ポーランドからの報告

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ポーランド人はレモンティー派

2006年11月28日 | 雑学

ポーランド人は、とてもよくお茶を飲む民族です。
なんでも、年間の紅茶消費量は、イギリスに匹敵するほどとか。

ポーランドでは、紅茶といえば、レモンティー。カフェで紅茶を注文したり、ご家庭にお邪魔してお茶をいただいたりする際、出された紅茶には、半ば自動的にレモンが付いてきます。お決まりのフレーズ、「レモンにしますか?それとも、ミルクにしますか?」 は、ポーランドでは通常聞かれることはありません。

というのは、ポーランドでは、ミルクティーは、子供の飲み物と考えられているからです。ですので、大人になったらもう飲まないし、お客様にも出しません。当然のことながら、カフェでも注文できません。(そもそもメニューにすらありません。)

奇遇なことに、そのミルクティーの本場、イギリスには、労働移民として、現在約100万人のポーランド人が住んでいます。イギリスでは、紅茶といったらミルクティーですが、イギリスのポーランド人は、やはりミルクティーの本場にいても、断固レモンティーなんでしょうか?それとも、イギリス紳士風に、ミルクティーをたしんでいるのかな?

   

ポーランド人の常套文句の一つに、「イギリスやドイツは、ポーランドと文化が違いすぎる」というのがあります。西欧・東欧の違いを言っているのかというと、そうでもなくて、「ロシアやウクライナは、ポーランドと文化が違いすぎる」という風に、同じスラブ人東欧国家の中でも、違いを強調したがります。いつもそれを聞くたびに、「そんなことを言ったら、日本なんてどんななのよ!」と激しい突っ込みを入れたくなる私だったのですが... だって世界的に見たら、文字や宗派の違いこそあれ、イギリスもドイツもポーランドもロシアも、白人・キリスト教・ヨーロッパ文化圏という風に、大まかに一括りにできるわけですから。

でも、日常の生活習慣のちょっとした違いや、些細なことほど、違いというのは受け入れがたい、ということなのかな、と最近思うようになりました。例えば、紅茶一つとっても、レモンティー派のポーランド人に、ミルクティー派のイギリス人。しかもポーランドで子供の飲み物であるミルクティーを、イギリスでは着飾った英国紳士や貴婦人が、高級カフェで飲んでいる- ポーランド人にとっては、これは多分カルチャーショックなのでしょうね。(日本でいったら、お雑煮の味がすまし味の関東人と味噌味の関西人が、結婚してからもめるとか。) またロシアの一般家庭では、サモバルという大きな3リットルくらいの容器に、紅茶を作り置きして、そこから飲むのですが、ポーランド人は、それを見てやはりカルチャーショックを受けるようです。(ポーランドでも昔はそうしていたみたいなんですが。)

イギリスのポーランド人が、イギリスにレモンティーを、イギリス帰りのポーランド人が、ポーランドのカフェのメニューに、(大人の飲み物としての)ミルクティーを、いつのまにか流行させたら、とても面白いですね!


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