ポーランドからの報告

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ポーランドにやってきた新たな移民

2007年04月17日 | 政治・経済

すっかり夏になってしまったポーランドです。オープンカフェに座って、のんびりと粋なひと時を過ごして.. なんていかにもヨーロッパのバカンスといった感じでとても素敵ですが、、実は厄介な問題もあったりします。

何かというと、、、例えばクラクフ中央広場のオープンカフェでお茶を飲んでいると、10分もするとジプシーの一群がやってきて、アコーディオンで演奏を始めたり、カードやお花を買ってくれとせがみ始めるのです。お金を上げない限り頑として動こうとせず、逆にお金を払ってしまうと、次から次へと新しいグループを連鎖的に呼ぶことになり、きりがありません。お金をあげても額が少ないと、はたかれることもあります。特にヨーロッパ人観光客だらけの中で、日本人客は目立つので、すぐにつかまってしまいます。

  

ポーランドも国内にジプシー人口を抱えており、ジプシーによるこういった迷惑行為は、以前から問題になっていましたが、クラクフ市警察によれば、重ねて今年1月にルーマニア・ブルガリアの二国が欧州連合(EU)に新規加盟してから、これらの迷惑行為が目立って増えたと報告されています。

実はルーマニアはその人口の約10~20人に1人がジプシーです。これが非常に厄介な問題で、EU加盟国内ではビザなしで自由な移動が可能なため、ルーマニアのEU加盟以降、ルーマニア国籍のジプシーが、西側からの観光客が多く容易にお金が稼げるポーランドやチェコなどに大量に流出しているのだそうです。当初、言語習得の容易さなどから、EU加盟後、ルーマニア人は、イタリア、フランス、スペインに、ブルガリア人はスロベニアやギリシャに流れるものと予想されていましたが(実際にこれらの国では新規の移民が目立って増加しました)、しかしよく考えてみれば、アコーディオンやバイオリンを弾いてお金をもらうジプシーにしてみれば、現地言語習得の必要はないわけで、これら二国のEU新規加盟以来、ポーランドでも、とりわけルーマニア国籍のジプシーが流入したことに起因すると思われる迷惑行為が、急増しているそうです。

もちろん道端で音楽を奏でたり、花やマスコットを売りつけたりしてお金を取る行為は違法労働にあたるため、警察の取り締まりの対象になりますが、今のところ、パトロールを強化するぐらいしか対策はないそうです。というわけで、あまりにも迷惑行為に遭遇することが多かったら、オープンカフェなど人目につく場所は避けて、店内でゆっくり休むのも得策かもしれません。

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