ポーランドからの報告

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ポズナニ旅行記 I

2006年11月08日 | 観光ガイド

間があいてしまいましたが、ポズナニ旅行記続きです。

まずは旧市街広場、リネクから。

   

   

内部はポズナニ市の歴史博物館となっています。

   

   

こちらは文化科学宮殿。


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クラクフ空港へのアクセス

2006年11月06日 | 観光ガイド

クラクフのバリツェ(Balice)空港、別名ヨハネ・パウロ二世空港へは、これまではMPKバスの192番か208番でのアクセスでしたが、どちらも本数が少ないうえに、いつも車内が混んでいて、旅行者には非常に不便でした。

そんな旅行者の皆様へ朗報です。今年の6月から、ポーランド国営鉄道(PKP)のクラクフ空港行き電車が就航しました。この電車はクラクフ中央駅とクラクフ空港を最短20分で結んでいて、料金は4zl=160円、切符は車内で車掌から買うことができます。

   
   

開通当初こそ、まだ旅行客への知名度がそれほど高くなかったものの、だんだんと各国のガイドブックでも取り上げられるようになり、利用者が軒並み増えています。バスに比べ、この電車の方が時間に正確ですし、明け方から夜遅くまで、ほぼ30分に1本あり、混んでいる時間帯でも、座れないほどではありません。


ところで、クラクフにくる観光客が、この電車の車内から最初にみる光景が、これ↓....

   

さてこれは何でしょう? 答えは...巨大なゴミ捨て場です。

空港駅からクラクフ中央駅に行く途中に、鉄くずだの電化製品だの車のスクラップだのが捨ててある、巨大な屋外ゴミ捨て場があるんです。

「中世から残る美しい旧市街の街・クラクフ」を売り物にして観光客を呼び混んでいるクラクフ市ですが、観光客が最初にみる光景がこれでは... ディズニーランドに行くのに、シンデレラ城を見る前に、バックステージを見てしまったようなものですよね...

クラクフ空港へは仕事で割と頻繁に出かけるのですが、いつも電車がこのゴミ捨て場の前を通る度に、外国人観光客から「わぉ~!!(さすが東欧!という意味)」の歓声があがります。クラクフ在住者の私としては、いつもとても恥ずかしい思いをするところです。

何はともあれ、非常に便利ですので、クラクフ空港へは、ぜひこの電車の利用をお勧めします!


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EURO ブランドの威力

2006年11月05日 | 日常生活

長いこと社会主義体制下にあったポーランドでは、ブランド品に対する好みは、日本人ほどうるさくありません。

それでも最近は、ブランド製品がだいぶ市民権を得てきました。街をゆく女性はヴィトンやシャネルを持っていますし、ちょっとした日常品レベルでも、スポーツ用品ならアディダスやナイキ、化粧品なら Nivea や Avon、紅茶ならリプトンと、有名会社の製品は、マーク製品(Produkt Markowy)といって、一般製品と区別して認識されています。

そんなポーランドですが、目下最強の"ブランド"ともいうべきものがあります。それは、EURO-エウロ です。EUROとはヨーロッパを意味する接頭語ですが、2004年5月のポーランドのEU加盟と前後して、エウロ電気、エウロ銀行、エウロバス、エウロタクシー、とにかくありとあらゆる分野で、エウロの接頭語がついた会社や商品が、巷にあふれるようになって来ました。

   

例えば写真のEUROバー。バーとは、ハンバーガーやポテトなどの軽食を売っている店のことですが、EUROバーという名前なのだから、EU通貨のユーロ(EURO)で買い物ができるのかと思いきや(社会主義下のドルショップのように)、普通に、ポーランド通貨のズローチ(zł)でしか買えません。どうやら、単にオーナーが、EUROバーという名前にしたかっただけらしいです!

どういうことかというと、今ポーランドでは、EUROとつけば、なんかかっこいいんです。

長いこと社会主義・ソ連経済の支配下にあったポーランドでは、EU加盟以来、「我々は社会主義の悪夢を見ていたけれど、ついにヨーロッパに復帰したのだ!」との喜びが大きく、エウロ=いいものというイメージがあります。とにかく、エウロと名が付くだけで売れるものだから、その経済効果たるや、莫大なもので、猫も杓子も、ありとあらゆるものに EURO の名前がついています。もちろん、みな別個の会社、別個の製品です。

最強なのは、街で見かけるEUROキオスク!もちろん普通のキオスクです。ズローチ(zł)しか使えません。キオスクといえば、社会主義の申し子のような存在でしたが、今やそのキオスクまで、EURO の接頭辞で飾られる時代になりました。


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ポーランドの 『黄金の秋』

2006年11月04日 | 日常生活

先週の土曜日でサマータイムも終わり、いよいよ秋の色が深まってきました。

ポーランドの秋は、ズウォーティ・イェシェニ(złoty jesień)黄金の秋 と呼ばれ、一年で最も美しい季節と言われています。この時期、あたり一面の木々という木々が、見渡す限り黄金色に染まります。

まさに『黄金の秋』の名にふさわしい、とても美しい光景です。

   
   

クラクフ周辺で、この『黄金の秋』が楽しめるスポットをいくつかご紹介します。

まず、旧市街西にあるブウォーニア(Błonia)と呼ばれる三角形の広場へ行って見ましょう。このブウォーニアは、屋外ミサや集会などで使われる広場で、ブウォーニアに沿って続く黄金の並木道は、散歩コースとして一押しです。

そしてブウォーニアの終わるところに、ぽつんと一山出ているのが、コシチューシコの山。タデシュ・コシチューシコの蜂起を記念してくつられた、人工の山です。このコシチューシコの山の周辺は、ヴォルスキの森(Las Wolski)と呼ばれ、手付かずの自然が残る場所です。

さらに遠方には、クラクフ動物園 があります。

   

ここのメインはもちろん動物ですが(笑)、紅葉を楽しむにも、持って来いのスポットです。徒歩では遠すぎますので、サイクリングで行くか、あるいは134番のZOO 行きバスを利用すると便利です。


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三人部屋に泊まる

2006年11月03日 | ホテル

旅を安く上げるこつのひとつに、三人部屋を利用するという手があります。

ポーランドには、三人部屋があるホテルが数多くあります。この場合の三人部屋とは、二人用ベッド+エキストラベッドの部屋ではなく、ちゃんと三つ同じ大きさのベッドが入った部屋のことです。

三人で旅行する場合、三人部屋を使えば当然一人当たりの宿代が安くなりますし、三人部屋は占有面積が広いことが多いので、ゆったりとした広い部屋で快適に過ごすことができます。

   

クラクフで三人部屋があるホテルは、フロリアンスカ門そばの ホテル・ポルスキ、駅前の ホテル・ポローニア などが有名です。中でもホテル・ポルスキ(写真)は、ダヴィンチの油絵があるチャルトリスキ美術館で有名な、チャルトリスキのお屋敷を改造して造られたホテルです。百年以上の伝統があり、ロケーションも抜群のことから、とても人気のホテルです。

   

一方ワルシャワでは、 ホテル・マリア などが利用しやすいかと思います。ワルシャワ・ゲットー跡周辺に近く、旧市街へも徒歩圏内です。ぜひお勧めします。


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Galeria Krakowska オープン

2006年11月02日 | レストラン・ショップ

先々月の28日、クラクフ中央駅前に、巨大なショッピングセンター、ガレリア・クラコフスカ(Galeria Krakowska)がオープンしました。

このガレリアは、旧市街に隣接した場所にありますが、地上2階(駐車場を含めると4階)・地下1階と建物が低いため、旧市街側からはほとんど見えません。モダンな外観で、かつ旧市街の景観を壊すことなく、クラクフの新らしい顔として、市民の間にすっかり定着しています。

内部には各種専門店やブティック、カフェ、レストランなどが入っており、東欧最大規模を誇る大きさとのことです。しかもクラクフ中央駅の地下ホーム・コンコースからそのまま店内に入れるため、雨の日でも濡れずに移動でき、大変便利です。

というわけで、先日私も、遅ればせながら、このガレリア・クラコフスカに行ってきました。

    
  
  

すでにオープンから一ヶ月が経過していましたが、あいかわらずの人気で、沢山の人が来店していました。これまでクラクフには、カジミエジュ地区のはずれに、ガレリア・カジミエジュ(Galeria Kazimierz)がありましたが、このガレリア・クラコフスカのオープンで、一気にこちらにお客を取られてしまいそうな勢いでした。

ただこれまでに、問題はいろいろあったようです。

・オープン日が当初より延期 (これくらいではおどろきません。)
・オープン日が平日になってしまったため、オープンセールに来る人の車の列が仕事帰りの通勤ラッシュと重なり、周辺の交通が麻痺してしまった(というより、平日なのにそんなに大勢の人が買出しにいけたのが不思議。高失業率のなせる業なのか?)
・テレビやパソコンなど大型家電の大安売りを歌うも、実際にレシートを見てみたら10%高くとられていたらしい?(うわさのため、真偽は不明)

などなど。

それよりも、実際に訪れてみて、またまたポーランドの建築基準に?が付いた一日でした。

写真のエスカレーターを見てください。3階分の吹き抜けの空間にエスカレーターが設置されています。スタニスワフ・レムの『星からの帰還』で描かれている未来都市みたいで、とてもハイセンスで近未来的に見えますが...

でもよーく見てください。両側に落下防止のガードがまったくありません。(通常の手すりしかない)  もし誤って手すりを乗り越えてしまったら? 3階分の高さから下へまっ逆さまです!

若者がエスカレーターの上で悪ふざけしたら?子供が暴れだしたら?
酒に酔った千鳥足の人が利用したら?!?!

えっ~!!大丈夫なんでしょうか?

このエスカレーター、実際に乗ってみても、かなり怖かったです。
今に落下事故がおきてしまうのでは!と、足が震えました。。。


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ポーランドの交通事故事情

2006年11月01日 | 一般

11月1日はカトリックの万聖節で、ポーランドでも他のヨーロッパの国同様、今日は祝日です。

万聖節の日、敬虔なカトリックのポーランド人は、キャンドルとお花を手に先祖のお墓参りに行きます。一年に一度の大切な日です。そのため毎年ポーランド各地で里帰りの車の大渋滞がおき、あちこちで交通事故の犠牲者がでる悲しい日でもあります。

万聖節の日に限らず、クリスマス休暇やイースター休暇など、連休で里帰りラッシュとなる時は、いつも必ず数十人単位の交通事故犠牲者がでます。そんなわけで、連休が近づいてくると、また交通事故のニュースを聞くのかと、悲しくなります。


そんなポーランドの交通事故事情ですが、日本に比べて非常に悪いといえます。例えば2002年度の交通事故死亡者は5827人でした。 ポーランドの人口は日本の1/3ですので、いかにこの数字が大きいものかがわかると思います。

交通事故が多発する理由として、ドライバーの運転マナーが悪いこと、交通ルールがあまり守られていないこと、土地が平坦なのでスピードが出やすいこと等があります。またポーランドの所得水準がまだまだ低いため、中古車を購入する人が多く、事故を招きやすいというのもあります。現に、日本だったら絶対に車検を通らないような車(ブレーキが利かない等)が、普通に走っていて、びっくりすることも一度や二度ではありません。


とりわけ、対向車線からの追い越し、ポーランドでは普通に行われていることなのですが、これが非常に危険です。いつもこっちでタクシーやバスなどの助手席に乗っていて、ドライバーが対向車線へとハンドルを切る度に、危険だからやめてもらいたいと内心思うのですが、ドライバー本人は一向に気にしている様子がありません。

ポーランドでは、片側一車線ずつ、合計二車線の道路でも、対向車線に出ての追い越しが、合法的に認められている区間があります。とくに農村部などでは、農業用トラクターや積荷を積んだ馬車などが、乗用車に混じって国道や県道を走っており、確かにこれを絶対に追い越さないと、そこから渋滞になってしまう、という状況が間々生じます。そういう場合に、片側が一車線しかないので、対向車線からの追い越しが可能なのです。

しかしこれは鉄道で言えば、複線区間の逆行のようなもので、追い越そうと対向車線に出たとき、向かいから対向車がきたら、正面衝突するわけです。信号で管理されてる鉄道と違って、車の運転の場合、タイミングを誤って対向車線にでて、そこへ対向車が来てしまったら、一環の終わりです。当然、もっとも交通事故が多発するケースとなります。


その悲劇の最たる例が、今から約一年前におきた、アテネオリンピック・女子競泳の金メダリストで、国民的スターだった、オティリア・イェンジェイチャク選手 が起こした交通事故です。

オティリアは、弟さんを助手席に乗せて運転中、追い越しをかけようと対向車線に出たところ、対向車が来てしまい、対向車を避けようとハンドルを左に(沿道方向に)切って、沿道の木に激突しました。 この事故で、オティリアは幸い命に別状はありませんでしたが、助手席の弟さんが亡くなってしまいました。この日は弟さんの19歳の誕生日で、二人は弟さんの誕生日パーティのために、実家に向かうところだったんです。

この事故では、オティリアの無謀運転の責任を問う声が多く、アテネで金メダルをとり、国民的スターとしてCMクイーンだったオティリアも、この一件以来、すっかりCMから姿を消してしまいました。特に弟さんの無念さに同情する声が後を絶たず、全ポーランドが涙した事件でした。公共広告機構(AC)でも、この悲劇を受けて、交通事故防止キャンペーンCMを、新たに数多く製作しました。


それでも交通事故は減らず.....
今日も新たな悲劇のニュースが報道されています。


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