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ポーランドからの報告

政治、経済からテレビのネタまで、詳細現地レポをお届けしています!

これすべて違法駐車?

2007年02月06日 | 日常生活

クラクフ旧市街でとりわけ目に付くのが、あちらこちらの路上駐車です。どの通りを見渡しても必ず片側か両側に路上駐車の車列があり、ひどいときは車両の通行もままならない程です。「ポーランドでは違法駐車は取り締まっていないの?」と日本から来る友人によく尋ねられるのですが..

実はこれ、ほとんどが違法路上駐車ではなくて、正規の駐車なのです。というのもヨーロッパの旧市街は中世の時代に建設されたために、そもそも車の駐車など想定に入れられていません。それゆえ車社会の現代、駐車場の不足が深刻な問題となっており、その解決策として、旧市街に住んでいる人は自分のアパート前の路上に駐車してよいことになっているのです。というわけで駐車OKなのは、市の交通局にあらかじめ登録してある車両だけで、それ以外の車両はやはり違法駐車として厳しく罰せられます。レンタカーを借りて市街地をドライブされる旅行者の方、みんな路上駐車しているから大丈夫、などと気軽な気持ちで路上駐車すると、自分だけ捕まってしまうかもしれませんので、ご注意を!

  

ちなみにクラクフで路上駐車が特にひどいのが、カジミエジュ地区です。もともとあまり広くない路地に住宅が密集してるため路上駐車がひときわ多く、また昨年からそれを考慮してかほぼすべての道路が一方通行になったために、もう迷路状態です。さらには練習中の自動車教習車も沢山走っていて、中世からの由緒ある観光名所のはずが、ひどいときはただの屋外自動車教習場と成り果てています。(運転免許の技能試験が、運転免許センターから40分の自由走行なのですが、その範囲にカジミエジュ地区が入るため、練習中の教習車がうようよ。詳しくは 「ポーランドで運転免許をとる」 編をご覧ください。)


ポーランドからの報告


ベスキドの雫(しずく)

2007年01月31日 | 日常生活

ポーランドでは、やはり生水の飲用は控えた方が良いとされています。ですがその分、ミネラルウォーターが至る所で売られていますので、それほど不自由しません。旅行者の方も、気軽に買ってみましょう。値段は、キオスクや普通の小売店などで買うと、500mlで約2zl前後=80円前後です。ポーランド語で水は Woda ヴォダですが、英語でウォーターといっても、響きが似ているので通じると思います。

ミネラルウィーターは世界的には Evian などが有名ですが、ポーランドでは、ポーランド産のものがシェアのほとんどを占めています。数社からいろいろなブランドが出ていますが、今日はその中で私がいつも愛飲している Kropla Beskidu ベスキドの雫(しずく) をご紹介します。

   

ベスキド(Beskid)とは、ポーランド南東部のベスキディ山脈(Beskidy)のことです。このベスキディ山脈は、ザコパネで知られるタトラ山脈とならび、2000メートル級の山々が連なって隣国スロヴァキアとの国境をなしており、また山麓から湧き出る天然水は、ポーランドの貴重な水源となっています。そしてなによりもタトラ山脈やベスキディ山脈とは、ポーランド人がノスタルジーを感じる場所なのです。(日本人の富士山に匹敵する、といったら少しオーバーかもしれませんが、平らな国ポーランドでは、山への憧れがとても強いためです。)そのベスキディ山脈から湧き出た新鮮な水のしずく、いわばポーランド版「南アルプスの天然水」といった感じでしょうか?「なんとも粋なネーミングだな」と思っていたら、発売元はコカコーラ・ポーランド社と判明。「さすが業界大手は消費者の心を捉えるのがうまいな」とあらためて感心してしまいました。

左の青いボトルが、ガス入り水(gazowana)、右の透明のボトルが、ガスなし水(niegazowana)です。私はいつもガスなし水を愛飲しています。ガス入り水は、夏の暑いときにキンキンに冷えているものを飲むと美味しいのですが、ぬるくなってしまうとちょっと飲みにくくなるので、ガスなし水がお勧めです。


ポーランドからの報告


ご注意ください

2007年01月29日 | 日常生活

今日の夕方のニュースでやっていたのですが、クラクフ中央駅の治安が今後やや悪くなる可能性ありとのことですので、旅行者の方はお気をつけください。

なんでもクラクフ中央駅では今駅構内の工事をしていて、それにともない、今まであった警察の駅派出所が一時的になくなるそうです。そのため通報してから警察が通報地点まで到着するのにかかる時間が、いままでは10分以内だったのが、30分以上かかることが予想されるそうです。警察の方でも、駅職員の間でも、治安の悪化を懸念しているそうですが、今のところ解決策はないそうです。。

   

駅舎には浮浪者やホームレス、物乞いなどさまざまな人がいますので、十分気をつけてください。駅舎は遅くまで開いている上、人通りも多いので、こういった人達にとって、寒さをしのげる上に施しまで期待できる最適の場所なのです。

夜行列車や夜行バスを利用される予定の方は、なるべく駅舎内ではなく、隣接する ガレリア・クラコフスカ のカフェなどに入るか、中央広場付近のネットカフェなどで時間をつぶすのがよいと思います。


ポーランドからの報告


ついに雪景色

2007年01月24日 | 日常生活

暖冬の今年のヨーロッパですが、それでも昨日、ついに初雪が降りました。
今日は朝から一面雪景色です。

木の葉が落ち日照量が激減する冬は、どうしても殺風景になりがち。そこへ雪が降ると、とたんに美しいヨーロッパの街並みに早変りするのだから、なんとも不思議です。「雪化粧」とはよく言ったものです。暖房代がかからず、暖冬は大いに歓迎でしたが、やはりきれいな雪景色あってこそのポーランドの冬。やっと本来の冬が戻ってきました。

しばらくは雪模様のお天気が続きそうです。

   


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ヤドリギを飾るクリスマス

2006年12月22日 | 日常生活

ポーランドは千年来、カトリックを国教とする国で、国民の90%以上が敬虔なカトリック教徒です。クリスマスの12月24・25・26は国の祝日となり、国民全体でクリスマスを祝います。

ポーランドでは、昔からの伝統として、クリスマスにヤドリギを飾る習慣があります。ヤドリギはケヤキ、ブナ、ミズナラなどに寄生する木で、その生命力の高さから家族の繁栄を願って飾るのだそうです。(もちろんクリスマスツリーも飾ります。大きなもみの木に飾り付けをし、その下にプレゼントをおいてきます。ツリーは通常クリスマスが過ぎても1月半ばくらいまで飾っておきます。)

   

ポーランドのクリスマスも、他のヨーロッパの国同様、家族で過ごすクリスマスです。若いカップルも、恋人同士ではなく、それぞれの家族と、一家団欒のひと時を過ごします。(とはいっても婚約している場合は、相手の家族の家に招待されることもあるようです。)

それが故、この時期にいつもテレビで取り上げられるのが、帰省ラッシュの話題です。 「ポーランド人はどこにでもいる」 という云い回しがあるくらい、ヨーロッパを中心にいまや世界中に散らばっているポーランド人ですが、とりわけ2004年5月のEU加盟以降は、その傾向にさらに拍車がかかり、イギリス、アイルランド、スウェーデン、イタリアなどに、200万人以上の労働移民が渡航しました。それらの国外ポーランド人が、クリスマスと年末年始休暇で、この時期一斉にポーランドに帰省するため、各地の空港で大混雑が起こるわけなんです。

特に今週は週後半から週末にかけて、ロンドンの各空港では、霧のため空の便のダイヤが大幅に乱れ、数千人のポーランド人が空港で足止めをくらいました。そういうわけで、このクリスマスから年末年始の休暇シーズンにポーランドに渡航される予定の方は、ポーランド国内各地の空港ロビーなどでの混雑を、あらかじめ想定に入れておくと良いと思います。


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中央広場のクリスマス市

2006年12月17日 | 日常生活

暖冬といわれる今年のヨーロッパですが、雪景色も見ないうちに、カレンダーの暦だけはめくれてゆき、早いもので、クリスマスイブまであと一週間となりました。

   

クラクフ中央広場では、12月初旬からクリスマス市が立ち、リースやツリーの飾りを売る店がところ狭しと並んでいます。今日は「黄金の日曜日~Złota niedziela」、クリスマス前最後の日曜日で、クリスマス関連商品を売るお店にとっては、一番のかき入れ時の日です。そんなわけで、どのお店もみんな、休日返上で商売にいそしんでいました。

   

とりわけ、今日は中央広場で無料の炊き出しが行われ、大勢の人が集まりました。クリスマスは、一家団欒のイメージ。「だから、ホームレスや身寄りのない人など長らく家庭料理を味わっていない人にも、このクリスマスの時期だけでも、家庭料理を味わってもらいたい」という趣旨から、カトリック団体カリタスが主催となって毎年開催されており、今年もビエロギ、ビゴス、ジューレックなどの代表的なポーランド料理一万食余りが、無料で振舞われました。


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コウノトリの贈り物

2006年12月12日 | 日常生活

ヨーロッパでは、「コウノトリが、赤ん坊をくちばしに下げて運んでくる」という言い伝えがあり、コウノトリは幸福を呼ぶ鳥とされています。

ヨーロッパで見かけるのは、日本のコウノトリとは別の近縁種で、シュバシコウ Ciconia ciconiaという鳥です。日本のコウノトリと羽色は似ていますが、こちらはクチバシが赤い色をしています。主な生息地域は、ヨーロッパとアフリカ北部を中心に数十万羽といわれ、ポーランド北東部の湖水地方マズーリ地方にも、数多くが生息しています。

  

ところで先日、そのコウノトリさんに贈り物をいただいてしまい、来年6月末に第二子が生まれることとなりました。ポーランド語で、コウノトリは、ラテン語と同じで、ボッチャンといいます。果たして私がいただいた贈り物は、ボッチャンか、オジョウチャンか、いまから楽しみです。


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春のような冬

2006年12月05日 | 日常生活

12月に入り、すっかりポーランドも寒くなりました... 
と例年なら書くところですが、今年の冬は全国的な暖冬となっています。

今日も、日中の気温は15度近くまで上がりました。なんでも、こんなに暖かい冬は、200年ぶりだそうです。確かに去年の今頃は、辺り一面雪景色で、氷点下の中を凍えるように歩いていたのを思い出します。

もちろんみんな、暖かいのは大歓迎。ただ困ったのは、スキー場経営者や、スキー客相手の商売の人です。テレビのニュースで、ザコパネのスキー場が写っていましたが、確かに一面緑色で、まったく雪がありませんでした。それでも、24日からのクリスマス休暇の予約は満杯なのだとか。地元の人は、「大丈夫、クリスマスまでには雪降るから~」と気楽そうでしたが、果たして本当に心配いらないんでしょうか。

ポーランドに限らず、今年はヨーロッパ全体が暖冬となっているそうです。というわけで、今年はヨーロッパ旅行をするのにはもってこいの冬となりそうです。


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トラムを乗りこなす

2006年11月27日 | 日常生活

街中を網目のように走るトラム。ちょっとの買い物から、通勤・通学まで、地元の人の足となっています。観光にも便利で、ワルシャワやポズナニのように、見所が分散している街では、やはりトラムに乗って効率よく要所を見て回るのがベターです。最初はわかりにくく戸惑うこともあると思いますが、慣れてくると、とても楽なことに気づかされます。

トラムに乗るには、まずキオスクでチケットを買います。このチケットはバスとの共通チケットで、各自治体によって別々の物です。したがってワルシャワのトラムの券は、クラクフでは使えません。種類も各自治体によってさまざまで、例えばクラクフなら、一回券が2.5zl、一時間券が3zl、ポズナニでは10分券が1.2zl、30分券が2.4zlなどとなっています。そして乗車したら、自分で改札します。改札をしないと、たまに抜き打ちで検札がきたときに、無賃乗車とみなされてしまいますので、必ず改札しましょう。周りの人を見てみると、乗ってきても改札していない人が多いようにみえますが、みな殆どの人が、定期券か時間券を持ってるために、改札しない人達です。みんな改札していないから平気かな~、なんて思って改札しないでいると、自分だけ捕まってしまうことになります。。。

ちなみに、クラクフでは今、道路工事にともなってトラムの路線が大幅に変更されています。停留所に、白い数字の番号で示されている路線は変更なし、黄色い番号で示されている路線が、一時変更になった路線です。黄色い番号の路線は、ガイドブックや地図にあるものと経由が違いますので、よく注意しましょう。わからないときは、手っ取り早く、そこら辺にいる人に聞くのがよいと思います。みな親切に教えてくれます。

   

ところでポーランド人は、トラムやバスの中で、年配の方や妊婦、幼児を抱いた母親が乗ってくると、すぐに席を譲ります。日本では、優先席に座っていて、お年寄りが乗ってきても、見てみぬふりの人が多い中、ポーランド人のマナーの良さには脱帽しました。皆、いやいやではなく、ごく自然に席を立つ人ばかりなんです。しかし中には、乗ってきて、自分から「席を替わってくれ」と言って、若者をどかせて、席に着くおばあさんも^^ トラムで自然に席を譲れるようになったら、ポーランド流・トラム乗りこなし術は、もう完璧です。


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EURO ブランドの威力

2006年11月05日 | 日常生活

長いこと社会主義体制下にあったポーランドでは、ブランド品に対する好みは、日本人ほどうるさくありません。

それでも最近は、ブランド製品がだいぶ市民権を得てきました。街をゆく女性はヴィトンやシャネルを持っていますし、ちょっとした日常品レベルでも、スポーツ用品ならアディダスやナイキ、化粧品なら Nivea や Avon、紅茶ならリプトンと、有名会社の製品は、マーク製品(Produkt Markowy)といって、一般製品と区別して認識されています。

そんなポーランドですが、目下最強の"ブランド"ともいうべきものがあります。それは、EURO-エウロ です。EUROとはヨーロッパを意味する接頭語ですが、2004年5月のポーランドのEU加盟と前後して、エウロ電気、エウロ銀行、エウロバス、エウロタクシー、とにかくありとあらゆる分野で、エウロの接頭語がついた会社や商品が、巷にあふれるようになって来ました。

   

例えば写真のEUROバー。バーとは、ハンバーガーやポテトなどの軽食を売っている店のことですが、EUROバーという名前なのだから、EU通貨のユーロ(EURO)で買い物ができるのかと思いきや(社会主義下のドルショップのように)、普通に、ポーランド通貨のズローチ(zł)でしか買えません。どうやら、単にオーナーが、EUROバーという名前にしたかっただけらしいです!

どういうことかというと、今ポーランドでは、EUROとつけば、なんかかっこいいんです。

長いこと社会主義・ソ連経済の支配下にあったポーランドでは、EU加盟以来、「我々は社会主義の悪夢を見ていたけれど、ついにヨーロッパに復帰したのだ!」との喜びが大きく、エウロ=いいものというイメージがあります。とにかく、エウロと名が付くだけで売れるものだから、その経済効果たるや、莫大なもので、猫も杓子も、ありとあらゆるものに EURO の名前がついています。もちろん、みな別個の会社、別個の製品です。

最強なのは、街で見かけるEUROキオスク!もちろん普通のキオスクです。ズローチ(zł)しか使えません。キオスクといえば、社会主義の申し子のような存在でしたが、今やそのキオスクまで、EURO の接頭辞で飾られる時代になりました。


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