N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

文体練習18 「禁煙アイデアコンテスト」

2013年02月14日 | 文体練習
[ とある会議室。社内コンテストの選考会が行われている。]

PJリーダー:「前回の社内プロジェクトチームは…」


紙のムダ遣い!やめようよPJ


「このPJは、訳の分からない提案をしたあげく、
ムダ紙で千羽鶴を折って、ロビーに飾っただけでした…」




「今回の禁煙PJでは、“禁煙アイデアコンテスト”と題して、
社員からアイデアを募集しました。ここまでは順調です」

総務部長:「どのくらい集まったかな?」

メンバー:「3件です」

総務部長:「す、少ない!!」

PJリーダー:「では、ひとつずつ検討していきましょう」


 *  *  *  *  *



1.口を縫う



2.禁煙成功者にはお好きなタバコを1年分進呈
  (組み合わせは自由)



総務部長:「どれもダメだろ」

平田:「飛び入りですみませんが、こんなのどうでしょう…」


タバコに顔をかいて驚かせる



平田:
「うちの子を乳離れさせるときに、母親のおっぱいに顔をかいたんです。
驚いたのなんのって。ワーっと泣きましたけど、これは効果てきめんでした」


PJリーダー:「え~っと、次いきます。リストの3番ですね」


3.タバコ吸ってもよろしい


総務部長:「え、いいの?」

PJリーダー:「続きがあります」


…でも煙はくべからず。


総務部長:「一休さんかよ!」





平田:「あっ、じゃあ、会社の金をつかいこんで、ばれたときに、

タバコをたくさん吸って死んでお詫びをしようと思ったんです。

そういって、泣きながら吸うのはどうでしょうか?」


総務部長:「いったい何の話だよ!!」


窓際係長:「ちょちょ、ちょっとよろしいでしょうか?」

PJリーダー:「よろしくないです」

窓際係長:
「さきほど、2番のアイデアでタバコの組み合わせは自由、とありましたが、」

吸う人は結局、銘柄決まってるんですよ!

「組み合わせって言っても意味ないですねー」

総務部長:「だから、この案そのものが意味ないんだよ!」


 *  *  *  *  *


平田:
「部長、知ってます?」
「女子社員の間では、喫煙室はナチスのガス室って呼ばれてるんですよ」

総務部長:「へ~、そうなのか」

平田:「扉に“ガス室”って紙を貼っておけば吸う人減るんじゃないですかね?」

総務部長:「それは見栄えが悪いなあ」

平田:「じゃ、どうですかね、喫煙者全員を喫煙室に集合させて有毒ガスを流し込んでは?」

総務部長:「本当のガス室になっちゃうだろ!」

PJリーダー:「平田、お前タバコ吸わなかったっけ?」

平田:「あ、」


(了)