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無茶なユーティリティー・コンピューティング

2004-10-02 | ◆ビジネス
ユーティリティー・コンピューティングの「ユーティリティー」は、電気や水道のような公共的サービスを指し、使った分だけその利用料を払うというのが原則である。同じ原理をコンピューターのリソースに当てはめたのがユーティリティー・コンピューティングである。

コンピューターのコモディティ化が喧伝される中、IBMやHPなどの大手ハードベンダーはユーティリティ・コンピューティング技術の開発に積極的に取り組んできた。しかし、ここにきてHPはその歩みを緩めることとなった。

『HP、一部のユーティリティコンピューティング・パッケージを廃止に』 CNET Japan

記事によれば、HPのユーティリティー・コンピューティングは注目を集めたものの、システム全体の実装に何百万ドルもかかり、それを導入した顧客はほとんどなかったという。が、ユーティリティ・コンピューティングの本来のコンセプトに立ち戻ればそれは当然と言えるかもしれない。なぜなら、今回のHPのアプローチは、発電所やダムを自ら作るよう企業に進めているようなものだからである。

コンピューターリソースをユーティリティーとして提供するならば、HPが発電所やダムを建設して、そこから生み出されるリソースを利用料に応じて課金すべきである。さもなくば、普通の企業がユーティリティ・コンピューティングのメリットを得ることは難しいであろう。

もしハードウェアのコモディティ化が更に進行するならば、ユーティリティ・コンピューティングの主流は、ホスティング型が中心となるのではないだろうか?

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