ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

日経新聞ドバイ支局開設セミナー

2007年06月08日 00時39分45秒 | ビジネス
6月7日は朝から、先ごろバーレーンからドバイに支局を移した日経新聞の支局開設セミナーとパーティーが、グランドハイアットホテルで開かれた。

参加者は当地の日系企業の駐在員を中心に100名程度だったろうか。講演の中で興味を引いたのは、アル・スワイディUAE中央銀行総裁と竹中平蔵元経済財政政策担当大臣の基調講演だった。

前者は、UAEの輸出入の大半がドル建てで行われており、今後ともドルとの固定ペグは維持するとした。出席者から、クウェイトがドルとの固定ペグからの離脱を表明し、アマーンも通貨統合に加わらないことを表明して、2010年までの通貨統合が難しくなったのではないか、という厳しい質問が飛んだが、通貨同盟(monetary union)がまず先で、統一通貨(unified currency)はその後の課題と述べた。質問をうまくはぐらかしているが、要するに、2010年までに通貨同盟ができればよくそれまでに統一通貨は実現しないだろうということか、と私は解釈した。

竹中氏は小泉政権で経済政策を担当した期間をふりかえり、日本が金融危機を乗り越えることができた大きな要因として、(小泉首相という)リーダーの激しいパッションと、戦略は細部に宿るという理念の実践を挙げた。また、安倍首相が小泉前首相と異なる点として、米国だけでなくEUやその他の地域との関係をバランスさせようとしていること、日本を西欧と他の地域をつなぐゲートウェイ国家にすることを目標にしているとし、一例として羽田空港をドバイ国際空港のように24時間営業の空港に変えようとしていることをあげた。また、日本が戦後驚異的な高度成長を遂げてきた主な理由として、優秀な人材とそれを生み出した教育、それに社会システムをその時々にあうようフレキシブルに変更できたことの二つをあげた。

真近に見るのははじめてだが、話すのは上手だし、常人にはないオーラがある。自分の講演が終わってからも、最前列の席で、他の講演を熱心に聴いていたのが印象的だった。安倍政権とも一定のつながりを保っているようであり、政治への意欲も失っていないように見えた。(政治家って、一度やるとやめられなくなるものなのだろうか)。

なお、帰りがけに渡されたチラシによれば、6月末までに日経新聞の購読を申し込むと「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」を無料進呈とあった。

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