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JPモルガンチェースによるアウトソーシング契約解除

2004-09-18 | ◆ビジネス
JPモルガンチェースがIBMとのアウトソーシング契約をキャンセルした(CNET Japan)。総額50億ドルの複数年契約である。この契約に基づいて2003年に4,000人のJP社員がIBMに移籍したが、解除によってほぼ同数の社員がJPへ復帰することとなる。急成長を続けるアウトソーシング産業においてこれは何を意味するのだろう?

CNETの下記の記事によれば、アナリストは今回のケースのような超大型アウトソーシング案件の減少と小規模アウトソーシングの増加を予測している。

「ITアウトソーシング、超大型案件は絶滅の道をたどるのか」

アウトソーシングは基本的にはノンコア・ビジネスを外部委託することで、経営資源をコア・ビジネスや戦略分野に注力することを目的とする。しかし近年のアウトソーシングにはコスト削減圧力も加わって、コアとノンコアの境界が曖昧になってきていたのではないだろうか。すると勢いアウトソーシングする範囲も大雑把になる。

しかし、今後こうした大型アウトソーシングの流れが減少する要因として、やはりサービス指向アーキテクチャー(SOA)の考え方の影響というのは無視できないのではないか。SOAは業務システムをコンポーネントに分割することを可能とするため、アウトソーシングの範囲もより柔軟に設定していくことが出来る。また、SOAを推進していく過程は、ビジネス戦略におけるコアとノンコアを改めて問い直す過程でもある。

そう考えると、今後SOAが浸透するにつれて、アウトソーシングの単位はより細分化される。適切なアウトソーシング戦略を立てられる企業が最も外部環境の変動に強くなるだろう。いたずらに規模の大きいアウトソーシング契約には警戒が必要だ。


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