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自衛隊の邦人救出、現場に難題 武器使用はどこまで  ”武力での解決は犠牲者を増やすだけ”

2015-02-21 02:41:21 | 社会
http://digital.asahi.com/articles/ASH2K0624H2JUTFK00S.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH2K0624H2JUTFK00S より

過激派組織「イスラム国」の日本人人質事件では、海外でテロや災害に巻き込まれた邦人の保護が焦点となった。安倍政権は今国会に提出する予定の安全保障法制で、自衛隊による邦人の輸送や救出のための法整備をする方針だ。折しも自衛隊は今月、海外で初めてとなる邦人の陸上輸送訓練をタイで行った。自衛隊は何をどこまですべきなのか。訓練では課題も浮かび上がった。

 タイ中部・ウタパオ。30度近い蒸し暑さの中、車5台が1列になって進む。分乗するのは、Tシャツなどの普段着姿の日本大使館員やその家族ら9人。彼らを守るように、各車両には迷彩服に身を包んだ自衛隊員計13人が乗っている。

 突然、車列が30人近い群衆に取り囲まれた。

 「ピック・ミー・アップ!(僕たちも連れて行ってくれ)」。口々に叫び、プラカードを掲げて車に近づいてくる。隊員らには知らされていないシナリオだ。先頭の車がクラクションを鳴らして速度を落とし、群衆をかき分けて進んだ。

 自衛隊が海外で民間の邦人を飛行機や船だけでなく、車両で陸上輸送することが、2013年のアルジェリア人質事件を受けた自衛隊法改正で可能になった。米国も参加した東南アジア最大級の軍事訓練「コブラゴールド」で15日、法改正後、海外での初めての訓練が行われた。訓練は震度7の地震が起きて都市機能がまひし、混乱に乗じて反政府デモが起きたという想定だ。

 ただ、群衆に囲まれるなどのトラブルで、自衛隊に何ができるのか。陸上自衛隊の担当者によれば「迂回(うかい)する。話して説得する。クラクションを鳴らして通り過ぎる」ことだという。武器使用は、相手が攻撃してきた場合に自分たちを守る「正当防衛」だけ。群衆に囲まれただけで銃を構えたり、撃ったりすることはできない。群衆の中に武器を持っている人がいたら……。担当者は「それは想定していない」と言った。

 海外の治安が悪化した地域で、群衆の中に武器を持った人がいないと言い切れるだろうか。安倍政権はそうした事態を想定し、安保法制で、邦人を運ぶために武器を使って道をあけるなど「任務遂行」のための武器使用を認める検討をしている。だが、その場合、様々な問題が出てくる。

 自衛隊の警察権による武器使用には厳格な「比例原則」がある。こん棒にはこん棒、小銃には小銃といった具合に、相手に応じた範囲でのみ認められる。だが、群衆に銃を見せるのか、威嚇射撃をするか、相手に向けて撃つのか。現場の隊員らはとっさに難しい判断を迫られる。事態に応じた武器使用の基準作りも簡単ではない。

 また、自衛隊が武器を使う範囲を広げれば、それだけ相手が応戦するおそれが高まる。自衛隊が戦闘に巻き込まれるなど、任務の危険性が増す可能性がある。


人質事件なら「救出ほぼ不可能」

 安倍政権は安保法制で「邦人輸送」をさらに進め、「邦人救出」を可能にする検討もしている。だが、自衛隊の「能力」は十分だろうか。

 安倍晋三首相は「イスラム国」による日本人人質事件の際に、邦人救出のための法改正の意義を語った。だが、「イスラム国」のような過激派組織に拉致された場合、拘束場所の特定さえ困難な場合も多い。陸自幹部は「その場合の救出はほぼ不可能。人質1人を救うのに何人の自衛隊員が死ぬかわからない」と断ずる。実際、訓練された米軍の特殊部隊さえ、「イスラム国」からの人質救出には失敗している。

 政府が検討するのは、「アラブの春」での北アフリカ諸国のように動乱状態になった地域からの救出、車両で陸上移動中に武装勢力に一時拉致された際の奪還などだ。自衛隊がどこまで取り組むかが、現在行われている与党協議でも焦点となる。ただ、これらのケースも「イスラム国」ほどではなくとも、武器を使って邦人を奪い返す任務だけに、「輸送」に比べ危険性は格段に高い。

 自衛隊が動くための前提条件が現実的か、という問題も残る。ある大使経験者は「国内にいる人を守るのは、まずは当該国の警察や軍隊の責務だ」と話す。受け入れ国が自衛隊派遣に同意するケースは考えにくいという指摘だ。自国で起きた事件の解決を外国に頼るのは体面に関わるからだ。

 さらに、別の法的な問題もある。現地で自衛隊員があやまって民間人を殺傷した場合、今のところ隊員を裁く日本の法律はない。

 90年代、カンボジアPKO(国連平和維持活動)要員の自衛隊員が交通事故で民間人を死なせてしまったが、懲戒処分にとどまった。邦人輸送・救出で武器を使えば、「ミス」が起きない保証はない。(ウタパオ=三輪さち子)

感想;
海外で邦人救出する場合、拘束側は武器を持っている。どうしても武力の戦いになってしまうリスクが高い。
犠牲者が出ると必ず、それに対する怒りだけでなく、仕返しをとの声が上がります。
アウシュビッツ強制収容所の壁に”蝶”の絵が描かれています。
アウシュビッツ強制収容所に収容された人が、ガイドをされていたことがあったそうです。
その方が、見学者に、「”憎しみの連鎖”はどこかで断ち切らないと悲劇は続きます。
私たちがそれを断ち切らないといけません
」と語られていました。