Ambivalent Blog

e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

アウトソース契約の小型化

2005-03-05 | ◆ビジネス
インドの有力アウトソーシング・ベンダーであるWiproによると、アウトソース契約に小型化の傾向があるという。

"Wipro chairman heralds end of the mega deal" CBR Online

2004年のJPモルガンチェースによるアウトソーシング契約解除は象徴的な出来事であったが、あの頃からアウトソーシングに対する企業の考え方に変調が出てきているのであろうか。

Wiproによれば、企業はIBMやEDSなどこれまで締結していた大型ディールを3つくらいに分割して複数のアウトソーシング・ベンダーへ発注する傾向が出てきているという。ただ、これはWiproにとってみれば、自分たちの受注できるビジネスが増えたことを言いたいわけなので、鵜呑みにすることはできない。

とはいえ、規模のメリットを追求した大型アウトソーシングによるコスト削減は、結局特定ベンダーへのロックインとなり、享受できるメリットを相殺してしまう。ならば、複数先と契約することによって、単独ベンダーへ依存することのデメリットを減らそうという考えは至極自然なものである。

これは、アウトソーシングが流行からより現実的な路線へと転換したものと捉ればよいのか。ガートナーがよく言うところのHype曲線みたいなものだろうか。一時的な盛り上がりから一旦収束へ向かい、より現実的なものとして成長を始めたような段階。

ASPサービスの連携 - Salesforce.comと新日鉄ソリューションズ

2005-03-05 | ◆ビジネス
ASP型CRMソリューションのSalesforce.comとASP型ドキュメント管理ソリューションのnsxpres.com(新日鉄ソリューションズ)を連携させるサービスが構築された。

『新日鉄ソリューションズ、セールスフォースと連携した顧客情報管理サービスを発表』 CNET Japan

記事やプレスリリースのみでは、その連携方法の具体的イメージは掴み切れないが、ASPソリューション同士が連携し、ユーザー企業にサービスを提供するというモデルは、今後のSOA環境を暗示するという点で興味深い。

富士通とSoftwareAGのSOAソリューション

2005-03-05 | ◆ビジネス
富士通はUKで政府から大型契約を取るなど欧州での地盤が比較的強い。独企業であるSiemensとの合弁会社であるFujitsuSiemensもある。今回は同じくドイツのソフトウェア会社であるSoftwareAGと共同でのSOAソリューション展開の話題である。

"Fujitsu and Software AG plan SOA attack" CBR Online

計画では、両社の持つプロダクト群を統合してIBMやBEAの提供するSOAソリューションに匹敵するものを6月までに生み出すという。記事では下記のプロダクト群が名前として上がっている。

<Fujitsu>
Interstage Business Process Manager

<Software AG>
Enterprise Service Integrator
Enterprise Information Integrator

だが、この組み合わせで一番ユニークと感じられるのは、SoftwareAGがネイティブXMLデータベースTaminoの開発元であり、それをIntegration Metadata Repositoryという新規プロダクトにて利用する点であろう。このデータベースは、Webサービスの分類、バージョン管理などに活用されるという。

Webサービス環境下でのデータのやり取りはXMLが中心となるだけに、今後ネイティブXMLデータベースとどのようにシナジーを出していくのかは興味深い。

IntelがIBMに宣戦布告

2005-03-03 | ◆ビジネス
先日、IBMがItaniumのサポートを中止したが、それを受けてIntelがIBMのUNIXサーバー向けチップであるPowerに対する宣戦布告を行ったと報じられている。

『インテル、IBMに宣戦布告--Power対Itaniumの一騎打ちに』  CNET Japan

記事では一騎打ちとなっているものの、マーケットにはもちろんSunのSparcも存在するので、正しくは三つ巴の戦いになる。ただ、今回はIBMがItaniumのサポートを止めたので、Intelも敵愾心をむき出しにしたのだろう。

しかし、IBMが自らのチップであるPowerとIntelのItaniumを共にサポートしている状態よりも、Powerのみをサポートしている方が矛盾がなくて余程わかりやすい。マルチベンダーへの供給によりサーバー向けプロセッサのコモディティ化を狙うIntelと、独自プロセッサーにより顧客ロックインを狙うIBM/SUNという構図となる。

最近のSUNのオープン化路線がプロセッサー戦略にも影響を与えれば、UNIXプロセッサー市場も大きく変わるかもしれない。

銀行の保険窓販解禁に遅れ

2005-03-01 | ◆ビジネス
本日の日経朝刊に保険窓販解禁が遅れそうだという記事が出た。

『銀行の保険窓販、対象拡大は秋以降 - 「がん」など見送り、全面解禁遅れも』日経 2/28

以前から保険業界による抵抗が強かったため驚きはないが、明治安田生命の事件があった後だけに、保険業界の苦しさが滲み出る感がある。しかし、今回最後にもめたのは損害保険業界で、代理店の反発によるものだそうである。

生保の場合は、自前の営業員、損保の場合は販売代理店、いずれにしてもそれらが急速に銀行の窓口へシフトする時、販売チャネルの再構築が必要となるはずである。それが変革への足かせになっているように見えるが。