ポーランドからの報告

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ヨハネ・パウロ二世逝去から二年

2007年04月02日 | ヨハネ・パウロ2世

ヨハネ・パウロ二世逝去から今日で丸二年を迎えました。

二年前の法王の逝去では、多くのポーランド国民が深い悲しみに包まれました。とりわけ印象的だったのは、信心深い中高年世代だけでなく、若い世代の人にも、涙を流し悲しむ姿が多数みられたことです。考えてみれば、ヨハネ・パウロ2世の在位期間は26年と長く、 それゆえ若い世代は、ヨハネ・パウロ2世以外の法王を知らずに育っています。 これまで教会や学校で教わり、空気の様にその存在を当たり前のように感じていた法王との突然の別れ、まさに文字通り「ヨハネ・パウロ2世のいない世界なんて考えられない」とのショックが大きかったようです。テレビのインタビューでも、「大切な家族を失った」と悲しむ声が多く聞かれました。

  

二回忌の今日は、サン・ピエトロ大聖堂地下の墓所にてスタニスワフ・ジーヴィシュ枢機卿・クラクフ大司教によるミサが行われたほか、午後からは、サン・ピエトロ大聖堂広場にて、ベネディクト16世による盛大な追悼ミサが行われました。ポーランド国営放送(TVP)でも特別の番組編成になり、アナウンサーも黒服に白リボンをつけて報道していました。

ところでテレビのニュースによると、最近行ったアンケートで、回答者の93%が、「我々の法王」という言葉で、(現在のベネディクト16世ではなく)、ヨハネ・パウロ二世を思い浮かべる、という結果がでたそうです。また別のアンケートでは、回答者の73%が「ヨハネ・パウロ2世世代-Pokolenie JPII, Pokolenie JP2に属していると感じる」との報告がありました。

最近のポーランドでは、ワルシャワ大司教の辞任をはじめとするカトリック教会に関するスキャンダルが相次ぎ、カトリック離れ・教会離れが加速しています。ただポーランドでは、伝統的にカトリック教会や、イエス・キリスト、ヨハネ・パウロ二世等のことを悪くいうのは、「教養がない」、「育ちが知れる」と見る向きがあり、表立っては批判はされない傾向にあります。なので上の数字(93%・73%)は一概に鵜呑みにはできないのですが、それでもいまだに多くのポーランド人が、ヨハネ・パウロ二世のことを敬い慕っていることがうかがい知れます。


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