京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

湖西秋心のメモがちょっと増え

2016-05-12 14:12:38 | 日記
  湖西秋心のメモがちょっと増え 
                金澤 ひろあき
 太宰治の『津軽』に、「なぜ旅に出るの?」ときかれて、「苦しいからさ。」と答えるシーンがあります。
「なぜ旅に出るの?」ときかれて、私ならなんと答えましょうか。
 ともあれ心が高鳴るのです。そして思いつきの句をせっせと書いているのです。
 2011年11月13日、皆さんとご一緒した坂本という所は、比叡山のふもと、琵琶湖の西側にあります。晴れ女を自称する川村薫さんと内薗日出杜君、硯池さんとまず向日町で待ち合わせ。青島巡紅さんが運転して下さる車へ。川村薫さんの効果か、本当に良いお日柄です。
  はるばると車に乗ってビワコまで    川村薫
 今日の楽しさを素直に川村さんが詠んでくれます。
  出不精をちょっと払って小春かな    金澤ひろあき
 山科駅で三村須美子さん、二神大輔さんと合流。坂本城趾を目指します。坂本城は戦国末期、明智光秀が本拠にした城です。湖に面し、水運にすぐれ、天守閣を二つ持つ名城だったそうです。明智光秀は本能寺の変を起こし、その後、山崎合戦で敗走中に死に、坂本城も明智光秀の自尽とともに炎上したと伝わります。今は町の中に石碑が立っていたり、石垣が残っている所が公園になったりしています。
  寒風に顔ひきしめる武将の碑      三村須美子
  町中にぽつんと城の碑秋日和      硯池
  晩秋や城跡黙す湖岸風         青島巡紅
 石垣の先は琵琶湖。うしろは比叡。秋晴れでくっきり見えています。この光景を二神大輔さんが、
  一水を隔てて長浜指呼の間       二神大輔
 平らな湖水を見ていると、湖北長浜まで一直線という感じですが、「指呼の間」とはみごとです。
  天高しどちらが比叡の裏表   ひろあき
 ともあれ皆、見えたもので作句中です。青島さんの次の句のような感じです。
  ひなたぼこ紙ペン頭動くなり      青島巡紅
 秋空の下、次は西教寺へ。光秀一族のお墓があり、またこの寺の門は坂本城の門を移築したと伝えられます。門から本堂までの坂がキツいので、川村薫さんは「門の前の茶店で休んでる。」とのこと。この茶店、午前中は店の人がお休み。でも休む方はご自由にどうぞというのどかな話。京都みたいに商売っ気満点ではありませぬ。
  ぜんざいを思えど店の人は来ず     川村薫
  冬ぬくし無人の茶屋の緋毛氈(ひもうせん)      ひろあき
  客に留守まかせて昼げ無人茶屋     硯池
 西教寺は山ふもとですが、参道を登ると静かな山中に入って行くという趣があります。紅葉には少し早い。でも石蕗の花は咲いています。鳥たちの鳴き声が満ちています。
  林間の念仏小僧石蕗の花        硯池
  大がらん破れ便所に用を足す      二神大輔
  鳥さわぐ光秀の墓黄落期        ひろあき
 坂本といえば石垣の積み方。穴太積みに特色があります。お寺やお城の石垣を作る技術者集団がいたのです。石積みにひとしきり感心し、さて句を作るとなると、これがなかなか難しい。
  風立ちぬ隙間の苔の石積みに      青島巡紅
 昼食後は比叡山山頂へ。ここまで来ると見事に紅葉しています。
  山頂の雲下に見て里の秋        三村須美子
  秋の陽が車の後をついて来し      内薗日出杜
 童心の会では、毎月吟行会をやっているわけではありませんが、こういう楽しい交流を年に何回かやっています。

謝れよ

2016-05-12 08:13:42 | 日記
 謝れよ
         金澤ひろあき
木枯らしや工事の駅の大迷路     
もの言はぬままの木枯らし残尿感   
雌伏する鷹に風切る翼有り      
初しぐれひげそり残す顔来たる    
湯豆腐や肩をほぐして行きたまへ   
かじかんでやさしい文字をまちがえる
 知人宅
ひっそりと落葉の四十九日かな
 これは別の知人 息子をなげいて 二句
こたつしてこづかいもらう良い身分  
この年でこづかいもらう良い身分
こたつしてこの世のことに目をつぶる 
ひるあんどんどこへただよう外交は
戸じまりや冬の最後の明かり消す   
書き進む遺書になるかも冬灯火
謝れよいやよ真冬の指ずもう     
木枯らしの流転して行くあなたもね