ポーランドからの報告

政治、経済からテレビのネタまで、詳細現地レポをお届けしています!

ポーランド人はどこにでもいる

2006年08月19日 | 政治・経済

日本ではよく、「日本人は海外のどこにでもいる」といいますが、奇遇なことに、ポーランドにも、「ポーランド人はどこにでもいる~ポラツィ・フシェンジェ・ソン(Polacy wszędzie są)」 という言い廻しがあります。

いやはや本当でした。去夏訪れたリトアニア同様、今回のイタリア旅行でも、フィレンツェ・ヴェネチアなどあちこちで、ポーランド人団体旅行客を沢山見かけました。外見では何人か見分けがつきにくくても、ポーランド語をしゃべっているのですぐポーランド人とわかります。団体旅行客のほかに、カップルや家族単位の個人旅行者もけっこういました。

ポーランドの人口は約3700万人と日本人の約1/4ほどなのですが、渡航先の国が大体決まっているため、確かにいる所にはすごくいる、という感じです。況やイタリアおや、カトリック・ルネサンス文化の発祥の地であり、しかもバチカン市国のあるローマは、敬虔なカトリック教徒のポーランド人なら、一度は訪れたい憧れの場所。そしてポーランドから北イタリアまでは、1000km強と、バスでも一日程でこられる距離であるだけに、ポーランド人観光客が多いのも納得です。昨年のヨハネ・パウロ二世逝去の際にも、約50万人もの弔問客が訪れています。

最近はスカイ・ヨーロッパ社などの格安航空券を使えば、バス並みの格安料金で来られるようになりましたので、今後もポーランド人観光客はますます増える一方だと思います。


一方で観光客だけでなく、ポーランドからの出稼ぎ労働者も多数見かけました。実際2004年5月のEU加盟以来、若い人やインテリ層を中心に100万人単位の人が国外に流失しており、国の空洞化が深刻な問題となっいる状況なのです。イギリス、アイルランド、スウェーデンなどが多く、特にイギリスではすでに約100万人と、英国歴史上かつてない規模のマイノリティ集団を形成しています。

しかしイタリアでもイギリスでもどこでも、ポーランド人労働者の地位は決して高くありません。実は私が旅行に出かける少し前に、イタリアのポーランド人労働者についてのスキャンダラスな事件がテレビで大々的に報道されました。イタリア南部プーリア州の町バーリ(Bari)で、数十名のポーランド人出稼ぎ労働者が、イタリアマフィアの経営者に軟禁・拘束された上、少しの食料しか与えられず、1時間1ユーロという考えられない低賃金で働かされていたことが判明したのです。先日ついに警察当局が調査に入って、イタリア人経営者とポーランド人のブローカーが逮捕されましたが、労働者の大部分が病院に収容され、さらにその後の調べで自殺者もでていたことが明らかになりました。EU加盟以来、「ヨーロッパは一つ」の理念を基に桃源郷をもとめて国を出ようとするポーランド人に、冷たい現実が顕になったのです。

このニュースが報道されて、だからといってイタリア行きの旅行者が減ったわけではありません。バカンスにいくなら、イタリアはやはり最高の国です。ただどの国も、旅行で一時的に訪れるのと、実際に生活をしてみるとでは、まったく違った一面が見えてくるものなのでしょう。


ポーランドからの報告


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (モニカ)
2006-08-28 21:28:03
初めまして!!実は前から覗いていました(笑

私ポーランドと日本のハーフなんです。(ちょっとだけドイツも・・・

日本ではあまりポーランドは知られていないんですよね。

パソコンで調べてもあまりなくて・・・

でも「ポーランドからの報告」という素敵なサイトがあってすっごくうれしいです!!

お気に入りに入れて毎日見てます(はあと

私もブログやってるんです。

全然ポーランドの事書いてないけど・・・毎日のどうでも良いことを書いてます(笑

良かったら暇なとき来てくださいね。



P,S右上にあるサチコさんと娘さんの写真すっごく可愛いです!!!
返信する
コメントありがとうございます (Wasilewska)
2006-09-03 10:26:13


モニカさん、初めまして!



サイトを気に入ってもらえてうれしいです。日本人にもっとポーランドのことを知ってもらえたら、と思って日々がんばってます。ところでモニカさんのブログが見られないんですが。。
返信する