大助の駆けある記

日本共産党・木佐木大助の山口県議会通信

12月県議会報告…一般質問Ⅰ

2012年12月25日 | 記事

■知事の政治姿勢① 憲法への基本認識
 
 日本共産党の木佐木大助です。質問に入る前に一言述べさせていただきます。
 
 歴史的な総選挙が終わりました。その結果、自民・公明両党が325議席を獲得し、自公政権が復活する運びとなりました。

 しかし、比例代表でみると両党が獲得した得票は、国民から「自公政権ノー」の厳しい審判を受けた前回衆院選よりも、自民党は219万票、公明党も94万票減らしました。「民主もダメだったから、自民へ」とはなっていません。これは、投票した人が10%も下がったことにも現れています。

 自公が大きな議席を得たのは小選挙区制の影響です。自民党は小選挙区でも前回比166万票減らし、得票率43%にとどまりましたが、議席占有率は79%にもなります。まさに民意を歪める選挙制度の欠陥を示しています。

 自公が三分の二以上の議席を占めたことで、憲法を改悪して、日本を戦争できる国にする大変危険な動きが強まっています。しかし、それは国民の願いに逆行し、アジア諸国との関係も悪化させることになります。すでに、アメリカや中国、韓国のメディアは、右翼的な動きが強まれば国際関係に「一大波乱を引き起こすだろう」と警戒し、懸念しています。

 また、大不況のもとでの消費税増税、原発再稼働、TPP参加、基地問題など様々な課題が山積しています。どの問題もその帰趨を決めるのは、これからの国民のたたかいだと考えます。

 わが党の議席は、比例八議席にとどまりましたが、総選挙で掲げた公約の実現のため、一致するすべての政党と力を合わせ、一歩でも二歩でも前進させるため頑張っていく決意を表明して、通告に従って質問を行います。

●憲法認識は政治姿勢の根幹
 
 知事の政治姿勢について五点お尋ねする。

 始めに、その根幹に関わる問題として、知事の日本国憲法への認識を伺う。

 今回の総選挙では、自民党は「国防軍をつくる」、民主党は「集団的自衛権の行使を」、日本維新の会は「核兵器の研究を」など、日本を危険な道に導こうとする主張が目立った。また、社会保障制度の切り下げ、とくに生活保護制度の改悪を選挙公約する政党も現れた。

 こうした主張は、戦争放棄と武力の不保持を定めた憲法9条、「誰もが人間らしく生きる権利」を定めた憲法25条を否定するものと言わざるを得ない。
 
 山本知事は、この選挙で自民党支持を明言されたが、同党の公約である「国防軍の創設」や生活保護制度の切り下げに賛同されるのか。それとも憲法9条および25条を遵守する立場に立たれるのか、明確な見解を示してもらいたい。

◆山本知事の答弁要旨
 
 私の憲法認識についてのお尋ねだが、山口県政をあずかる知事としては、現行の日本国憲法の規定を遵守することは当然のことであると考えている。

 防衛政策や生活保護制度については、国の責任においてしっかり議論し、結論を得ていただきたいと思っている。

●憲法問題での再質問
 
782_2781_3 憲法問題について、少し踏み込んで知事のお考えを伺いたい。

 これから政権を担う安倍元首相は、自衛隊を国防軍に変え、さらに集団的自衛権の行使…即ち米軍と一緒に海外で戦争ができる国にする、などと全国各地で発信し、そのためには「戦力不保持と交戦権の否認」を明記した憲法9条の第2項を、敵視した発言を繰り返している。

 元々、安倍元首相は、五年前に政権を投げ出した時にも、しきりに「戦後レジームからの脱却」を唱えておられたし、また首相在任中に「靖国参拝ができなかった」ことを痛恨の極みとも言っておられた人物だ。

 今回、「誇りある美しい日本を取り戻す」こういうスローガンを打ち出し、そのあげく選挙戦最終盤には、ネット番組で「憲法前文はみっともない」などと、ここまで言い放っている。

 自民党総裁に返り咲いた安倍元首相の、日本維新の会と「右へ右へと競い合う」…こうした度をこした「改憲発言」は、枚挙にいとまがない。

 まさに、取り戻したい日本は戦前の日本、あの大日本帝国憲法下の日本ではないか。こういう疑念も生まれている。

 こうした改憲・タカ派、これについては従来の保守からも逸脱した現自民党執行部の危険な政治姿勢に対し、この議場におられる公明党や自民党の方々も、いささか心配されているのではないかと推察する。

 再度、知事にお尋ねする。穏健な保守・オーソドックスな保守政治家である知事として、こうした戦後日本の歴史と国際関係を否定しかねない、自民党安倍元首相の一連の改憲発言は、アジア諸国との友好関係の構築や県内の輸出関連企業の振興の障害になるのではないか。この点、知事の見解を伺いたい。

◆再質問に対する山本知事の答弁要旨
 
 木佐木議員から、自民党の公約を引いて、日本国憲法への私の認識をお尋ねになられた。

 安倍自民党総裁が、国家の機能を取り戻す、日本国として働くべき国の機能をきちんと責任を持って取り戻して、これから国家を運営していくとおっしゃっている。その努力の中に、戦後制定された憲法に対してどういう態度を取っていくかということも発言されている。

 私は、何より大事なことは、日本国が国家として機能する、責任もって国際社会で行動できる、そういう国家を取り戻すという安倍総裁のお考えは存じている。
 
 我が山口県から輩出する総理として、この責任を全うしていただくことを切に山口県民として願っている。その足下で精一杯、山口県としてやるべきことを担っていきたい。そういう思いでいっぱいである。



衆院選…日本共産党は比例8議席に留まる

2012年12月19日 | 記事

 

■比例で後退するも…小選挙区ひがき候補は大健闘
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 衆院選の結果は、民主党は現有230議席から57議席に激減する歴史的惨敗を喫し、政権から滑り落ちました。一方、自民党は現有118議席から294議席と大幅増。公明党と合わせて325議席と3分の2を超えました。日本共産党は、残念ながら1減の8議席。中国ブロックの議席奪還は果たせませんでした。

 4区でも比例票は痛恨の後退。一方、小選挙区では「危険な安倍自民党の独走許さず」と奮闘した桧垣徳雄候補が、民主党候補をとらえ前回比5090票伸ばす大健闘でした。

●捲土重来…公約実現に全力で頑張ります
 
 歴史的な総選挙で、わが党に多くのみなさんから寄せられたご支援に、心から感謝いたします。

 政権党である民主党の大敗は、政権交代にかけた国民の期待をことごとく裏切ったことへの審判であり、一方自民党の議席増についても政策や理念への支持ではなく、小選挙区制度の歪みが極端に現れた結果だと言えます。

 私たちが目標とした中国ブロックでの議席回復は、残念ながらかないませんでした。選挙戦に限らず、党づくりの面からも深く総括し、今後の闘いに生かしていく決意です。

 選挙中、候補者を先頭にした政策論戦で、富裕層や大企業への応分の負担で、消費税に頼らなくても社会保障や財政再建の財源はできること、TPP反対、原発即時ゼロや基地オスプレイ問題への具体的提案は、これから国民が新しい政治を模索するうえで、必ず力になると思います。

 これからも、大きなご支持ご支援を日本共産党にお寄せいただきますよう、心からお願いいたします。

                    日本共産党山口県委員長 佐藤 文明

【小選挙区4区候補の得票状況】
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 前回の共産党候補は不肖・木佐木大助。民主党は戸倉多香子さん。

【比例代表選挙・党派別・行政区別得票状況】
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■12月議会再開…安倍政権発足みすえた論戦へ

 
 11月28日に開会され、知事の議案説明と提案、所信表明を受けた後、29日から休会に入ていた12月議会。総選挙の投開票日翌日の12月17日に直ちに再会され、代表質問と一般質問の論戦に入りました。

 私は、3日目の19日に一般質問を行いました。県議会は12月26日までの予定。最終日に日本共産党県議団を代表して討論も行います。

●一般質問項目
 
(1)知事の政治姿勢について
 
   ①知事の日本国憲法への認識、 ②来年度の予算編成について
 
   ③原発問題と上関原発建設・公有水面埋立免許の延長問題
 
   ④岩国基地問題とオスプレイ配備問題、錦帯橋空港の安全性問題
 
パネッタ米国防長官のF35B岩国配備発言について
 
⑤TPP交渉参加問題について

(2)土木行政について
 
 笹子トンネル事故をうけた県内トンネル対策と、道路橋りょうの安全確保について

(3)生活保護行政について
 
 制度見直しによる社会保障全般に係わる影響、締めつけ強化ではなく、「より受給しやすい制度」へ改善を

(4)水産振興について
 
 漁業者支援と県漁連への指導

(5)産業廃棄物税について
 
 課税効果の平等性を図るためにも交付制度の検討を

(6)労働委員の選任について

【代表質問…4会派】 
 
①守田 宗治(自民党)下松、②橋本 尚理(自民新生)岩国
 
③先城 憲尚(公明党)下関、④井上 剛(民主・連合)防府
 
【一般質問…12人】
 
①藤井 律子(自民党)周南、②末貞 伴治郎(新生)山口
 
③石丸 典子(公明党)防府、④西嶋 裕作(民主党)山口
 
⑤木佐木 大助(共産党)下関、⑥神田 義満(とことん)防府
 
⑦井原 寿加子(草の根)岩国、⑧佐々木 明美(社民党)宇部
 
⑨合志 栄一(新政ク)山口。⑩有福 精一郎(自民党)下関
 
⑪藤本 一規(共産党)宇部、⑫笠本 俊也 (自民党)長門