文体練習25 「セール」

[ 近所に昔からある酒屋。このたびコンビニ風に改装。ある日、店長の友人が店を訪ねてきた ]

友人　　 よお。調子はどうだ？

店長　　 おお、せっかく改装したけど、売れ行きはさっぱりだな

友人　　 おまえも大変だな

店長　　 実は、今度 セールをやってみようと思って。手書きのポップも作ってみた

友人　　 へえ。どんなの？

店長　　 まあ、見てくれ





友人　　 なんだよ “初の” って…

店長　　 だめかな。じゃあ、次はこれ





友人　　 クリアランスだろ！ 危機（クライシス）って なんだよ

店長　　 はは、どうも英語は苦手だ。 じゃあ、これはどうだ





友人　　 プロレスかよ。しかも団体混ざってるし！

店長　　 ばれたか。 じゃあ、これはどうだ。すごいぞ





友人　　 やりすぎだろ！ “廃業ファミリーセール”って意味分からないよ

店長　　 あー！！！ “ 初の ”って付けるの忘れたぁ～

友人　　 何だよ、そのこだわり！

ミニ劇場5 ドリュー・バリモア

「バリュー・ドリモエが記憶喪失みたいになる映画でさ…」

「バリュー？」

「ドリューだろ！ バリューセットかよ」

「あ、ドリュー・ドリモエか」

「ち、ちがうって。 バ・リ・モ・ア 」

文体練習24 「看板屋」

[ とある地方にまだ残っている看板屋。最近、人手不足のため外国人を雇い入れた ]

社員Ａ： 社長、看板職人が急病で入院しました

社長　： 困ったなあ…。急ぎがあるんだよなぁ

社員Ｂ： ドミニクにやらせましょう

社長　： あいつ、腕はいいんだけど、日本語が分からねぇからな

社員Ａ： 大丈夫ですよ。我々もいますし

社長　： そうか。俺は出張に行かなきゃならねえから、後はよろしくな


　* 　* 　* 　* 　*


[ 翌日、社長が出張から戻ってくる ]

社長　： おう、アレさぁ、少しは手をつけたか？

社員Ａ： ……。

社長　： どうした？

社員Ｂ： 実はドミニクのヤツが予想以上に手が早くて…

社員Ａ： 我々が指示する前に、徹夜で全部仕上げてしまったんです

社長　： なに！ まあ、いい。見せてみろ。





社長　： 「にくか くそにっく」って何だこれ？

社員Ａ： 「ないか くりにっく」ですよ

社長　： わかってるよ。あーあー、使えねえ






社長　： 「ハンバーガー」だろ！

ドミニク ： あ、それ描きかけてやめたやつ。描き直したのあるよ





社長　： だから「ハンバーガー」だろ。なんで「ショップ」も伸ばすんだよ！

ドミニク ： や、社長さんゴメン

社員Ｂ：（小声で） もういいから、向こうに行ってろ

社長　： おい、洋服の青山さんのは大丈夫だろうな。あっちをしくじるとマズイぞ







社長　： 「せめやま」になってるよー。ダメだよこりゃ

社員Ｂ： 実はあっちの紳士服店のほうも…

社長　： えっ？ あっちは英語だから大丈夫だろ？







社長　： 「アオキ」だってば！！！ 「セ・メ・キ」じゃねえよ

社員Ａ： 社長、直していると納期に間に合いません。このままいきましょう。

社長　： 出せるか！

ミニ劇場4 バトル・ロワイヤル

「あのジョン万次郎監督がさあ…」

「ジョン？」

「ほら、映画のさ、『バトル・ロワイヤル』の監督の…」

「ちがうだろ」

ミニ劇場3 蜷川実花

「“えびがわ”さんの写真っていいよね」

「エビ？」

「“えびがわみか”だよ。極彩色の写真を撮る人…」

「“にながわ”だろ！ エビちゃんかと思ったよ」

文体練習23 「占い師」

[ とあるスーパーにある占いコーナー。次の相談者は、未婚40代の女性 ]

相談者： 実は、会社の前の席に座っている男性なんですが…

占い師： ほお

相談者： 髪型を変えても気づいてもらえないんです

占い師： ふむ。あなたは、その男性に好意を寄せていると…




相談者： どうしたら私の存在をもっと意識させることができるでしょうか？

占い師： まあ、少しばかり占いから外れるお話になってしまいますが

相談者： かまいません！

占い師： あなたの変化に注目させることがポイントですな。髪型に限らず

相談者： どんなことをすれば？

占い師： そうですな。では少しお示ししましょう



　額に丸いシールを貼ってみる



相談者： 千昌男かよ！ しかも昔の




占い師： いや、大仏です





　鼻の横に丸いシールを貼って「喝采」を歌ってみる



相談者： ちあきなおみかよ！




占い師： いや、コロッケです





　鼻をセロハンテープで持ち上げてみる



相談者： 研ナオコのモノマネかよ！ 清水アキラがやる




占い師： いや、谷村新司です




相談者： あ、あの～

占い師： ぜひお試しなさい。あなたの恋は成就しますぞ

相談者： する訳ないだろ！

（了）

ミニ劇場2 ボビー大佐

「今頃だけど、ボビーのエクササイズやってるよ」

「ぼびー？」

「ボビーだよ！“ボビーズブートキャンプ”だよ」

「それはビリー！ ボビーって、ボビーオロゴンかよ」

リップス

昔、どうしようもなく辛い時期があり、
深夜、失意のままベッドの中でラジオをつけた。

そのラジオが面白くて面白くて、腹をかかえて笑い涙を流した。
「笑い」の「癒す力」を実感した体験です。

それは、「ジョビジョバ」というグループの「lips（リップス）」という番組。



特に、リーダーのマギーのトークは素晴らしかった。
タモリ的な「室内芸」の名人という感じ。

あれだけ面白いのに、ラジオ放送だけで消えてしまうのは
もったいないなと思っています。

「ジョビジョバ」も残念ながら、活動を停止してしまった。

録音が残っているので、文字に書き起こしてみようかと思ったら、
すでにやっている方がいました。

文字ではなかなか伝わらないと思いますが、
「ワールドカップ直前情報！！！」のシリーズは本当に好きで、何度も聴きました。
ジョビジョバlips　2002.5.22放送

「なかむら としすけ（中村俊介）「ごそ ちゅうざん（ゴン中山）」がツボに入りました。


あと、記憶に残っているのは、素人が芸能人になりきってしゃべるコーナー。

例えば、こんなのがありました。


　*　 * 　* 　* 　*


「今日は男らしいアノ方がゲストです」

「だれですか？」

「 お だ ゆ う じ（織田裕二）さんです！」

「オー」

「では、早速お電話つないでみましょう。織田さん？」

「おっだで～す」（ギャルっぽい女の子の声）

「え？織田さん？ずいぶんかわいらしい声ですね」

「そんなことないですよ～」

「ホントに織田さんですか？」

「織田です！」

「本物ですか？」

「織田です！」

「わかりました。そんな織田さん、
　今日はどんな男らしい晩ごはんを食べましたか？」

「イカ？」

「イ、イカだけ？」

「あと、ごはん！」

「そうかあ、イカとごはんを食べたの～」

「“食べたの～”って、織田さんに、子供に向かってしゃべっているみたいになっていますが」

「あ、あと肉！」

「そう、肉も食べたの～」


…こんな感じだったと思います。

細部は違っているかもしれませんが、一部のコーナーは、
即興で記憶を頼りに書くことができるほど覚えています。

絵物語10 ： ダンプさん

　こんな夢を見た。



　会社。会議の前らしい。



　「おい、あの３人。新入社員だって」
　「え、そうなの」



　 （ また、すごい人たちが入ったなー ）



　 「でも、ダンプさんは、まだ入社を決めかねているらしい」
　 「へー」



　 （ うちの会社にダンプ松本かぁ ）



　（ ん？ ）



　 「きちんと挨拶しろよ！あいさつは大事なんだぞっ」



　（ダンプさん、真剣に、愛情もって叱ってるなあ）

ミニ劇場1 やすきよ

「きよしやすし」がさあ…。

「やすきよ」！ 「やすしきよし」だよ。