ドバイ駐在員ノート

一人の中年会社員が、アラブ首長国連邦ドバイで駐在事務所を立ち上げて行く過程で体験し、考えたことの記録。(写真はイメージ)

NY原油 1バレル50ドル割れ

2008年11月23日 23時27分24秒 | ビジネス
まるでジェットコースターの軌道を水平方向からみるようだ。ここ3年間の原油価格のチャートのこと。

先週木曜日、NY先物市場の原油価格がとうとう1バレル50米ドルを下回った今年1月2日に記録した1バレルの100ドルの半分、ここ3年間で最低の水準だ。

これまでドバイ経済の好調を説明する時、キーワードの一つは「原油価格の高騰」だった。例えば、サウジアラビアの国家予算は1バレル50ドルの原油価格を前提に組まれていると言われる。今年7月につけた147ドルを最高に、損益分岐点の50ドルとの差益が投資先として向かったのがドバイを中心とする湾岸諸国の不動産だった。

湾岸諸国ではすでに不動産開発事業の選別が始まっている。ドバイでは道路交通庁(RTA)がてがけるドバイ・メトロや空港の拡張工事などの公共工事は予定どおり進められる見込みだ。だが、中東地域で定評があるビジネス誌MEEDは、ナキール社が手がけるパーム・プロジェクトの一つ、パーム・デイラの工事が停止(on hold)されると報じて、当地駐在員の間で物議を醸した。ナキール社からこれを否定するコメントは出ておらず、事実上認めたものと当地では受け止められている。

外国人による投機目的の不動産投資をあてこんだプロジェクトのいくつかは淘汰されるだろう。だが、ドバイの繁栄は3年前に突如始まったわけではない。世界的な景気後退の局面にある今こそ、ドバイの真価が問われている。

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