N試作場

ジャンルにとらわれず、新しい組み合わせ、おもしろいことを考えていきます。

勉強メモ : ディズニーを考える

2012年02月20日 | 日記
前回、『週刊ダイヤモンド』のディズニー特集について触れました。

以下は、その雑誌を利用して作った勉強メモです。


 *  *  *  *  *  *


■まずは、引用から。

 映画、音楽、テレビ番組、出版、パークアトラクション、キャラクターグッズ、ウェブサイト…。
 それぞれのコンテンツの強さもさることながら、一つのコンテンツをグループ各部門が、
 それぞれのメディアの特性を生かしながら、顧客に届けていく。
 その“タッチポイント”(顧客接点)の豊富さがディズニーの強さでもある。


「顧客接点」は“touch point”か。
この用語の定義が自分の中でまだあいまいだったので調べておく。

Marketing Pedia:タッチポイント


■次の引用。

 「ディズニーという企業から何か学ぶ」といったとき、日本では東京ディズニーリゾートを
 中心としたサービスの質やホスピタリティ(おもてなしの心)に関する話題一辺倒である。
 (略)しかし、それはディズニーのほんの一面にしかすぎないし、
 「感動を知るサービス」を知るにしても、本流をたどらなければ意味がない。


確かにそうかもしれない。本誌によれば、それを支えているのは、
その時代の最先端のテクノロジーを最大限に使いこなすイノベーティブな経営姿勢にあるという。


■人気ドラマを制作しているディズニー傘下のABCについて。

ABCドットコムのサイトでは、既に2006年から、
放映済みのドラマをウェブサイトで無料で視聴できる
「追いかけ配信」というサービスを始めていたそうだ。

しかし、これは米国のみ。


■ディズニーのコンテンツ配信について。

コンテンツの性質によって、理想的な配信パターンを模索しているとのこと。

また、最近のコンテンツ配信方法の例として、
自社のディズニー・チャンネル、YouTube上で展開する専用チャンネルが
紹介されていた。

これらも、日本では視聴できない。


■ピクサー・アニメーションスタジオについて。

休憩所の写真とともに、こんなキャプションが。

 休憩所は明るくゆったりしたスペースで、
 無料のコーヒーやコーラーが置かれている。
 挨拶が飛び交い、顔を合わせたコミュニケーションを重視する
 アニメスタジオの風土を感じさせる。


イノベーションには、各部門の気軽な雑談が役に立つと考えている。

自分の経験でも、以前、喫煙していたときは「喫煙室」が
一種のサロンになっていた。

今の時代、喫煙室もないだろうから、それに代わるものとして、
経営が“非公式ミーティング”を意図的に奨励するのも一つの方法。

無料の飲料は、その呼び水となるものだ。


■キャラクターのローカライズ

「リロ&スティッチ」を“日本風”にしたローカル版の例があげられている。

また、ローカライズしたコンテンツは、多方面に派生していく。

・DVD
・ゲームソフト
・キャラクターグッズ
・パソコン&モバイル
・漫画雑誌への掲載
・ディズニーストアでの限定販売
・東京ディズニーシーやディズニー・オン・アイスなどのイベント

このような多面的な展開をディズニー用語で
“フランチャイズ”と呼ぶそうだ。

ローカライズを進める理由は、
「将来的に消費者向けの市場は断片化が加速し、細分化していると分析」
しているからとのこと。


■受け継がれる創業者の哲学

P.50-51
ウォルト・ディズニーの「常に新しいことに取り組むDNA」について

P.56-57
ウォルト・ディズニーの「イノベーティブ精神のDNA」について

これは、今読んでいる『イノベーションのDNA』(翔泳社)に
関連があるので、スキャンして保存しておく。


■日本市場を攻略せよ!

日本における、大人の女性をターゲットにしたCS放送や
ディズニーストアなどのタッチポイントについて。

ディズニーにとって、大人の女性に受け入れられるというのは、
独特のマーケットらしい。


■日本人の自画像を投影するディズニーランドという聖地

東京大学の能登路さんが監訳された『ディズニー化する社会』に
出てくるキーワードが2つ紹介されていた。引用すると、

ハイブリッド消費
単なる消費ではなく、物語やテーマが加わり、
エンターテインメントや教育といったさまざまな要素が
絡まり合うさまを指す。

 パフォ-マティブ労働
 TDLで働いているキャストは楽しげで、ゲストもそれを見ていて楽しい。
 キャストは労働者であると同時に、演技者である。

 パフォーマティブ労働は日常にかなり入り込んでいる。
 客室乗務員やファストフードの店員など、
 接客フレーズとユニホームによって、
 いまや街中のすべてが演劇空間になってきている。

能登路雅子さんのこの記事がおもしろかったので、
『ディズニーランドという聖地』 (岩波新書)という著書を
早速注文する。


■ウォルト・ディズニー・ジャパン社長のインタビュー

長くて恐縮ですが以下、引用。

常に「ゲストの期待に超える」ことで応える--といった価値観だ。
社内では「ディズニー・ディファレンス」と呼んでいるが、
「ディズニーだからできること」を常に追求する。

だから、社員を採用するときに いちばん注目するのは、
“パッション”。

事業に対するパッション、ディズニーに対するパッションがなければ
ここでは働けない。

(略)

よく「どうやって社員をモチベートするのですか」と尋ねられるのだが、
答えは「自分自身をモチベートできるパッションを持った人を採用する」
ということに尽きる。


やはりそうだったか。
CSやESについて考える際の参考になりそう。


■最後に、本誌で紹介されていたウォルト・ディズニーの言葉を。

 私は子どものための映画を作っているのではない。
 6歳だろうが60歳だろうが、その人の持っている
 “子どもの部分”にアピールするのだ


やはりユニーク(独自)だな。


午前2時から6時半まで。

このエントリーを含め、飲まず食わずで集中して勉強していたら、
あっという間に時間が経ってしまった。

雑誌は、「ありがとうございました」と感謝の念を入れ廃棄します。