京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

乙訓寺の牡丹

2016-05-23 08:52:17 | 日記
吟行その三  乙訓寺の牡丹
           金澤 ひろあき
 五月の連休は良い天気になりました。
  五月晴れ遠くの山の皺までも    ひろあき
 その五月に、長岡京市で有志が集まります。長岡天神のキリシマツツジ、乙訓寺の牡丹が盛りの頃です。
 「せっかくですから乙訓寺の牡丹を見ませんか。」という三村須美子さんのお話で、牡丹のほうになります。三村さんのお嬢さんが車を出してくださいました。どうもありがとうございます。二匹のかわいらしいコーギー(犬)が同乗者です。さくがにコーギーは牡丹を見ませんでしたが……。ふだんはほとんど人がいない乙訓寺ですが、この牡丹の頃はにぎわいます。門前には、ハッピ姿の地元の方でしょうか、案内を致しております。
  ハッピ着て牡丹の案内薄暑かな   三村 須美子
 ここの牡丹、日焼けから守るために、紙の日傘をさしております。
  句会場牡丹が日傘さす日和      ひろあき
 境内に二千株、白・黄・緋色……と大輪が乱れ咲いています。乙訓寺は弘法大師空海が唐から帰国後、帝から与えられた寺で、そのゆかりから同じ真言宗の長谷寺から牡丹を譲られ、増やしたものだそうです。
  数百の地蔵に守られ牡丹咲く     二神 大輔
 こうやって読み直すと、お地蔵さん、たくさんあったことを思い出しますね。書き残すと思い出のよすがになっていいですね。
  あらとうとこうぼう目前ボタンあり  内薗 日出杜
 「あらとうと」は芭蕉の『奥の細道』日光のところより借りて来ているようです。この句の「こうぼう」のひらがな表記は漢字表記「弘法」のほうがよいと思うのですが、どうでしょうか。
 ところでこの寺で空海は八幡神と仲が良く、いっしょに合体の肖像彫刻を彫ったという伝説が残っております。
  混淆の寺に牡丹の盛り見る     二神 大輔
  つりがねをついてみたいな一度だけ  川村 薫
 乙訓寺のつりがね、ついたら坊さんから怒られるかな。でもつけたら楽しいだろうな……などとつい思ってしまうんですね。ちょっと楽しい心持ち、いたずら心も楽しめますね。
  日傘の傘の色うつるブラウスに  三村 須美子
 天気の良い、のどかな良い一日でした。

 乙訓寺へは、阪急長岡天神から阪急バス乗車。少し不便な場所なので、タクシーがいいかもしれません。

魔法

2016-05-23 08:44:39 | 日記
 魔法
     金澤 ひろあき
魔法とけ砂のお城が砂になる     
福袋言うほど魔法効いてない
魔法あるならあいつが生きたころ   
傷つけぬ嘘と魔法をよく使う
夢がないあなたに魔法効かないな
 知りあい一月一日に出産
魔法かも一月一日誕生日       
冬木立まさかがまだまだ続きそう
夢とスープさめない魔法あればねえ 
女の魔法なみだも笑顔も武器になる  
黄昏(たそがれ)はちょっと美人にする魔法
デジタルは私にとってみりゃ魔法

「酔い」「呂律(ろれつ)」
二人して酔った酒場もしんきろう   
かくしごと呂律まわらぬせいにする
デジタルにしばしば呂律まわらぬよ  
春着の子いろはにほへと酔ひもする
酔っ払い靴下脱いで踊りけり     
酔っ払いセーター脱いで演説す
「しぐれ」
連絡のつかぬ人ありしぐれ空     
しぐれ空 山頭火には自嘲の句
京町屋 仮名文字めいてしぐれ降る
「底冷え」
いつもより長し底冷えする廊下    
底冷えや逃げ場なければ黙りをり
底冷えの手足足先逃げ場なし     
底冷えや見えぬ涙の出るという
寄らば切る刃を抜いて底冷えす    
増税論 出口はないぞ底冷えす
底冷えや逃げ場求めてはしゃぎをり  
売り家に空き缶ころがり底冷えす
底冷えす津波のあとの平らな地
 川村様より
遅れたが無事よと言っている賀状