ドクターリコの明日もHappy!

形成外科医リコの、美容と医療と育児と趣味のブログ。http://kitamurariko.com/

頬のシミ

2009-11-19 10:40:12 | 美容・医学
お肌の相談の中で最も多いものが「頬のシミ」

でも、「シミ」と思っているもの、「シミ」とひとまとめに呼んでいるものにも、実はいろんな種類があって、それぞれ原因や治療方法が違います

①そばかす(雀卵斑)
思春期に多い、頬や鼻を中心とした多発性の細かい色素斑・・・色白の方に多い傾向があります。赤毛のアン、のイメージですね。レーザー治療も効果的ですが、数が多い場合はお顔全体を一度に治療できる光治療(当院ではフォトRF=オーロラ)がいいでしょう

②老人性色素斑
いわゆる「シミ」のイメージに最も近いでしょう
頬、こめかみ、上眼瞼などお顔だけでなく、手の甲などにも加齢とともに出てきます。紫外線が一番の原因です
平らなものはQスイッチYAGレーザー、盛り上がったもの(脂漏性角化症と呼ばれます)は炭酸ガスレーザーで除去しますレーザーだとほとんどの場合1回で除去できますが、カサブタのできる治療は避けたい・・・という方はオーロラを数回当てていくことで徐々に薄くしていくこともできます。

③肝斑
最近、お薬のTVコマーシャルの影響で、一般的にも名前を知られてきていますね。思春期以降30歳代くらいを中心に、頬骨あたりにでてくるもやもやっとした色素斑で、鼻の下で額にでることもあります。こすったりなどの刺激が原因、とか、女性ホルモンに関係している、など言われていますが、実はまだ完全には解明されていないものです。
トラネキサム酸の内服が非常に効果的ですもちろん当院でも処方していますビタミンC、ビタミンEとセットでの内服がおすすめです。
肝斑にはレーザーをあててはいけない(悪化する)と言われてきましたが、最近ではQスイッチYAGレーザーを使用したレーザートーニングで治療効果があることがわかってきました。但し、その場合でもまずはトラネキサム酸内服から、です。

④ADM
聞きなれない言葉が出てきました・・・ADM。「後天性真皮メラノサイトーシス」、または「遅発性両側性太田母斑」とも呼ばれます。頬、鼻、上眼瞼などにまだら状に出てくる色素斑ですが、他のシミよりも皮膚の深いところに原因があります。ですので、深いところまで届くレーザーを使用して治療しますが、②の老人性色素斑などと比べると色素が抜けるまでに時間がかかります。

⑤その他
その他にも・・・、
「外傷性刺青」=ケガをした時に、アスファルトの色素などが入りこんで色素が残ったもの。レーザー治療します。
「炎症後色素沈着」=ケガ、レーザー後、ニキビの炎症後などに色素沈着をおこしたもの。内服や塗り薬を使いながら経過をみます。
「あざ」=扁平母斑、太田母斑など、シミだと思ってたら実はあざだった・・・ということも。



これらの中で1つだけ、という方もいらっしゃいますが、大抵は肝斑+ADM、とか、肝斑+老人性色素斑、というふうに、複数のシミが混在していることが多いんです。
まずはシミの種類を見極めて、それぞれに対する治療方法や順番を組み立てていくことが大事です


カリスクリニック
コメント
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