尖閣諸島問題が、今大きな関心を呼んでいます。
私も朝立ちや街角からの宣伝で、この問題にもふれてお訴えしていますが、四方を海に囲まれている日本で、北東アジアでの平和と安全にむけて、領海・領土問題でも積極的な平和的外交的努力が求められていることを痛感しています。
日本共産党は、この尖閣諸島問題について、日本固有の領土であることを、歴史的にも、国際法上からも、根拠も示して、早くから明らかにしてきました。
一八九五年に日本が領有を宣言して以来、七五年にわたって中国側も意義を申し立てておらず、日本の領土であることは明確です。
しかし同時に、これまでの日本政府は、そのことを、国際社会と中国政府に対して、理を尽くして主張しておらず、ここに一番の問題があると考えています。
今月四日、日本共産党は、声明「尖閣諸島問題…日本の領有は歴史的にも国際法上も正当…日本政府は堂々とその大義を主張すべき」を発表し、日本政府に対しても、また中国政府および国際社会、各国大使館や関係団体などに、働きかけています。
一方、政界やマスコミの一部に、この尖閣諸島問題を使って「脅威」を煽り、軍事的対応をことさらに強調する風潮が広がっていることは軽視できません。
先日も、自民党の安倍元首相やたちあがれ日本の平沼代表、民主党や国民新党の一部議員など改憲靖国派を自認する「日本会議国会議員懇談会」の集会が開かれ、「政権交代後に米軍普天間基地問題がメチャクチャになった」「日米同盟を大切にしていく行動を示さなければいけない」などの意見が続出。
尖閣問題についても、「大東亜戦争で命を落とした英霊」に謝罪し「いくさはしたくないのは当然だ。しかし、その覚悟を本日集まってくれたすべての方々と共有し、ともにたたかっていきたい」と、戦争を構える〃覚悟〃まで飛び出し、尖閣諸島や周辺海域などへの自衛隊の配備などを求める声明が採択されています。
このような、領土問題にかこつけて、何でもかんでも「軍事的対決」ばかり煽る暴論は、「百害あって一利なし」。日本にたりないのは、軍事力ではありません。いま問われているのは、道理と大義を堂々と主張できる外交力ではないでしょうか。
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いまから九〇年近く前、中国福建省の漁船が、嵐にあって尖閣諸島の沖合で難破・漂流したことがありました。これを助けたのが尖閣諸島の島民たち。彼らは難破船と乗組員を石垣島へ連れてゆき、石垣島民も、彼らを手厚くもてなし、やがて船が直り、彼らは無事に中国へ帰ってゆきました。そして、中国政府からは、感謝状が届きました。
時はあたかも、第一次世界大戦後の激しい日中間の対立のさなかの一九一九年のことでした。現在の私たち日中両国民が学ぶべき、東シナ海を舞台にした平和で安全な海を願う日中庶民の交流史の一ページです。
日本共産党は、これまでも発揮してきた野党外交の力と、国民のみなさんとの対話を、さらに広げていきます。