れて、いろいろな学びをさせてもらっていることに、
ふつふつと感謝の気持ちが湧いてきます。

最近、こうしたスタートアップの話を聞けば聞くほど、
実は自分よりも、うちの奥さんの性に合っているのではないかと思います。

今は子育てに専念していますが、子どもを産むまでは、
インターネットの初期段階から、ニッチな小商いをしてきた人だし、
恐ろしく頭が良くて、実務的な才覚がある。

ひょっとすると、自分がこうして話を聞きにアチコチ出かけたことが、
将来、奥さんの活動に少しは役立ったりして…などと思ったりします。

アチーブメント

2012年08月02日 | 日記
「お、いけねえ。あんまりやる前にしゃべっちまうと、どうもうまくないんだ。」

銀座で大学の大先輩と飲んでいたときに耳にした言葉。今から、十数年前のことです。

大先輩は探検家と称し、テレビ番組の企画などで海外に遠征したり、いろいろな仕事をされていました。

銀座にオフィスを借りて、人も雇って、それなりに羽振りもよかったように思います。

今思えば、まだまだ景気は悪くなく、いささか杜撰で、はちゃめちゃなところもある大先輩でも
なんとかやっていけた時代でした。

冒頭のセリフは、何億円だかの番組企画をこれからテレビ局に持ち込むということで、
企画書を前に「すげぇだろ~」と息巻いていたときのお言葉です。

その後、景気が落ち込んで、大先輩も会社をたたみ、身体も悪くされたようで、
様子を伝え聞く限りでは、あまり浮かばれないご様子。

それにしても、この十数年で本当に時代状況が変わったものだ。


さて、時代が変わると言えば思い出す文章があります。

大先輩と銀座で飲んだ時期よりも少し後の話になりますが、
明石散人が 「イン★ポケット」 という無料の冊子で展開していたある予測です。

小泉改革によって日本にも格差社会がもたらされる…といった内容で、
上流から決壊した流れは、下流へと土砂崩れのように連鎖し、日本社会は大変厳しい状態になると。

小泉改革の真っ最中の時期、世の中がそこまで劇的に悪くなるとは到底実感できませんでした。

当時、好んで明石さんの著作を読んでいて、
すごい人ではありますが、うさんくさいところもあると言えばあるし、
イヤ~そこまではヒドクならないでしょ…と思いながらも背筋が寒くなる感じはありました。

でも本当にそうなってしまった。

そういえば、先日の 「フラット化した世界の生き方」 という勉強会で、
佐々木俊尚さんが、「森永卓郎さんが年収300万円時代と言っていたが、今やそうなった…」
と話されていました。

『年収300万円時代を生き抜く経済学』 という本は、自分も刊行当時、すぐに読みました。

面白くは読んだものの、やはりどこかに自分は大丈夫という思いもあり、これも切実には実感しきれませんでした。

「フラット化した世界の生き方」では、割と話が今後の暗い予測に落ち着きましたが、
あるパネリストがぽつりと言ったコメントが強く印象に残っています。

 津波と同じようなものでいつか必ずくる。きたら多くの人が大変な状況になる。

 戦後、廃墟の中から立ち上がったように、今回の流れでも、日本は一度落ちるところまで落ちて
 廃墟中から立ち上がるしかないのではないか。


多少、正確ではないかもしれませんが、そのような内容だったと思います。

ともかく、「ホワイトカラーもいよいよ危ない、いつどうなるか分からない」と、
今回は自分も切実に受け止めています。



で、話は 「あんまりやる前にしゃべっちまうと…」 という、冒頭の大先輩の言葉に戻る訳ですが、

先日、こんな記事を読みました。

The Power Of The Mind: How To Train Yourself To Be More Successful

“the latest discoveries in brain science” ということで、
2011年の記事ながら脳科学の知見がいくつか紹介されていました。

その中で、“Achieve your goals by keeping your mouth shut” というトピックがあり、

何かを成し遂げる前に言明してしまうとモチベーションが落ちるという結果があるとのことでした。

This idea was popularized by Derek Sivers, a professional musician, in his presentation at TED.

あ、このプレゼンは見ていました。でも、すっかり忘れていた。

TED/デレク・シヴァーズ 「目標は人に言わずにおこう」


As he explains, psychology tests have proven that when you tell someone your goal,
and they acknowledge it, you are less likely to do the work to realize that goal.


誰かに目標を話して、それを他人に承認してもらったという意識を持つと、ヤル気が減じてしまうというのです。


This is because your brain mistakes the talking for the doing

げっ、脳が人に 「話したこと」 を 「行動したこと」 と錯覚してしまうらしい。


-that is, the gratification that the social acknowledgment
brings tricks your brain into feeling that the goal has already been accomplished.


“social acknowledgment” が欲望を満足させ、それが脳に 「目標を達成した!」 との錯覚をもたらす。


The satisfaction you experience in the telling removes the motivation to do whatever it takes to actually make it happen.

誰かにしゃべって満足したという経験が、目標達成に必要な実際の行動へのモチベーションを remove してしまう。


Heed this information and keep your goals to yourself .

“keep your goals to yourself” か。 これを訳すのは恐らく野暮なことだ。


It might just spur you to work harder to achieve an important goal.

それが大切なゴールにたどり着くために努力することを促す。


大先輩の言っていたことは正しかった。


そういえば、会社のエライ方で、

「後でしっかり確認します」

「後で必ずみなさんに報告します」

「後で調べてみんなで共有できるようにします」

などと、いつも力強く宣言する方がいるのですが、
驚いたことに、こう言明したことを、後でことごとく何もやらないのです。

非常に真面目で誠実な方で、私も親しみを感じている方ではありますが、
何かが欠落しているし、どういう精神構造なのかと不思議に思っていました。

実は、 「後で」 といった途端、この方の脳内では 「タスク完了」 にタグ付けされて、
ご本人の中では達成されてしまっているのだなと推測できます。

人のことは言えないものです。

自分もブログに 「後でこの動画を見よう」 「この本も読んでおこう」 などと書いてしまうと、
半分くらいは実現できずに終わってしまっているように思います。

他の人に宣言し、それが伝わったと思うと、そこで満足感を味わってしまうのですね。
脳内ドラッグみたいなものです。

これを防ぐにはどうしたらいいか。

やはり、やり終えたこと、達成したことだけを話す…というクセを付けることかと思います。

それも何か論を展開するうえで必然性があって持ち出すということであって、
むやみやたらに披露しないほうがいいのかもしれません。

なぜなら、次の成長のための取り組みへの推進力をそいでしまう可能性があるから。

「言わぬが花」。

この言葉の本来の解釈とは異なるかもしれませんが、

「言わないことで自分の中で花が咲く」 と考えると不言実行へのモチベーションが湧いてきます。

今日は学びの日

2012年07月27日 | 日記
珍しく、幼児があっさり寝たので、AM2時までよく眠ることができた。

田村さんの『君ワク』を読み終え、ipadで "How Will You Measure Your Life?"を読み進める。

『イノベーションのジレンマ』の Clayton M. Chiristensen の新刊だが、
当然、まだ翻訳は出ていない。

仕事と家族、すぐに成果の見えるものと見えないもの。

今日は、これについて書かれている部分にとても感銘を受けた。

In our own internal resource allocation process,
it will be incredibly tempting to invest every extra hour of time or ounce of energy
in whatever activity yields the clearest and most immediate evidence that we've achieved something.

自分のリソースの配分をどう考えるかということ。

Investing our time and energy in raising wonderful children or deepening our love with our spouse
often doesn't return clear evidence of success for many years.

What this leads us is over-investing in our careers, and under-investing in our families.

読み進めるのが楽しみだ。


それから本日は、こんなセミナーに参加する。

ソーシャル×カスタマーサービスサミット


夜は、「フラット化した世界の生き方」というセミナー参加予定。

メンバーは、佐々木俊尚さん、倉本由香利さん、石倉洋子さん、慎泰俊さん。

石倉先生や佐々木さんの著書は何冊も読んできたし、倉本さんの著書も先日読み終わったばかり。

今年は「グローバル」をテーマにして、ささやかに勉強を続けてきたので、
参加できて本当にうれしい。

その予習として、佐々木さん、倉本さん、慎さんのお話を動画で見る。

「“これまで”が崩壊する時代」よるヒル超会議

そして、このブログを書いていたら、外が明るくなってきた。もう五時か。

これから少し仮眠して、本日の学びの日に備えよう。



健さん風

2012年07月22日 | 日記

はい。じゃあ、この中で自分の生まれたときの天気を知っている人?

自分が生まれたとき晴れだったか、雨だったか、雪だったか。

知っている人、います?

実は、このCDの中に雨の音を入れてありました。

普通では聞き取れないくらい、ちぃ~さな音ですよ。

でも、無意識では、ちゃんと聞きとっているんですね。

このCDを聞いて、今日、この会に参加しようと思った人。

誕生日が雨だった可能性があります。

では、晴れだったのに参加した人。この人達はすごいですね。

この人達は…。




本田健さんのセミナーに出たら、健さんの夢を見てしまった。

夢は、もう少し続いていたのだが、書いていると幼児が起き出してしまったので、
すっ飛んでしまった。

幼児は、なぜか大泣きしていて、ひざに上に座ると、こう言った。

「エビ、怖かった」

「エビ?」

「うん、足についた」

どうやら怖い夢を見たらしい。

今までも子供が怖い夢を見て起き出すことがあったが、
言語化したのは聞いたのは、これが初めてだ。

成長を感じる。



自分の話に戻すと、夢ではないのだが、
朝、たまに、半分夢心地でアイデアが浮かぶことがある。

ただ、このアイデア、起きたとたんにスーっと逃げてしまう。

明らかに考えている脳の部分が違う。

起きて普段の意識が起動してしまうと、
それに覆い隠されて急速に消えていってしまう。

通常の意識で思い出そうとしても、そことはOSが違うので無理、という感覚。

起きた直後に薄れつつゆくアイデアをメモできるかどうかが勝負だが、

言語を使わない脳の部位で考えたことを、左脳を使って言語化するので
曲芸のような作業になる。

あるときなどは、起きてメモをとって、あー間に合ったと思ったら
まだ布団の中だった。一種の幻覚か。

田村氏×本田氏

2012年07月21日 | 日記
田村耕太郎氏×本田健氏 ジョイントイブニングセミナー
若者よ、海外に飛び出そう! 「自分の可能性を無限に広げる5つの秘訣」

というものに参加してきました。若者ではないけれど。

実はこのセミナー、朝の起き抜けに
トイレでぼーっとしながらスマホを見ていたときに知ったのですが、

『ノマドライフ』の本田直之さんと勘違いして申し込んでしまったのでした。

本田健さんの本も数冊は読んだことはあったし、まあ、いいかと思って参加しましたが、
今回、大変勉強になりました。

少しだけ紹介しますと、まず、

・いかに気に入られるか。好かれないと始まらない。

・多くの人に応援されている人が成功しやすい。

・人とつながっている人が成功しやすい時代に。



“likeability”については、このブログでも何回か触れたことがありますが、
「つながりの時代」においては基本要件なのだなと、あらためて思いました。


・好きなことを見つけて、それをライフワークにする。
 いくら一生懸命に取り組んでも、自分はこれをやるために生まれてきた
 という人にはかなわない。

・狙いどころは「好きなこと」「得意」「ライフワーク」「経験がある」「お金になる」
 という5つの要素が重なるもの。

・自分が社会に与えたものしか社会から受け取れない。
 自分が持っている最高のものを社会に提供する。


しかし、健さんファンの集まりというのは何か独特の空気感がありますね。


本田さんのお話の後は、田村耕太郎さんのお話。

田村さんのお話を聴くのは2週連続になりますが、
基本的に同じスライド、同じ内容でした。

しかし、良い話であれば、直接2回聞くのもいいものだと思います。

内容が、それだけしっかり頭に入るから。

いろいろ感想を書こうかとも思いましたが、
今は読みたい本が多くて、そちらに時間を使いたいので簡潔に。

一つは、テクノロジーによって人間の仕事が失われるという話。

その一例として挙げられていたのが「グーグルカー」と「3Dプリンター」。

「グーグルカー」はオートマチックなので、車中で電話をしたり、本を読んだりできる。
そして、事故も起きにくくなる。

もうこんなところまで進んでいるようです。
Googleの自動運転カー、ネバダ州で免許取得

この研究が進むと、タクシーの仕事がなくなってしまいますね。


それから「3Dプリンター」。

現物そのものが出てくるっていうのが凄い。

そのうち100円ショップで売っているようなプラスチック製品なら、
ネットショッピングでデーターをダウンロードして
家庭の3Dプリンターから出力する…というのが普通になるのかもしれません。

どんどん進めば、簡単な物はたいてい3Dプリンターで事足りて、
宅配便の仕事も今よりもぐっと少なくなる可能性があります。

もちろん出力するためには材料を用意しなければなりません。


最後に、個人的にツボだったのが、

水道水の水を直接飲めるのは10ヶ国しかない、
日本は恵まれている…という話から脱線して、

インドの水泳大会に参加した日本人が全員下痢、という話。