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住友信託に見る新しい金融ビジネスのモデル

2005-04-17 | ◆ビジネス
4/14の日本経済新聞朝刊の記事。

『企業の不動産流動化、住友信託、地銀と提携――まず道銀とファンド』

これは地方銀行の中小企業顧客の不動産を住友信託が束ねて流動化するという話である。束ねることにより、これまで規模が小さいが故に流動化が困難であった中小企業の不動産が資金調達手段として活用できる。

これは、流動化案件組成のアイデアとしても面白いが、地銀と住友信託の関係がこれからの金融ビジネスのモデルを示しているようで興味深い。住友信託銀行は、そもそも三井住友銀行との関係は弱く、メガバンクに依存した営業網は構築が難しい。それゆえに、地銀を自らの営業網として活用し、営業網を持たない自らは流動化商品の組成に徹するという方針を打ち出したわけである。

やむを得ない選択肢であるという見方も出来るが、先日エントリーしたハートフォード生命のケースのように、持たないことを前向きに捉えると他社より優位なポジションに立てる可能性があるのではないか。

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1 コメント

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Unknown (hiro)
2005-04-17 18:57:21
たまたま日経ビジネス最新号に住友信託が書かれています。

業界の方の認識はちょっと前まで一様に、住友信託は不良債権がなく財務基盤も強固で戦略的に先をいっており、一方で三井トラスト(中央三井)は合併はしたものの不良債権に苦しんでいる同士の合併で今後が心配、というものだったと思います。ところが実は現時点での株価は三井トラストは過去1年間で3倍以上に伸び現在1,000円を超えているのに対して、実は住友信託は伸びが1.3倍程度で700円程度とむしろ横ばいに近く、健全性の高さだけでなく住友信託に積極的な事業展開を市場は求めているとか。

思えば、三井住友等メガバンクとの提携もあえてこれまで拒んできた事が、今や足かせになっているのは明白で、じり貧になりかねない状況のようです。

もともとビジネスの戦略性は高い住友信託ですから、本件以外にも多くの積極策が今後提案されるでしょうが、三菱信託もUFJ東京三菱グループに入った今、孤立化でせっかくの策が生きてこない事態だけは避ける策が必要かもしれません。
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