大助の駆けある記

日本共産党・木佐木大助の山口県議会通信

9月議会報告Ⅳ原発問題について

2014年10月27日 | 記事

 質問に入る前に一言、述べさせていただきます。

 一昨日、藤本議員が知事に、「原発被災地に一度は足を運ぶべき」と求めたのに対し、知事は「福島の現場を訪問する予定はない」と切って捨てるような答弁をされました。この答弁を聞いた方々から「被災地の苦しみに心を寄せる姿勢がない」と抗議の声が寄せられています。

 我が党は、原発被災地を視察した経験を生かし、今後とも被災地の1 日も早い復興と原発ゼロの実現をめざして、より一層、奮闘する決意を表明して、質問に入ります。最初に、原発の安全性と経済性について知事の基本認識を伺います。

■この期に及んで…原発は、安全で経済的と本気で考えているのか
 
 川内原発の再稼働申請に対し、国の原子力規制委員会は、「安全とはいわない」といいながら規制基準に「適合」との判断を下した。

 一方、安倍首相はこれをもって、「安全性が確認された」かのように振る舞って、再稼働に踏み込もうとしている。

◆安全神話…復活許すな
 
 しかし、規制基準は、既存の原発を手直し修正できる範囲でしか安全強化策をやらず、根本的な構造的欠陥には踏み込まないという問題があることは、これまでさんざん指摘されてきたことだ。

 しかも原発の再稼働は、単なる「技術的工学的な安全性の判断」だけでなく、総合的政策判断として考えるべきであり、万が一事故が起きた時の原子力防災計画・住民避難の問題や、使用済み核燃料・高レベル放射性廃棄物の処理の問題はまったく対象外となっている。

 つまり規制委員会は、「技術的工学的問題の一部」を検討したにすぎない。

 これをもって川内など、現在13原発・20基の原発の再稼働に道を開くことは、福島第1原発の悲痛な経験をも、ないがしろにする「安全神話」の復活に他ならないと考えるが、見解を伺う。…①

◆国民にツケ回す…勝手な言い分
 
 福島第1原発の大惨事によって東京電力の経営は事実上、破産状態だが、破綻処理はされず、国をあげての救済措置がとられ、「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」を通じて税金が投入され、電力使用料と合わせてほとんどが国民負担となった。

 その結果、福島原発事故の損害賠償や原状回復費用、事故収束・廃止費用、行政の事故対応費用など社会的出費は、少なくとも十一兆円になるといわれている。

 これには廃炉プロセスに向かう膨大な費用は含まれていない。

加えて、停止中の原発を維持するためにも年間約一兆円の費用が必要であり、これらの費用は電気代に転嫁されている。

 今日に至るまで「原発は安い」などと、政府も電力会社もしきりに言っているが、とんでもない。現時点においても、「原発は低コスト」と考えているのか。…②

 いずれにしても、安全性・経済性とも根本的欠陥をもつ原発の再稼働はあり得ず、ましてや上関原発の新規建設や島根原発の増設などあり得ないと考えるが、見解を求める。…③

◆中電筆頭株主の責任は…
 
1633  次に中国電力筆頭株主の責任について伺う。

 六月議会答弁で県は、株主総会で「棄権」の選択肢を取らない理由として、「中電の信用や経営に大きな影響を及ぼす恐れがあり、県民の貴重な財産を保全する観点から適切ではない」と、弁解した。

 しかし、これこそ「株の保有と経営は分離して考える」という県の見識からも逸脱するものではないか。

 原発問題について、中立の立場を装いながら、実際は原発再稼働を容認し、上関原発の公有水面埋立免許延長申請に対して、際限なく補足説明を求め続けることで「上関原発建設は悲願」と暴論を吐く中国電力の無謀な経営方針に手を貸す、極めて県民を愚弄する欺瞞的対応と言わざるを得ないが、見解を伺う。…④

 大飯原発再稼働を差し止めた福井地裁判決は、「250㌔圏内の人々の人格権の侵害」と断じた。

 大阪市は、原発依存度が最も高く無配が連続する関西電力に対して「原発撤退」を求めている。

 島根原発を抱える中電の筆頭株主たる山口県は、少なくとも中四国・九州16県にその責任を負っているのではないか。

 山口県が本気で「中立の立場」というなら「棄権」すべきであり、県民の貴重な財産である年間17億円の配当を維持したいというなら、原発推進の経営方針に「反対」の意志を表明するのが筋だと考えるが、県の答弁を求める。…⑤

□木村商労・渡辺総務部長の答弁要旨
 
①…川内原発等の再稼働については、「エネルギー基本計画」において、原発の安全性については、原子力規制委員会の専門的な判断に委ね、規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原発の再稼働を進めるとされている。この方針に沿ったものと考える。

②…原発を含む発電コストについては、国の課題であり、見解を申し上げる立場にない。

③…上関原発建設計画については、国のエネルギー政策に基づき、電気事業者たる中国電力が進めてきたものであり、計画をどうするかは事業者自らが判断すべきと考えている。島根原発については、見解を申し上げる立場にない。

   ① ② ③ …木村商労部長

④…県としては、これまで一貫してして「株の保有」と「会社の経営」とを分離して考え、経営への関与・参画は行わないとの基本姿勢で対応してきた。

 こうした考え方から、株主総会の対応については、県民の貴重な財産を保全する観点から、棄権は行わず、株主として中立的な態度を明示するため、議決権行使書を白紙で提出してきたものであり、これまでの県の基本姿勢を変更したものではない。

⑤…県としては、経営の関与・参画は行わないとの基本姿勢であり、中国電力の経営方針に関して意見を述べることは考えていない。

   ④ ⑤ …渡辺総務部長

102 5日、上関町で「いのちの海を守れ。さようなら上関原発!…県民集会」が開かれ、1 2 0 0 人を超える人達が参加。 私も、日本共産党を代表して連帯の挨拶をさせていただきました。
 

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 川内原発再稼働反対の取り組みや、伊方原発反対の闘いなども報告され、党派・思想信条を超えた熱い連帯の集会・デモとなりました。

 闘いは、これからも続きます。
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9議会報告・一般質問Ⅲ米軍基地問題について

2014年10月20日 | 記事

 米軍岩国基地問題について伺う。

 安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定強行を受けて、日本は「米軍とともに海外で戦争する国」に大きく踏み込むことになり、米軍岩国基地の危険性はいっそう増大することになった。

東アジア最大の基地へ
 
 さらに、オスプレイの中継・補給・訓練拠点化とKC130の受け入れに加え、米軍再編の名の下に推し進められている空母艦載機移駐が行われば、岩国基地は、海兵遠征軍と米海軍空母打撃群の指揮下の部隊が一体となって展開・出撃する、これまでと全く違う能力・機能、位置付けをもつ東アジア最大の軍事基地に変貌することになる。

 これこそ質量ともの「基地機能強化」の典型と考えるが、県の認識を伺いたい。…①

■破綻は明白…「判断基準」
 
 さて、米軍は、岩国基地を出撃拠点として世界中に展開し、訓練も日本国中を対象にしている。

 これまで県が取ってきた「基地機能に関わる問題は、騒音や安全性等、基地周辺住民の生活環境にどのような影響を与えるかを検討し判断する」といった、基地周辺住民だけしか視野に入れない判断基準はもう役に立たないのではないか。

 空母が横須賀基地に入港中、艦載機部隊は、NLPを除く訓練を群馬県などで行っている。島根・広島・岡山3県の山間部は、現在でも岩国基地所属機による低空飛行訓練の被害に悩まされている。

 艦載機部隊が岩国基地に移駐すれば、さらなる被害の拡大が予測されるが、この点を県はどう認識しているのか、見解を求める。…②

■崩れる論拠…「パッケージ」
 
 岩国への空母艦載機移駐問題と普天間移設は、二〇〇五年の「在日米軍再編計画」のパッケージとして持ち込まれた。

 こうした中、沖縄では、普天間の辺野古への移設・新基地建設反対を最大の争点にした知事選が十一月に行われる。

 自民党の沖縄県連幹事長を務め、前回は仲井真知事の選対本部長に座った翁長那覇市長が、「建白書に示されたオール沖縄の実現のために心を一つにしよう」と訴え、立候補を正式表明した。

 この知事選挙の結果、辺野古移設が当面、頓挫し、「パッケージ」が崩れた場合は、当然、艦載機部隊移駐を前提に進められている「準備工事」に待ったをかけるのは、当然だと思うが、見解を伺う。…③

 もし日米両政府が、空母艦載機だけを岩国移駐を先行させることになったら、知事は再編交付金など投げ捨てて、ムシロ旗をもって首相官邸に乗り込み抗議することは県民への最低限の責任だと思うが、その矜持・覚悟がおありか。…④
 

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国民の血税使って「強く大きく」…米軍にとって最も使い勝手のいい基地にリニューアル。滑走路の向こうには、世界遺産の宮島と原爆ドームが… 。

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日本の原発は全部止まっていますが、原子炉2基をフル稼働…厚木から艦載機を積み込み「世界を股に」の空母J ・ワシントンです。

□大谷理事・基地対室長の答弁要旨
 
① … 基地の軍事的な機能を判断する立場にない県としては、「基地機能の変更」により、航空機騒音や安全性の面で基地周辺住民の生活環境が、現状より悪化する状態が生じるかどうかを「基地機能の強化」の判断基準にしている。

 オスプレイは、米軍の「一時的な運用の範囲内」と整理している。K C 1 3 0 や空母艦載機の移駐も、国の回答や提供データーに基づく検討結果から、基地機能の強化に当たらないと考えている。

② … 訓練空域等について、現在も日米間で協議中であり、その内容と詳細について、まだ国から説明を受けていない。したがって、県としてはお示しの島根・広島・岡山3 県で、空母艦載機の訓練が行われるかどうかは承知していない。

③ … 沖縄県知事選の結果については、仮定の問題であり答弁を差し控える。

④ … 県は「普天間基地移設の見通しが立たないうちに空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められない」という基本スタンスを堅持しており、国も「尊重して対応する」と言っている。

 お示しの事態は生じないと考えている。

 ◇再質問・再々質問と答弁は省略します
 
 十月一日に発生したペルシャ湾でのオスプレイ発艦失敗死亡事故や、「これ以上の負担増は認められない」という「負担」の定義問題。

 岩国や厚木等、実際に配備されている機数・機種掌握の「意図的曖昧さ」など、対米従属の「国いいなり県政」との論戦となりました。

■政府交渉に行ってきました
 
 大型台風1 9 号の進路とドンピシャ重なりながら、政府交渉を10月14日に行いました。

 参加者は…藤本・木佐木の県議と吉田事務局長、河合・松田の県議候補、来年1 月に迫った下関市議選候補の近藤市議団長と桧垣前市議です。

 交渉は…外務・防衛・国交・財務・総務・厚労・経産・農水・文科省と、原子力規制委・エネ庁・内閣府など12省庁が相手です。朝10時から夕方4時過ぎまで、参院議員会館に陣取り、原発・基地問題に加え、下関市関係でも「第二関門橋」や自治会への課税問題、洋上風力問題、農漁業振興など多くの成果を持ち帰ることができました。

 

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左から…桧垣・近藤・木佐木・仁比さん
 

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後列…近藤・桧垣・木佐木( 座っているのではありません。立ってます。桧垣さんが高過ぎ)・吉田。前列…藤本・石村・松田・河合


9月議会報告・一般質問Ⅱ「慰安婦問題」意見書について

2014年10月13日 | 記事

■「河野談話」の実質否定、歴史の偽造は許されない…山口県議会「自民・公明」の暴挙に断固抗議する
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 10月10日の議会最終日、本会議が開かれ議案等の採決が行なわれました。

 これに先立ち、議会運営委員会で、自民党・公明党など4会派から共同提出された「『慰安婦問題』に関する適切な対応を求める意見書案」を念頭に、「全会派一致の意見書案以外は、①付託された委員会でキチンと審議時間を確保する。②提出会派から趣旨説明を行い、それに基づく質疑を行う…この2つのルールを確立すべきだ」と提案しました。

 「それは議会改革協議会の問題だ」等、議運でも圧倒的多数を占める自民党から異論が出されましたが、「議会全体の運営に責任を持つ議運の問題ではないか」と反論し、あれこれ応酬もありましたが、一応の確認がなされました。

 まだ曖昧な点もあり、12月議会冒頭の議運で、確認していきます。

◯本会議では…
 
 この意見書をめぐって…「反対討論」を、民主党・加藤、日本共産党・藤本、社民党・佐々木の3議員が。「賛成討論」は、自民党・島田、公明党・先城の2議員が、会派を代表して討論を行ないました。

◯採決の結果…
 
 日本共産党2、民主連合5、社民党1、草の根1の計9人が反対する中、自民党・自民新生・公明党・新政クラブの39人の賛成で、この暴挙の意見書が可決しました。

◯下関選出県議の態度は…
 
 定数10(来年から9に削減)の下関市区選出の県議のうち、この意見書に賛成したのは、自民党(友田・塩満・林・有福・平岡)の5人と公明党(先城・曽田)の2人、自民党新生会(吉田)の計8県議です。

 反対したのは、民主党(加藤)と日本共産党(木佐木)の二人です。

■本会議終了後ただちに、山口県憲法共同センターは、県庁入口の藩庁門前で、「慰安婦問題意見書の強行可決に抗議する緊急集会」を開催。50人が参加したこの集会に、私も藤本団長とともに駆け付けました。採択した集会決議を紹介します。

 本日(十月十日)開催された山口県議会九月定例会において、自民党、自民党新生会、公明党、新政クラブの各会派より提出された「『慰安婦問題』に関する適切な対応を求める意見書」が、日本共産党、民主党、社民党などの反対を押し切って採択されました。

 朝日新聞の「吉田証言」取り消し記事を利用した一部右派メディアと、侵略戦争を美化・肯定する「靖国派」の政治勢力とが結びついた異常なキャンペーンは、「慰安婦」問題で、日本政府が日本軍の関与と強制性を認めて謝罪した公式見解である「河野談話」を真っ向から否定するものです。

 山口県議会の政権与党会派による今回の「意見書」は、「吉田証言」によって一部の歴史教科書やマスコミが史実に基づかない誤った歴史認識をもたらすことになったとし、韓国国内の反日感情や国際的な問題となって国益を損なったとしています。

 「吉田証言」が虚偽のものであったことと「河野談話」との関連がないことは、談話作成に携わった当時の官房副長官であった石原信雄氏の証言からも明らかです。

 「意見書」は、日本軍が深く関わって多くの「性奴隷」としてきたことに対する国の公式見解として謝罪した、「河野談話」を否定する異常な攻撃の一環として、極めて問題です。

 「意見書」は、「吉田証言」を口実にした歴史の偽造にほかならず、世界の流れとも逆行するものです。韓国をはじめ、国際的な批判をさらに浴びるものになることは、言うまでもありません。

 政権与党である県議会の自民党と公明党両会派による今回の暴挙は、「集団的自衛権行使容認」の閣議決定を受け、六月定例県議会において「憲法改正」の早期実現をと迫った意見書採択という暴挙と並ぶものです。

 歴史を偽造して、安倍政権による「戦争する国づくり」をさらに後押しする今回の大暴走に、私たちは強く抗議するとともに、憲法9条を守る闘いと共同をさらに強めて、「戦争する国づくり」を絶対にストップさせようではありませんか。

二〇一四年十月十日  山口県憲法共同センター
 
「慰安婦問題」意見書の強行可決に抗議する緊急集会」

■決算特別委の選任
 
 決算特別委員会の構成と審査日程が決まりました。今月3 0 日の県内視察を皮切りに、1 1 月4 日から7日まで、商工労働・環境福祉・総務企画・農林水産・文教警察・土木建築など6 委員会と、公営企業や会計管理局、監査委などの審査を行います。

 日本共産党からは2 年ぶりの参加、木佐木がメンバーに入りました。
 
◎国井 益雄(自民党)下松
 
○島田 教明(自民党)防府
 
・新藤 精二(自民党)山陽小野田
 
・有福 精一郎(自民党)下関
 
・平岡 望  (自民党)下関
 
・篠崎 圭二 (自民党)宇部
 
・江本 郁夫(自民党)山陽小野田
 
・吉田 和幸(自民新生)下関
 
・末貞 伴治郎(自民新生)山口
 
・西嶋 裕作(民主連合)山口
 
・曽田 聡  (公明党)下関
 
・木佐木 大助(共産党)下関
 
・神田 義満(とことん)防府
 


9月議会報告・一般質問Ⅰヘイトスピーチ問題について

2014年10月07日 | 記事

1601  10月3日に一般質問を行いました。

 知事就任以来、一般質問ではどの会派の議員に対しても、1テーマの1~2項目だけに答弁し、後は「関係参与員がお答えします」と自らの見解を述べることを避けてきた村岡知事ですが、私の5つの質問テーマの内、原発と基地以外の3テーマ(子育て支援、第二関門橋問題、ヘイトスピーチ問題)に、答えてきました。

 第二関門橋問題など、様々な見解の相違が生まれても当然ですが、いくら官僚出身といっても官僚答弁すら立たないことは、決して許されません。他の参与員と決定的に違うのは、知事は選挙で選ばれた職責・職務を負っている特別な存在です。

 一般質問の前日・2日に開かれた議会運営委員会で、このことを問題視した発言・指摘をしましたが、これが反映されたものだと思います。

 こうした中で、ヘイトスピーチについて重要な答弁・見解が示されましたので、報告の順番を入れ替えて紹介します。

■ヘイトスピーチ「決して許されない行為だ」…村岡知事答弁
 
 ヘイトスピーチ問題について伺う。

 この問題では、七月の国連自由権規約委員会に続いて、八月末の国連人種差別撤廃委員会も、「人種や国籍で差別し、暴力を扇動するヘイトスピーチ」問題に、日本政府が断固として対処するよう法規制を含めた対応を勧告した。

 国連条約機関から勧告が相次いでいることは、日本の現状が世界の流れから大きく立ち遅れており、そのことを国際社会が深く懸念している現実をあらわしている。

◆山口県でも跋扈…社会的批判で包囲を
 
 山口県でも、日の丸や軍艦旗を掲げて「朝鮮人をたたき出せ」など声をはり上げる在特会によるヘイトスピーチが、昨年十二月八日以来、五月二七日、九月二三日と、わずか十ヶ月の間に3度も行われるなど、他人事ではない。

 いずれも下関で行われ、今後も続くものと思われるが、山口県としてヘイトスピーチ・デモを許さない断固とした立場を示し、社会的批判で包囲する先頭に立つべきだと考える。

 人権問題を所管する松島法務大臣は、「特定の人種や民族、国籍の方に対する憎悪・侮辱する言動は絶対に許してはならない」と明言している。

 知事の見解をお伺いするとともに、人権推進指針を所管する環境生活部と人権教育を所管する教育委員会は、この間どのような対応をしているのか伺う。

 私は、ヘイトスピーチの法的規制や差別禁止法については、さらに真剣な検討・議論が重要と考えるが、同時に当面の対処もキチンと行うことも必要だ。

 在特会のヘイトスピーチに対して京都地裁・大阪高裁で、「宣伝を禁止し犯罪者として罰する」と断じた司法判断も連続して出されている。

 在日の人々をはじめ住民の安全を保護する立場から、脅迫・威力業務妨害に当たる行為、生命身体への著全国各地に出没する「在特会」のヘイトスピーチ・デモしい危険な行為について、適切な警告と制止、取締をすべきだが、県警本部長の見解を求める。

□村岡知事の答弁要旨

 

 特定の国や民族等に対しての侮辱的・差別的な言動、いわゆるヘイトスピーチについては、人間の尊厳を損なうものであり、また、多くの人々に不安感や嫌悪感を与えるもので、決して許されない行為だと思っている。

 □部長・教育長・県警本部長の答弁要旨
 
 県としては「山口県人権推進指針」に基づき、幅広い啓発活動を推進し、県や市町職員をはじめ、業界団体や事業所などを対象とした人権研修を実施しているところであり、大都市や本県で実施された在特会の街宣行動の状況を踏まえ、研修の中で、ヘイトスピーチについても取り上げている。

 今後とも、差別を扇動する言動に、県民が何ら影響されることがないよう、県民一人ひとりが、基本的人権を尊重し、人権問題に対し正しい理解が深まるよう、人権啓発活動に取り組んでいく。( 半田環境生活部長)

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 県教委では、「指針」に基づき、基本的人権尊重の視点に立って、全ての人々が互いの人格を尊重する言動ができるよう、学校における児童生徒の学習活動の充実を図るとともに、様々な場を通じて人権教育を推進している。ヘイトスピーチについても、本年度から学校管理職の研修で取り上げている。

 県教委としては、今後とも異文化を尊重し、異なる習慣・文化をもった人々と共に生きていく態度を育成することができるよう、市町教委等と連携して、人権教育に取り組んでいく。( 浅原教育長)

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 ヘイトスピーチの言動が違法行為に当たるかどうか、個々の事案の具体的状況の検討が必要と考えている。

 いずれにしても、県警察としては、違法行為を認知した際は、法と証拠に基づき厳正に対処していく。( 藤村県警本部長)