大助の駆けある記

日本共産党・木佐木大助の山口県議会通信

3月議会報告…一般質問Ⅴ洋上風力発電計画、朝鮮学校補助金問題

2014年04月22日 | 記事

1371  下関市安岡沖に、着床式の洋上風力発電所の建設が計画されている。最大出力6万KW、一般家庭4万2千世帯分の電力を賄えるという大規模な計画だ。

 わが党は、原発に替わる再生可能エネルギーとしての洋上風力発電を一概に否定はしないが、今回の計画は余りにも杜撰で、医療や介護、福祉施設が直近に控え、人口密集地にもかかわらず、住民の皆さんへの配慮や説明・情報提供も通り一遍と言わざるを得ない。

■住民の不安広がるばかり…杜撰な洋上風力容認できない
 
 とりわけ、発生する騒音や低周波、埋設するとされている送電線からの電磁波の影響は、まだ厚労省や環境省の中で検討が始まったばかりで、科学的にも医学的にも安全基準すら確立していない。

 山口県は昨年、環境アセスに係る権限にもとづいた「知事意見」において、調査項目や手法選定、予測や評価などについて、周辺住民や医療施設、漁業者などに対し、「特段の配慮すべき事項」などをあげたが、これに対しても事業者である前田建設工業は、誠実な対応をしていない。

 そのため反対署名が3万筆を大きく超えるなど、住民の党派を越えた運動が広がっている。

 私は、現状のままではこの計画を、とても容認することはできないと考えるが、山口県はどう対応されるのか、お伺いする。

■恥ずべき民族差別への加担やめ…六月補正で補助金復活すべき
 
 山本前知事は、今年度予算で朝鮮学校への補助金を不計上とする際、その理由として「国や他県の動向」、さらには「県民の理解が得られない」などと説明された。

 しかし、この行為は、日本政府が批准している国際人権規約の諸条項や子供の権利条約を踏みにじり、「民族差別」という重大な人権問題に関わる問題になっている。

 山口県は、「私立外国人学校特別補助金制度」は今も存続させている。しかも現時点でさえ、朝鮮学校が創立以来68年間、「地域における多文化共生と国際交流にも貢献している」ことを、県当局は認めている。

 にも関わらず、補助金を出さないというのは、全くの自己矛盾ではないか。

 村岡新知事は、前知事の間違った政治判断など「継承せず」、六月議会に上程される「肉付け予算」では、復活させるべきと考えるが、見解を伺う。

□半田環境生活部長の答弁要旨
 
● 下関市安岡沖の計画は、1万K Wを超える大規模な風力発電事業であることから、「環境影響評価法」に基づき、現在、手続きが行われている。

 事業者が提出した「環境影響評価方法書」については、昨年8 月に県の審査は終了しており、発電事業を所管する経産大臣に対し、知事意見を述べた。

● 知事意見の内容は、お示しされたように、① 事業者は、「住居や病院、漁業等の事業活動にも配慮」した、最新の科学的知見に基づく調査・予測・評価を実施するとともに、② 地元住民等へ、調査内容の積極的な情報提供など、「地域の意向を踏まえた適切な対応」を行うよう要請したところだ。

● 事業者は、本年11月まで環境調査を実施した後に、来年早い時期に、予測・評価に基づく「環境影響評価準備書」を、国・県・市に提出する予定としている。

 県としては、予測・評価結果等について、あらためて「地元住民等への説明や情報提供の徹底を指導」するとともに、下関市長からの県に提出される意見等を踏まえ、「環境影響について慎重に審査」を行っていく。

■再質問
 
 朝鮮学校への補助金廃止問題について、昨年の二月議会以来、池内総務部長の本当に苦しい答弁が続いている。

 それは、山本前知事が行った「教育を政治の取引につかう」という最悪の政治判断に対して、県執行部・官僚として一歩も踏み出した答弁ができないということを示している。

 あらためて新知事の体制のもとで、朝鮮学校の補助金復活は当然なされるべきと考えるが、知事の答弁を求める。

□池内総務部長の(再質問含む答弁要旨)
 
● 今年度当初予算において、高校授業料無償化の対象外とした国の考え方、補助金支給に関する他県の動向、北朝鮮の行動に対する国際社会からの批判等、様々な状況を総合的に勘案して、朝鮮学校への予算計上を見送ったところであり、現在、この問題を巡る状況に大きな変化はないものとして前年どおりとした。

● 朝鮮学校への補助金を「肉付け予算」で復活させるべきとのお尋ねだが、補正予算の編成については今後検討することになるので、現時点でお示しすることはできない。

■四月九日、再開された県庁前サイレント抗議要請行動に、佐々木社民・戸倉民主の両県議と一緒に参加しました。

 相変わらず、県管財課は嫌がらせをやってきますが、新しい参加者も増え、みなさん毅然として頑張っています。
1373