京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

坂本・琵琶湖吟行の句

2016-05-19 12:23:52 | 日記
坂本・琵琶湖吟行の句

 第一座  坂本城址公園にて
左馬之助後は頼むと桔梗散る      二神大輔
一水を隔てて長浜指呼の間      
待ち望む桔梗の城址秋の空
嫁入りの船出の鳥居湖(ウミ)に向く     
外来魚回収箱見る秋の湖(ウミ)

はるばると車に乗ってビワコまで    川村薫
二神さん来られてよかったビワコまで 
足悪い私をひっぱるナイトです
よい天気心も体もルンルンよ     
百歳までも私ははいくで幸せよ
近江でも柿はなるのよすずなりに

晩秋や城址黙す湖岸風         青島巡紅
ひなたぼこ紙ペン頭動くなり     
光秀も歩みし草地ひなたぼこ

小春日やずんぐりむっくり光秀像    金澤 ひろあき
湖西の秋 心のメモがちょっと増え  
天高しどちらが比叡の裏・表
七本の柳四本に古城秋        
日なたぼこめいて古俗を語る人
船渡る三輪より神の至る春      
百歳に負けぬと秋の一句かな
叛将の瞳さびしく秋深む       
秋の湖(うみ)石垣一重葦七重(ひとえあしななえ)

坂本城跡石垣の角落ちあし枯れる    三村須美子
時流るたばこくゆらせ庭手入れ    
寒風に顔ひきしめる武将の碑      
波の銀はねくり返す葦間かな     
今は昔七本柳に神降臨とか
秋の日の湖のぬめり津の岩に     
鳥とまりうれ具合を見るおうちの実
外来の魚採集箱置く秋の湖

踏み入れて相撲取草の露しとど     硯池
水城のへんりんも無し琵琶の秋    
秋天にずんぐりもっくり明智像
町中にぽつんと城の碑秋日和      

秋の陽が車の後をついて来し      内薗日出杜
釣人の浮きを凝視や秋の湖(うみ)      
正統な自慢の琵琶湖かがやけり

長岡天神梅見の会

2016-05-19 11:48:09 | 日記
吟行 その一 長岡天神梅見の会(2010年の記事です)
             金澤ひろあき
 春の花は梅にはじまって……。とはいうものの、観梅の頃はまだ冬のなごりで気候が定まらず、とても寒い時があります。また年によって、早く咲いたり、おそかったり……ハラハラするもんです。今年は三月十四日に、長岡天神で梅見の会をしました。よい日和りで、梅も盛り。梅見の前に、駅前のドトールコーヒーという喫茶店に集まったのですが、二神様の声かけで、さっそく連句がはじまります。
「春吹雪」の巻
春吹雪開花寸前梅たたく         二神 大輔
ひきぎわはかくありたしとなごり雪    金澤 ひろあき
風邪気味の心に笑顔くれた梅       笠 初枝
陽光がさんさんと梅見時         内薗 日出杜
この時期は桜のつぼみもふくらみし    大輔
風に色つけてはじまる第一歩       ひろあき
久々の阪急電車心たのし         初枝
電車もがーがー春もにぎやか       日出杜
マグロ危機風さわやかに初がつお     大輔 
江戸っ子のミエきそいあう魚市場      ひろあき
魚市場セリで損した遠い昔         初枝
春しばりつけ梅に陽光与へけり      日出杜
郊外に出で梅満開青き踏む        三村 須美子
 この日は本当に暖かな日和りで、天神さんへも歩いてゆったりと。句会も外の公園の、椅子・机があるところでやれたほどです。
 日和りがよいので、七五三詣りの家族でいっぱい。現地で実際に見たもので作れる新鮮な素材があって、これが刺激となります。吟行のよいところはこれでしょうね。フランスの印象派と呼ばれる画家たちは、「外に出て描く」ことを大切にしたそうですが、その気持ち、よくわかります。
 梅園に行くと、咲いている梅に名札がついています。
  梅の名は思いのままとある日和り   ひろあき
「思いのまま」という梅があるんですね。紅白のともにまじった梅で、色が「思いのまま」なんでしょうけれども。
 さて、「せっかく笠 初枝さんがお見えになられたので、冠句をやってみましょう。」と二神 大輔さん。そこで、今日のよい日和りにちなんで、「春うらら」という上五で作ることになりました。
 冠句は上五の題が出されて、それぞれが続きの七五を作るというものです。
皆さんの作品。
春うらら ホットかアイスで迷うお茶  笠 初枝
春うらら サッカー少年目光る     二神 大輔
春うらら 師匠のきびし声こだまする  内薗 日出杜
春うらら 畑打つくわの土匂う     三村 須美子
春うらら 守備範囲外のボール飛ぶ   金澤 ひろあき