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「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか? 経営における『アート』と『サイエンス』」山口周著 ”直観/感情/自然法”

2022-05-21 21:31:31 | 本の紹介
・英国の経済紙フィナンシャルタイムズは、2016年11月13日に掲載されて「美術大学のMBAが独創的なイノベーションを加速する」と題した記事で、いわゆる伝統的なビジネススクールへのMBA出願数が減少傾向にある一方で、アートスクールや美術大学によるエグゼクティブトレーニングに、多くのグローバル企業が幹部を送り込め始めている実態を報じています。

・先進的なグローバル企業において、MBAで学ぶような分析的でアクチュアルなスキルよりも、美術系大学院でまなぶような統合的でコンセプチュアルなスキルの重要性が高まっていることを報じています。

・こういったトレンドを大きく括れば「グローバル企業の幹部候補、つまり世界で最も難易度の高い問題の解決を担うことを期待されている人々は、これまでの論理的。理性的スキルに加えて、直観的・感情的スキルの獲得を期待され、またその期待に応えるように、各地の先鋭的教育機関もプログラムの内容を進化させている」ということになります。

・共通して指摘された回答をまとめれば次の三つとなります。
1) 論理的・理性的な情報処理スキルの限界が露呈しつつある
2) 世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある
3) システムの変化にルールの制定が追い付かない状況が発生している

・「経営における美意識」
1) 従業員や取引先の心を掴み、ワクワクさせるような「ビジョンの美意識」
2) 道徳や倫理に基づき、自分たちの行動を律するような「行動規範の美意識」
3) 自社の強みや弱みに整合する、合理的で効果的な「経営戦略の美意識」
4) 顧客を魅了するコミュニケーションプログラムやプロダクト等の「表現の美意識」

・(ウォークマンは)井深・盛田という二人の創業経営者からゴーサインが出されたわけですが、しかし、現場はこの指示に反発します。というのも、彼らは、それまでの市場調査から、顧客が求めているのは大きなスピーカーであること、そして多くの人がラジオ番組を録音して楽しむためにカセットプレイヤーを購入していることを知っていたため、「スピーカーも録音機能も持たないカセットプレイヤーなど売れるわけがない」と、まさに「論理的」かつ「理性的」に猛反発したわけです。

・「直観」はいいが、「非論理的」はダメ

・松浦静山『剣談』
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

・本書のテーマは、経営における「アート」と「サイエンス」のバランスです。

・経営というものは「アート」と「サイエンス」と「クラフト」の混ざりあったものになります。
「アート」組織の創造性を後押しし、社会の展望を直感し、ステークホルダーをワクワクさせるようなビジョンを生み出します。
「サイエンス」は、体系的な分析や評価を通じて、「アート」が生み出した予想やビジョンに、現実的な裏付けを与えます。
「クラフト」は、地に足のついて経験や知識を元に、「アート」が生み出したビジョンを現実化するための実行力を生み出してい行きます。

・グーグルに大きな収益をもたらしているYouTubeについては買収当時多額の買収費用を回収するだけのビジネスに育てられるかどうか、疑問視する声が評論家からは多数上がりました。彼らの指摘はごくごく真っ当であり、いわば「論理的であり理性的」でした。対するグーグルのコメントは「弊社のミッションは“世界中の情報を整理する”ことであり、言うまでもなく動画は情報である」というそっけないもので、収益性や事業性についての見通しはほとんどコメントされませんでした。

・アートが主導し、サイエンスとクラフトが脇を固める。

・『選択と捨象』富山和彦著(JAL再生において中心的役割を果たした経営共創基盤CRO)
つまり、「選択」したら、後は「棄てる」ということ

・昨今続発している大手企業のコンプライアンス違反や労働問題の根っこには、経営における「過度なサイエンスの重視」という問題が関わっていると考えています。
企業の統治や運営は、現状の延長線上にストレッチした数値目標を設定し、現場のお尻を叩いてひたすら馬車馬のように働かせるというスタイルに傾斜せざるを得ません。
もちろん短期間であれば、こういったスタイル、つまり根性だけを武器にして戦うというスタイルでも、ある程度の成果は出せるかもしれません。しかし成長市場であればまだしも、成熟した市場でそのようなスタイルで戦っていれば、いずれ限界が来るのは当たり前のことです。

・後出しジャンケン
システムの急激な変化に対して、法の整備が追い付かないという譲許です。このような世界において、法律で明文化されているかどうかだけを判断の基準として用いる実定法主義的な考え方は危険です。
なぜ危険からおいと、ただ単に「違法でない」という理由で、倫理を大きく踏み外してしまった場合、後出しジャンケンで違法とされてしまう可能性があるからです。
「法令不遡及の原則」
過去に遡及して法が適用されることを禁じるという原則のこと。

・「真・善・美」に則るものであるかどうかを重んじる法哲学を自然法主義と呼びます。

・好業績を継続的に上げている企業には、社是としてこのような「美意識」を掲げている企業が、少なくない。

・ジョンソン・エンド・ジョンソンの『我が信条』では、ステークホルダーを「患者や医師などの顧客」「社員」地域社会」「株主」の順に整理した上で、各ステークホルダーに対して社が担う世金と役務が明確に記載されています。
注目すべきはその優先順位です。

・エリートを犯罪から守るための「美意識」
デイビッド・マクレランドは、社会性動機を
1) 達成動機  設定したゴールを達成したいという動機
2) 親和動機  人と仲良くしたいという動機
3) パワー動機 多くの人に影響を与えたい、羨望を受けたいという動機

・「人生を評価する自分なりのモノサシを持ちなさい」

・「ある会社の常識は、他の会社の非常識」

・ソマティック・マーカー仮説
適時・適正な意思決定には理性と情動の両方が必要であるとする仮説
意思決定においてむしろ感情は積極的に取り入れられるべきだということになります。

・マインドフルネスと美意識
「過去や未来に意識を奪われることなく、いまの、ただあるがままの状態、例えば自分の身体にどんな反応が起きているか、どのような感情が沸き上がっているかなどの、この瞬間に自分の内部で起きていることに、深く注意を払うこと」

・セルフウェアネスとはつまり、自分の状況認識、自分の強みや弱み、時運の価値観や志向性など、自分の内側にあるもに気づく力のこと

・「悪とは、システムを無批判に受け入れること」

感想
美意識がもつこと。
その仕事はワクワクするかどうか。
そのビジネスは美しいかどうか。
それは顧客にとって嬉しいことなのか。

そういった視点がビジネスでも個人の行動でも需要なのでしょう。

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